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その5  3日目朝

 

串山海水浴場

(くしやまかいすいよくじょう:勝本町東触)

7:30起床。なりかつの車中泊旅行にしては遅い目覚め。北西を向いている串山海水浴場からでは日の出見物は出来ないし、早起きする必要も無いので目覚ましはセットしていなかった。車中泊するには快適な気温だったのでよく眠れた。夜に駐車場に着いた時は真っ暗で辺りの様子が全く分からなかったが、駐車場の目の前に緩い弧を描いた砂浜が広がり、海の向こうに島が見える。なかなかいい景色の海水浴場

串山海水浴場駐車場

車中泊旅でも身なりはちゃんとね

海水浴場の砂浜から正面に見える島は若宮島。石積みの囲いの中に建つ鳥居があったり、狭い間隔で灯台が2基建っていたりと、少々興味を惹かれる。若宮島の右端に三角形の山が見えるが、それは若宮島の東隣にある名鳥島の西端部。壱岐島北岸の向かいには、東から順に名鳥島・若宮島・辰の島と三つの小島が横並びしていて、この後に遊覧船に乗って辰の島へ上陸する。三島とも人が住んでいない無人島で、名鳥島と若宮島は一般人立入禁止。

串山海水浴場からの眺め

若宮島の鳥居

名鳥島の西端

海水浴場駐車場の片隅に「展望広場」と書かれた案内表示があり、丘の上へと続く坂道があったので、眺望の良い展望スポットであることに期待して向かう。坂道の途中で後ろを振り返ると、海水浴場に隣接した串山キャンプ場が見える。テントを設営して焚き火してグリルなんかで調理した料理を食べるのもきっと楽しいと思う。しかしそれだけのキャンプ道具を揃えるのは大変だし、出かける前の準備と車への積み込みは手間暇掛かるし、現地での設営や後片付けも楽ではないし、そして帰宅後の道具の清掃・洗浄・手入れ等が何より面倒だし…そう考えるとやはり自分にはお手軽な車中泊が向いている。

展望広場へ向かう

串山キャンプ場

そして駐車場から歩いて直ぐに着いた展望広場はと言うと、本当に何も無いただの丘の上だった。しかも一番高い場所まで上がってみても、広場をぐるっと囲む木々が外の視界をほぼ遮っていて眺望は最悪。これはあまりにも残念過ぎる。元々は周囲の木々がもっと低くて外の景色を一望できたのかもしれないが。管理が行き届いていないマイナーな展望スポットなどでよくある事だ。前日の唐人神展望所を思い出した。

これが展望広場…

木々が邪魔でほとんど展望できない

串山海水浴場を後にし、前日夜に通った海沿いの道路を引き返して辰の島遊覧船の発着所がある勝本港へ向かう。夜に通った時は真っ暗で辺りの様子が分からなかったが、綺麗な海岸風景や島々を車窓から見られる道路だった。”博多瀬戸”という名の内海が広がり、向かいに正面に名鳥島。何とものんびりとした雰囲気の風景、そして海が綺麗。

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道路から見える海岸沿いの地形や島にはこんもりと丸みを帯びた形が多く、独特な穏やかさがある風景。こういう眺めのいい海岸にアウトドアチェアでも置いて、のんびりとした時間を過ごすのもいいなと思う。しかし1ヵ所に長時間留まっているのが苦手な自分には難しいかもしれない。基本的に時間の余す限り動き回って沢山の景色を見たい、景色の変化を楽しみたいという考え。そういう点でもやっぱり自分にはキャンプは向かないと思う。

こんもりした印象の地形に目が留まる

辰の島巡り遊覧

(たつのしまめぐりゆうらん:勝本町勝本浦)

勝本町漁協観光案内所

勝本港の勝本町漁協観光案内所に8:30到着。ここが辰の島遊覧船の受付所になっている。船上から辰の島の海岸風景を楽しむ「辰の島巡り遊覧」が大人1500円、遊覧後に辰の島に上陸する「遊覧と辰の島海水浴場渡船」が大人2000円、遊覧無しで辰の島へ上陸する「辰の島海水浴場渡船」が大人700円。という事で、遊覧も辰の島上陸もしたいので、勝本港9:00発の「遊覧と辰の島海水浴場渡船」乗船券を購入。

遊覧船の出航まで勝本港をうろうろして時間を潰していたら、前日に観光した牧崎園地で写真撮影を頼まれたロードバイク乗り2人組みがやってきたので声を掛ける。自分もロード乗りなのでどんな自転車旅を少し気になったが、牧崎園地では快晴下での観光に夢中だったので声を掛けなかった。で、2人は大阪から輪行(公共交通機関で自転車を運ぶこと)で壱岐島まで来て、島内を自転車で回って旅している50代くらいの夫婦だった。荷物が詰まったリュックを背負っての自転車旅なので、かなり体力があるに違いない。42歳の自分には既にそんな体力も行動力も無い… ともあれ、これまでに走った場所の話になると共通しているコースも多く(琵琶湖一周・淡路島一周・小豆島一周・しまなみ海道往復等々)、話が盛り上がる。やはり同じ趣味を持つ人と話すのは楽しい。

遊覧船の乗船時間になったところで大阪のロード乗り2人とはお別れ。てっきり2人も辰の島遊覧に参加するのかと思ったが、時間の都合で帰路へ向かうらしい。遊覧船「エメラルド壱岐」に乗船し、2階展望デッキの左席外側に着席。窓に囲まれた1階席よりも展望デッキの方が視界が広く開放感があっていい。遊覧船で外の景色と写真撮影を十分楽しむには座席位置が重要だと、2年前の隠岐の島旅行で乗船した国賀めぐり定期観光船で学んだ。

エメラルド壱岐に乗船

遊覧船の様子

着席位置の反対側が見辛いのは仕方ない

2年前の隠岐の島旅行で初めて海岸を周遊する観光船に乗船し、陸からでは見られない迫力ある海岸風景を堪能し、今後は旅行先に海岸を周遊する船があったら乗船しようと決めていた。そして今回の辰の島巡り遊覧。きっとまた素晴らしい海岸風景を楽しめるだろうと、壱岐島旅行の中でも特に楽しみにしていた。旅行3日目は朝から晴れ空で視界も良好で、絶好の島巡り遊覧日和。

若宮島

若宮島南東端にある灯台

名鳥島の西端

9:00に勝本港を出港して、まずは辰の島の東隣にある若宮島へ向けて遊覧船は進む。車中泊した串山海水浴場から見えた若宮島の灯台や鳥居が船上からも見える。遊覧船は若宮島南岸沖から東隣の名鳥島南岸へと進み、名鳥島西端にある三角の岩山のすぐ側まで接近。そして名鳥島と壱岐島北端の間にある内海の博多瀬戸に少し進入。船上から眺める離島風景にもなかなか惹かれるものがある。まぁ、広島の瀬戸内海に広がる多島風景には遠く及ばないが。本家瀬戸内海に万歳。

博多瀬戸から見る名鳥島南岸(左)と壱岐島北岸(右)

壱岐島西岸を眺める

若宮島と名鳥島の南岸を軽く遊覧してから、いよいよ辰の島へ向けて遊覧船は進んでいく。左手には南へ続く壱岐島本土西岸風景が広がる眺め。沖から眺める海岸風景もいいものだ。勝本港を出てから約10分の乗船で辰の島南岸に接近。辰の島周辺の海は鮮やかなエメラルドグリーンをしていてもの凄く綺麗。これだけで一気に気分が上がる。

エメラルドグリーンの海!

辰の島南岸の船着場

船着場から見る辰の島海水浴場

辰の島南岸にある船着場に着岸し、渡船のみの乗客数人を降ろす。ここで降りた乗客は皆釣り道具を持っていた。船着場は入り江になっている海水浴場の南端にあり、山あいに広がる砂浜が遠くに見える。ちなみに自分は釣りにも海水浴にも縁が無い。ともあれ、早く辰の島に上陸して島内散策を楽しみたいところだが、ここからが辰の島巡り遊覧。

まずは南岸の船着場から辰の島東岸沿いに船は進む。船員は船を操縦する船長1人で、操縦しながらマイクを使って風景ガイドをしてくれるが、エンジン音が大きくてやや聞こえ難い。それで早速オオカミの顔の形をした岩を見逃してしまった。まぁそれくらいいいさ。海の宮殿と名付けられた特徴的な岩壁は見応え大で、船は至近距離まで接近。

オオカミ岩がある場所

辰の島東岸沿いを遊覧

海の宮殿

特徴的な岩壁

辰の島東岸の海は東隣の若宮島と挟まれた”アブラメ瀬戸”と名の付いた内海になっているので、波が非常に穏やかでのんびりした印象。何よりエメラルドグリーンの海が本当に綺麗。期待以上の海岸風景に大満足。そしてこの鮮やかな風景は明るい日差しのある快晴だからこそ見られた。天気にも恵まれて本当によかった。ひとつだけ残念なのが、東岸の北にあるマンモス岩(名前の通りマンモスに見える岩)まで遊覧船は北上せずに途中でUターンした事。島巡り遊覧で見物できる場所のはずだが、何か都合が悪かったのだろうか。

アブラメ瀬戸

辰の島東岸から南岸へ引き返し、今度は西岸へ回り込む。波が穏やかだった東岸とは打って変わって西岸は非常に波が荒い。海岸風景も東岸とは全く異なり、垂直に切り立った高く険しい岸壁が続く場所がある。手すりにしっかり掴まっていないと展望デッキから振り落とされそうなほどに遊覧船が激しく揺れるので、写真撮影もままならないし船長のガイドをじっくり聞いている余裕も無い。こんなに激しく揺れる船に乗ったのは初めてだ!

垂直に切り立った岩壁が続く

特徴的な海食崖

遊覧船は荒波に揺られながら西岸の北側まで進み、岩壁にできた細い裂け目のような蛇ヶ谷(じゃがたに)に接近。その隣にある辰の島最高峰の羽奈毛崎(はなげさき)には、小さい鳥が群れを成して沢山飛んでいる。羽奈毛崎の断崖には羽奈毛観音(名前の通り観音に見える岩肌)があるらしいが、自分にはさっぱり分からなかった。ともあれ、船上から間近に見上げる断崖はかなり迫力がある。こういう切り立った岸壁が続く風景は陸上からではなかなか見られないもの。

蛇ヶ谷

羽奈毛崎に鳥が沢山飛んでる

ちなみに、自分は遊覧船左側の席に座っていたので、辰の島西岸沿いを北上していく往路では右手に断崖風景があったため、撮影写真のほとんどは辰の島南岸の船着場へ引き返す復路で撮ったもの。ただ、船の揺れが激しく思うように断崖風景を撮れず、ブレブレの写真やどの辺りで撮ったか分からない写真が多数…

勝本港を出港してから約35分クルーズを楽しみ、再び辰の島南岸の船着場に着岸して島に上陸。辰の島巡り遊覧は想像以上に良かった。島の東岸と西岸で全く印象の異なる海岸風景を見られるのがいい。エメラルドグリーンの綺麗な海は最高だったし、荒波に揺られながら見上げる断崖風景も迫力があって楽しめた。隠岐諸島の西ノ島で体験した国賀めぐりクルーズも最高に良かったが、今回体験した辰の島巡りも劣らぬ楽しさがあった。海岸沿いを周遊する船から景色を眺めるのはやっぱり面白い。

南岸の船着場から辰の島上陸