トップページ

その4  2日目夕方〜夜

 

猿岩

(さるいわ:郷ノ浦町新田触)

ゴリラ岩がある渡良半島から北隣の黒崎半島へ移動し、今度は猿岩の見物。黒崎半島先端にある猿岩は壱岐島を代表する観光スポットのひとつで、展望スポットになっている駐車場は満車で観光バスも停まっていて、多くの観光客で賑わっていた。壱岐島観光を始めてからここまでほとんど観光客の姿を見ていなかったので、休日の観光地らしい人出と賑わいに少々たじろぐ。

猿岩

猿の横顔そっくり

ゴリラ岩はしっかりとゴリラの横顔をしていたが、猿岩も文句無しの猿の横顔をしていた。しかもこちらは顔だけでなく胴体部分まであり、高さ45mもある大岩なので存在感もある。観光客が集まるのも納得の奇岩。偶然にもゴリラ岩と猿岩はお互い向き合うようなかたちになっているらしい。なかなか面白いじゃないか。そして猿岩は左京鼻の観音柱と同じく、島が流されないように神様が造った8本の柱のひとつ、という設定になっている。

黒崎砲台跡

猿岩駐車場の隣にある黒崎砲台跡も見物。まずは駐車場脇にある坂道を上がって砲台跡の上部へ。主砲が設置されていたコンクリート製の縦穴を見て、7年前の対馬旅行で観光した豊砲台跡が思い浮かんだ。形がよく似ている。次に坂道を下りて砲台入口へ回ると、当時の様子が描かれたイラスト看板がありそれを見て納得。黒崎砲台跡は対馬の豊砲台跡と同じく、戦艦に搭載されていた主砲が設置されたものだった。ところで、イラスト看板には「東洋一の黒崎砲台跡」とあるが、対馬旅行記を見返したら豊砲台跡は「当時世界最大級の巨砲が設置されていたと」と記されてある。実際はどっちが大きいの?

戦争当時の様子

黒崎砲台跡入口

イラスト看板の隣には、黒崎砲台砲弾と戦艦大和の主砲砲弾のレプリカが置かれている。黒崎砲台は戦艦土佐の40センチ主砲を取りつけて造られた…と、イラスト看板に書かれてある。戦艦大和の主砲は史上最大の46センチ砲なので、大和主砲砲弾の方がひと回り大きい。戦艦大和がいかに巨大な戦艦だったのか改めて実感。まぁ、あっけなく沈没してしまったが。

入口から続く通路には照明が設置されておらず暗い。入口付近は外の明かりが入って多少様子が分かるが、奥は完全な暗闇で何も見えない。なのでスマホのライトを点けて奥へ進むが、途中で立ち入り禁止になっていた。ちょっと残念。対馬の豊砲台跡は施設の保存状態が非常に良く、主砲が設置されていた縦穴の下まで行けたのに。規模はどうあれ観光スポットとしては黒崎砲台跡の負け。

中は真っ暗

途中から立入禁止だった

猿岩の観光は駐車場からちょろっと眺めるだけで、おまけの黒崎砲台跡の見物も直ぐ終了。わざわざ黒崎半島先端まで来てこれで終わりでは物足りないという事で、駐車場からさらに先へ続く道路を少し歩いてみると、猿岩の前まで続くゆるやかな丘を発見。なかなかいい感じの場所じゃないか、しかもこちらには観光客が全くいない。丘の上まで歩くと断崖絶壁で目の前に猿岩があり、周辺の海岸風景を一望できる絶景が広がっていた。

いい感じの場所発見

横から(顔の正面側から)見る猿岩

なかなかの絶景

さらに別の角度から猿岩

さらに離れて猿岩

丘からだと猿岩は猿の顔には見えないが、それでもなかなか特徴的な巨岩でかなり見応えがある。猿岩から北側へ向けて細い海岸が延びていて、その更に先に複数の小島が点在している眺めもとてもいい。小島群の一番先に見える手長島には灯台が建ってるのが見える。個人的には猿の横顔に見える駐車場からの眺めよりも、こちらからの絶景の方がずっとダイナミックで見応えのある風景。自分の足で見つけた猿岩のもう1つの顔と絶景に満足。

手長島

手長島灯台

唐人神展望所がある山

丘から猿岩とは反対の内陸側を向くと、小高い山が目の前にある。何となく山頂からの眺めが良さそうな気がして、そして道路へ戻ったところに丁度よく山道の入口があった。案内板によると展望所までは徒歩200mと短距離なので、急遽予定外の山登りをする事に。山道はしっかり整備されていて非常に歩きやすく、5分程度で山頂の唐人神展望所に到着。

山道を登る

整備されて歩きやすい

唐人神展望所

なかなか立派な展望台が設置されているので絶景を期待したが、周囲の木々が眼下の景色を隠してしまっていて残念な眺めだった。猿岩に至っては頭頂部が僅かに木々の上から覗いているだけ。本当に勿体ない。展望台が造られた頃は周囲の木々はもっと低く眺めが良かったのかも知れない。まぁこんな事もあるさ。大した道のりではなかったし、時間は余っているくらいだから別にいいさ。

周囲の木々が眼下の景色を隠してる

猿岩はほとんど見えず…

展望台隣にある戦争遺構

砲台の指揮所跡らしい

唐人神展望所の隣には戦争遺構があった。黒崎砲台の指揮所だったらしい。建物の壁が残されている以外には何も無く、説明看板なども見当たらなかった。唐人神展望所は展望台からの眺めも戦争遺構もかなり微妙で、間違いなくあまり観光客が訪れないマイナースポットだった。まぁいいさ、たまにはこういう場所にふらっと寄り道するのも悪くない。

観音岩

(かんのんいわ:郷ノ浦町新田触)

猿岩駐車場に戻って車に乗り込み、駐車場より先へ続く道路を進み黒崎半島の先端をぐるっと回る。その途中に「観音(岩)和多」と書かれた案内板に目が留まり、ついでに観音岩と思われるものがある場所まで行ってみようという事に。案内板と入口の感じからして際立った観光スポットではない事は予想がつき、唐人神展望所以上に微妙なマイナースポットであることすら漂うが、この後の予定は食事と入浴くらいでまだ時間に余裕があるので。昼前からの曇天と雨で一時観光が滞ったが、それでも時間が余るくらい余裕のある旅行計画だった。なりかつの車中泊旅行でこんな事は珍しい。

たまたま目に留まった案内板

分岐点の案内板は消失

車を道路脇の空きスペースに駐車し(駐車場無し)、草木が生い茂る中を続く遊歩道に入る。程なくして分岐路に差し掛かるが、案内板が設置されていたと思われる支柱が残されているだけで、どちらが観音(岩)和多へ続く道なのか分からない。遊歩道入口で撮った案内板の写真をカメラで確認すると、「観音(岩)和多 230m」「太郎磯・次郎磯 170m」とありどちらも短距離なので、両方行けばいいやという事に。時間には余裕がある。

で、海の広がる眺めのいい方へ続く道を進んで辿り着いたのが、ゴツゴツした岩が敷き詰まった海岸。その中に高さ150〜160cmくらいの岩が立っているが、どう見ても観音には見えない。どうやら太郎磯・次郎磯の方へ来てしまった。案内板も無いのでどれが太郎磯・次郎磯なのかも分からない。もしかしたらもっと先へ行けたのかもしれない。ともあれ、2分の1の確率を外した。

眺めのいい方へ進む

こんな場所にたどり着いた

分岐点まで戻り、草葉に囲まれたもう一方の道に入る。しかし疲労が出て来て歩くのが急激にしんどくなる。何だかんだで観光1日目は結構歩いている気がする。まだ時間は16:00を回ったところで他にも何処か適当に観光しようと考えていたが、疲れてその気は無くなった。時間に余裕はあったが体力に余力は無かった。

別の道を進む

こんな場所にたどり着いた

草葉に周囲の視界を遮られた細道をとぼとぼ歩き、やがて視界が開けた場所に出ると「観音(岩)和多」と書かれた案内板があり、正に観音様の形をした岩を発見。横を向いて僅かに見上げているように見える。写真だと距離感がイマイチ分からないが、案内板が立つ展望スポットから観音岩がある海岸まではそこそこ離れていて、観音岩の大きさはまぁまぁありそうにも見える。

観音岩背景の海面が眩しく照って、黒いシルエットの観音様が光に包まれているような様がより印象的な光景にしている。それと観音岩周囲の窪んだ地形の中に海が見える様子が、器の中に満たされた水のようにも見える。その水底に小さな観音像がポツンと置かれているような感じ。マイナースポットであるのは間違いないが、思っていたよりもいい場所じゃないか。

観音岩みつけた

別の方角の眺め

観音岩の展望スポットからは、南へと延びる壱岐島西海岸の風景も一望。視界いっぱいに青空が広がり、雲は少なく、前日から吹き続けていた風はいつの間にか止んでいた。これなら翌日の観光も快晴下で出来そうだと、期待と安心感を得る。時間はまだ16:30で日没の19:00まであと2時間半あるが、疲れたのでこの日の観光は終了。予定ではあと2泊する事になっているが、あと1泊で十分なんじゃないかという気分になってきた。壱岐島に車中泊で3日間も滞在するのは長過ぎると感じ始める。

黒崎半島を出て、直ぐ側にある温泉地の湯ノ本までとりあえず移動。予め調べておいた日帰り入浴可能な温泉宿がある。ただし17:00〜19:00の間は宿泊客しか入浴出来ないため、日没時間と同じ19:00になるまでの丸2時間待たなければならない。流石に時間を持て余すので何処かへ行こうと考え、SLマニアの父親に頼まれた蒸気機関車の撮影をしに行く事に。場所は壱岐島のほぼ中心にある壱岐消防署の向かいにある交通公園。湯ノ本から公園までは約5km、車を運転して10分弱で到着。

で、目的のSLはと言うと…とんでもないボロ!車体のそこら中が腐食している。最初赤茶色なのは錆びだと思ったが、そうではなく錆止めを塗ったものらしい。いずれにせよ酷い有様である事には変わりない。管理放棄か管理者不在か分からないが、どれだけ放置すればこんな穴だらけのボロになるのだろうか。公園向かいの消防署員が手入れしてあげればいいのに、なんて訳にはいかないか…

赤茶色は錆ではなく錆び止め

横に穴が空いた煙突

ボロにも程がある…

交通事故犠牲者慰霊碑

交通公園と言っても芝生が生えた敷地の隅にボロSLがあるだけじゃないか、と思ったが、SLとは反対の目立たない片隅に「交通事故犠牲者慰霊碑」と刻まれた碑が置かれていた。なるほど、そういうテイの交通公園なのか。一般的に交通公園と言えば、子供が足漕ぎゴーカートや自転車に乗って公園内の道路を走って遊ぶ場所だと思うが。実家の近所にもそこそこ大きな交通公園があって、子供の頃よく遊んだ記憶がある。無邪気だったあの頃が懐かしい…

湯ノ本

(ゆのもと:勝本町立石西触)

交通公園から湯ノ本に戻ってもまだ18:00前で、空腹になってきたので入浴前に食事をして時間を潰そうと思い立つ。その前に日帰り入浴で利用する平山旅館に電話をして、19:00から入浴出来る事を念のため確認。それから旅館の離れにある駐車場に車を停めさせてもらい、湯ノ本のメイン通りを歩く。温泉街なので通りには飲食店や商店が多少はあると思っていたが、予想に反してほとんど無い。営業している居酒屋のような店を一軒見かけた程度。なので人通りも全然無い。正直想定外だ。

日帰り入浴可の旅館

そして更に想定外の出来事が。予め島内のコンビニを調べておいて(1年半前に)湯ノ本にファミリーマートがあったので、夕食はコンビニ弁当で我慢しようと店の場所を確認して向かうが、あったのは「ファミリーマートShiNaGaWa」という個人商店だった。黒崎半島を出て湯ノ本に着いた時から、町の様子からしてコンビニは無さそうな雰囲気があり疑ってはいたが。。仕方ないので夕食については入浴後に考える事に。で、日没時間が日帰り入浴の開始時間と同じ19:00なので、入浴前に日没風景を見ようと思い立つ。

鳥居が並ぶ参道の階段道

高台にある伏見稲荷神社

高台の公園から湯ノ本湾を眺める

出来れば海に沈む太陽を見たいと海岸の方へ歩いて行くと、階段道にいくつも並ぶ鳥居に目が留まる。ちょうちんがぶら下がっているのでお祭りでもあるのだろうか。階段を上り切ると「伏見稲荷神社」と書かれた鳥居と小さな社殿があり、その裏手が高台にある公園になっていて、湯ノ本湾と日没を控えた夕日を眺望。これ以上歩き回るのも面倒だしここで日没を待とうと、公園のベンチに腰掛け暫し待機。念のためカバンにカロリーメイトを入れておいたので、夕景を眺めながらかじって空腹を紛らわす。

公園からの眺めは悪くはないが、構図に変化をつけられない事もありずっと眺めていたら飽きて来たので、下からの眺めはどうかと公園奥の階段から湯ノ本湾へ下りる。そして海がよく見えるように湯ノ本湾を囲む堤防の上に上がる。個人的に公園からの眺めよりはいい感じ。どうせなら水平線に沈みゆく太陽が見たいと思い、遠くの島々の影に隠れずその間の海に太陽が沈むように見えるように、堤防の上を歩いて見物位置を修正。がしかし…

湯ノ本湾の堤防から夕景見物

水平線に沈む夕日が見たいから→

移動したら防波堤が手前に…

太陽が水平線に落ちるように見える位置まで移動したら手前に防波堤が重なってしまい、海の大部分と海面に映る夕日の柱が隠れてしまった。しかしながら、防波堤と遠くの島々のシルエットに挟まれて細い線のように見える海も、なかなか印象的な構図で悪くない。そして19:00を回ったところで日没。久しぶりに水平線に沈む夕日を見られた気がする。ともあれ、結果的に入浴までの余った時間を有効活用する事が出来たし、1日に日の出と日の入り両方を見ることが出来て充実感2倍。

これはこれでいい構図だと思う

湯ノ本湾から旅館へ引き返す時に伏見稲荷神社の参道の前を通ると、鳥居の並ぶ階段道のちょうちんが灯っていた。しかしながら辺りに人影は全く無く寂しい雰囲気。1日かけてメジャースポットからマイナースポットまで沢山の観光スポットを回ったが、総合的に見て観光客の姿は随分少ないと感じた。コロナウイルスの影響で例年よりも観光客が少ないのか、それとも小さな離島という事で例年通り観光客が少ないのか、そこまでは分からない。

19:20から待ちに待った入浴。しかし他の入浴客グループに長時間占拠された湯船があり、内湯はひとつの湯船しか浸かれず。そして自分だけしかいない湯船でのんびりぼけーっと浸かっていたら、ウトウトして途中で寝オチ。後から露天風呂にも浸かるつもりでいたが、内湯に長時間浸かっていたら疲れてしまい、おまけに空腹感も強くなり、結局露天風呂には入らず。少し勿体無い事をした。まぁ1日の汗と汚れはしっかり落としてリフレッシュできたので良しとする。後は食事をして翌日朝一に観光する壱岐島北端まで移動するだけ。

時間的にもこれから営業している飯屋を探すのは難しいので、結局コンビニで夕飯を調達するしかない。スマホで改めて島内のコンビニを検索すると、何とファミリーマート2軒しか無かった。1年半前にはあったはずのポプラは2軒とも廃業したという事になる。湯ノ本からファミマまでの距離はどちらも7km台で、車を運転して10分ほどで着く場所だった。割と近くにあったので助かった。で、確実に営業していると分かる昼に立ち寄った方のファミリーマートへ。

到着したファミマは昼間のような混雑は無いが、21:00過ぎという時間の割には客が多い。やはり離島で24時間営業のコンビには貴重だ。遅い時間の割には弁当が残っていて助かった。高カロリーなものを食べてしっかりエネルギー補給をしたかったので、「グリルチキン&ガーリックピラフ弁当」を手に取る。栄養バランスも考えて野菜がたっぷり入ったトルティーヤも。それから翌日の朝と昼に食べる菓子パンや飲料も購入。本当は菓子パンよりもお握りの方がいいが、賞味期限が早朝までだったので諦める。そして都合よく店内に設けられたイートインで食事。さすがに夕食も車内というのはわびしい…

車中泊一人旅の晩飯!

食後はファミマから北へ延びる国道を進み、壱岐島北端にある町の勝本町勝本浦へ。旅行2日目に車中泊する場所は特に決めていなかったので、とりあえず翌日午前中に乗船する遊覧船の発着所がある勝本港へ。駐車スペースには公衆トイレがあり車中泊するには便利だが、何だかしっくり来ない。なので壱岐島本土の最北端に位置する串山海水浴場まで進む。そして22:30過ぎにたどり着いた海水浴場駐車場は、ヘッドライトを消すと真っ暗闇で周囲がどうなっているのか全く分からず。駐車場の隣にはトイレ・更衣室・シャワー室のある建物があるが、海水浴シーズンではないのでトイレまで施錠されていた。建物の通路にはテントが張られていて、駐車場の隅には前日夜に左京鼻駐車場に停まっていた軽自動車。偶然にも2日続けて同じ場所を宿泊地にしていた。海水浴場の隣はキャンプ場になっていて、そちらにもいくつかのテントが設営されていた。キャンプ場のトイレを利用し、歯を磨いて23:00過ぎに就寝。