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その6  3日目朝〜昼

 

辰の島

(たつのしま:壱岐市勝本町勝本浦)

辰の島マップ(折り畳む前に撮ればよかった…)

遊覧船時刻表

辰の島に上陸したのは9:40。迎えの船は10:40、11:40、13:00…と1時間前後置きに寄港し、どの便に乗船してもいいので、帰りの乗船時間を気にすることなく自由に辰の島散策ができる。辰の島を降りた乗船客は15人ほど。朝一の便に乗船したので、先に降りた渡船のみの数人を入れても島内にいる人間は20人程度という事になる、多分。静かな無人島をのんびり散策するのに最高の条件だ。

辰の島南岸の船着場から上陸

「ようこそ いらっしゃいませ 勝本」

通路を歩いて海水浴場へ向かう

とにかく綺麗な海

船着場から続く波打ち際の通路を歩いて、島の中心にある海水浴場へ向かう。入り江になっている海水浴場の海は鮮やかなエメラルドグリーンでとても綺麗。浅瀬は底がよく見える。あまりに綺麗な海で景色が最高なので、通路の途中途中で立ち止まり写真を撮っていたら、いつの間にか他の観光客の姿がなくなっていた。まぁちょうどいい、人影も人の声も無い状態で無人島らしさを満喫できる。

無駄に写真を撮って時間を消費する

海豚慰霊之碑

途中に「海豚慰霊之碑」と刻まれた碑があった。ひと昔前は辰の島周辺に沢山のイルカが生息していたが、漁業被害の対象となり漁民からは「海のギャング」などと言われていて、現在海水浴場となっているこの入り江で追い込み漁によるイルカの駆除が行なわれていたらしい。日本人によるイルカ漁や捕鯨は根深いものがあるな…

浅瀬は底までよく見える

 辰の島海水浴場

そして海水浴場の砂浜に到着。入り江の一番奥にあり波は非常に穏やか。そしてとにかく海の色が綺麗。何とも癒される海岸風景。壱岐島を旅行先に選び辰の島を訪れて本当によかったとしみじみ思う。

<< SCROLL    辰の島海水浴場 パノラマ写真180°    SCROLL >>

辰の島は無人島なので人は住んでいなくて民家も無いが、海水浴場には公衆トイレと休憩棟が建っている。本土から離れた離島の壱岐島にある離島の辰の島、という事でアクセスし難い場所になるが、海水浴シーズンにはどれだけの行楽客が訪れるのだろう。壱岐島と辰の島を繋ぐ唯一の交通手段(と思われる)の遊覧船は乗船定員も発着便数も限りがあるので、海水浴シーズンでもそんなに混雑しないんじゃないかと思う。

トイレと休憩棟

荒れ放題の細道を進む

海水浴場に着いていよいよ辰の島散策開始。まずは砂浜から見てトイレと休憩棟の手前左手にある、丸太の柵に囲まれた細道に入る。勝本港の観光案内所でもらった辰の島マップ(ページ1番上の画像)には載っていない道で、雑草や小枝が沢山伸びていてかなり歩き辛い。途中に発泡スチロールのブイまで転がっていたり。どうやら完全に放置された道なので、先に何かあるか期待はしていなかったが、100mほど歩いて行き着いた海岸はやはりこれと言った特徴も無く、いろんな形をしたブイやゴミなどの漂着物が散乱しているだけだった。直ぐに海水浴場に戻る。

特に何も無い海岸に出る

漂着物が多い…

次は海水浴場の休憩棟の裏手から続く遊歩道に入る。こちらは辰の島の散策コースで、観光スポットが集中するエリアをぐるっと一周できるようになっている。船着場からここまでかなりのんびり進んできたので、自分の前後に他の観光客の姿は見えず。何だか独り占め感を味わえていい。小高い丘の上まで続く登り道から後ろを振り向くと辰の島海水浴場を一望。辰の島マップには見返り坂と書かれてある。なかなかいい眺めだ。

遊歩道に入る

見返り坂から海水浴場を眺める

迫力ある断崖風景

無人島散策でもマスク着用

見返り坂を登り切った丘の上からは、辰の島西海岸の切り立った断崖がそびえる風景。これはかなり迫力のある絶壁だ。ちなみに、コロナ禍でのGW中の行楽という事で、人との接触がほぼ無い辰の島でもしっかりマスクを着用。マスクを外すのは写真撮影で自分を写す時だけ。登り道を歩くと息苦しいがそこは我慢。

<< SCROLL    見返り坂のある丘からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

遊歩道は丘を下って羽奈毛崎へと続く。読みは「はなげざき」、鼻毛でないのは分かっているが変な感じだ。山のようになっている羽奈毛崎のてっぺんは海抜60mあり、辰の島で一番高い場所。ところで海抜と標高はどう違うのかと調べてみたら、海抜は近隣の海面から、標高は東京湾の海面から測った高さだった。なるほど、勉強になった。

後ろにあるのが羽奈毛崎

「じゃがたに」と読む

羽奈毛崎の手前には断崖絶壁にできた割れ目の蛇ヶ谷。遊覧船からも見物したが、さすがにここは陸上から見物した方がどうなっているのか様子がよく分かる。蛇ヶ谷の奥には洞穴があり、その先に鬼の足跡と名付けられた空間がある。蛇ヶ谷と鬼の足跡を繋ぐ洞穴の上に遊歩道があり、どちらも見下ろせるようになっている。

蛇ヶ谷

鬼の足跡

遊歩道を外れて蛇ヶ谷突端の岩場へ出る。断崖絶壁の際に立つのはさすがに足がすくむ。万が一にもバランスを崩して転落したら確実に死亡…あまり無理はしない方がいい。断崖突端からは蛇ヶ谷と鬼の足跡を繋ぐ洞穴が見られる。少々体を張って大自然を満喫、たまらないねぇ。辰の島は本当に面白い。

蛇ヶ谷と鬼の足跡を繋ぐ洞穴

断崖の際に立つと足がすくむ

絶壁の高さにビビリながら洞穴を眺めていたら、「おーい」と背後で小さな声が聞こえて何事かと振り向くと、海上にいる遊覧船から乗客達が手を振っていた。何とも絶妙なタイミングで遊覧船が来たもんだ、ちょっと驚いたじゃないか。自分も船まで聞こえるよう「おーい」と大声で言って手を振る。きっと自分が乗船した遊覧船の次の便で、これからあの船の乗客が辰の島に上陸して島の人口密度が上がってしまうな、などと考える。

遊覧船から掛け声が

南へ引き返していく遊覧船

蛇ヶ谷の岩場から見る羽奈毛崎の風景はなかなか印象的。断崖突端から羽奈毛崎最上部まで続く斜面が、板状の岩が何層にも重なってできたように見える特徴的な地層をしている。これを見て最初にチョコレートケーキが思い浮かんだ。こんな感じにカット面が何層もあるチョコレートケーキがあった気がする。ちなみに、甘いものはあまり得意ではないのでケーキの名前までは出でこない。

羽奈毛崎

断崖から遊歩道に戻り、蛇ヶ谷と鬼の足跡の間にある洞穴の上を通った先で道はふた手に分かれ、羽奈毛崎の頂上まで続く登り坂に入る。この辺りにも人の姿は無く、本当に辰の島を独り占めしている気分になってくる。こういう景色の素晴らしい場所での孤独はとても気分が良く、最高のリラックス&リフレッシュを感じられる。ちなみに、別に自分は人嫌いでも根暗という訳でもない。

洞穴の上の遊歩道を通って

羽奈毛崎の頂上へ登る

羽奈毛崎頂上から見る南東側

羽奈毛崎頂上から見る北東側

羽奈毛崎頂上からは周囲の景色をぐるっと一望。視界いっぱいに青い空と海が広がり最高に気持ちがいい。真下の海岸を見下ろそうと頂上突端から身を乗り出すと足がすくむ。万が一にもバランスを崩して転落したら確実に死亡…あまり無理はしない方がいい。一般の観光客が立ち寄る場所でも安全のための柵は設けられていない。身の安全は自己責任。

羽奈毛崎頂上から海岸を見下ろす

気分上昇が止まらない

羽奈毛崎上部の岩場には大量の鳥が止まっていて、そして群れを成して周囲を飛び回っている。遊覧船から断崖を見上げた時にもたくさん飛んでいるのが見えた。羽奈毛崎頂上の小枝にも何羽か止りに来るが、近くで写真を撮ろうと寄り始めると直ぐに逃げられてしまうので、高倍率ズームで何とか1羽撮影。鳥の名前は調べても分からなかった。

羽奈毛崎に止る鳥の群れ

なんて名前の鳥だろう

断崖の様子は海上からでないと見られない

羽奈毛崎頂上も自分1人独占状態で、写真を撮りながら辰の島最高峰からの景色を楽しむ。ただ、羽奈毛崎の見所である断崖風景は頂上からでもよく見えない。やはり垂直に切り立った絶壁は海上からでないと見られないので、辰の島の風景を満喫するには島巡り遊覧必須。まぁ、壱岐島から辰の島へ渡るには勝本港発の遊覧船に乗るしかないので、島巡り遊覧+渡船の乗船券を買えばいい話。

遊歩道の分岐から羽奈毛崎頂上までの登り道を引き返す時に、辰の島を東西に分断するように広がる砂地の一部が見え、その中に石を敷き詰めて造られた道がある。周囲に石が多少散らばっていて崩壊しかけているようにも見える。辰の島マップにはそのまんま「石の道」と書かれてある。後から気付いたが、海水浴場を一望できる見返り坂からも見えていた。

羽奈毛崎を下りて遊歩道に戻る

石の道が見える

羽奈毛崎を下りて遊歩道を引き続き進んで行くと、鬼の足跡の展望スポットがある。ここには安全のための柵と転落注意と書かれた板切れ、さらに鬼の足跡の説明書きまで設置されている。島内随一のスポットという事だろうか。しかしながら、ここからだと蛇ヶ谷との間にある洞穴はよく見えるが、足跡の様子は洞穴の上の遊歩道からの方がよく分かる。

鬼の足跡展望スポット

展望スポットから見る鬼の足跡

説明書きによれば、荒波により侵食した海食洞の上部が陥没して出来た穴で、大鬼がフンドシで鯨をすくい捕るために踏ん張った時にできた足跡…という伝説があり、鬼の足跡と呼ばれているらしい。前日に観光した郷ノ浦の牧崎園地にある鬼の足跡も同じく海食洞の陥没跡だった。で、牧崎園地のがもう片方の足跡という設定になっている。辰の島と牧崎園地は10kmくらい離れているので、とてつもなく巨大な鬼という事になる。こういう昔の伝説や言い伝えを見る度に、昔の人は想像力豊かで自由な発想をしていたなと思う。それにしても、どちらの穴もどう見ても鬼の足跡には見えない。

鬼の足跡から更に遊歩道を進んで石の道に出る。大きめの石が敷き詰められていて、かなりボコボコしているので非常に歩き辛い。側に大量の石が転がっているので、そこから持って来たものと思われ。石の道がある砂地は海水浴場の砂浜まで続いていて、一部が海水に浅く浸かっている状態。満潮時にはこの辺りまで浸水するため石の道が造られたと推測。

石の道を歩く

ものすごく歩き辛い…

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石の道から海水浴場まで歩いたところで散策コース一周完了。辰の島西側の見物ポイントが集中するエリアをざっくり観光した事になる。辰の島マップを改めて見ると、上陸して見るポイントでまだ立ち寄っていない場所が残っていた。「けんの池」という場所で辰の島東側の北端に位置していて、海水浴場からは少し離れている。けんの池周辺には海上から見るポイントも3箇所ある(自分が乗船した遊覧船はそこまで行かなかった)が、陸上からでも見られるのか分からないしそこまで歩いて行けるのかも分からない(地図に赤いドクロマークがある…)。どうしようか迷って遊覧船の時刻表を確認すると、あと20分で11:40発の迎えの船が来るので丁度いいタイミング。次の迎えの船は13:00となり約1時間半もある。1箇所のスポットのためにそこまで留まるには時間をもてあそぶ事になるし、海上からのスポットはおそらく見られないだろうし… という事で、11:40発の遊覧船に乗って勝本港へ戻る事に。もう十分辰の島を満喫したのでイイヤっと。

海水浴場より北側の砂地

浅瀬の薄い水色と波紋が綺麗

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もっと若い頃だったらきっと辰の島の東側北端まで足を運んでいたと思う。40歳を過ぎて体力の衰えを痛感しているが、それだけでなく好奇心や冒険心も衰えたなと実感している。やはり若いうちに何にでも挑戦して経験しておくものだと、改めて思った。そういう点に関しては、自分は本当にやりたい事はそこそこやってきたと思う。うん、後悔も未練もない。多分…

入り江の波打ち際通路を歩く

ホント綺麗な海

海水浴場の砂浜を通って波打ち際の通路に入り、入り江南端にある船着場へ向かう。相変わら海が綺麗でつい写真を沢山撮ってしまう。何だかこれで辰の島観光を終えるのは勿体無いような気持ちにさせられる。考えてみれば辰の島に上陸したのが9:40なので、11:40の迎えの船に乗ったら島内滞在時間は2時間という事になる。そう考えると随分短いように思うが、辰の島はとても小さな島で見て回る場所も限られるので、やはり次の迎えの13:00まで滞在すると時間が余ってしまう。それに壱岐島へ戻ってからも観光する場所がまだまだ残っている。という事で、綺麗な海に少々後ろ髪を引かれつつ船着場へ。

<< SCROLL    入り江の波打ち際通路からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

船着場に到着して間もなく遊覧船も到着。船着場周辺の海底は浅く、遊覧船の影が底に映って船が浮いているようにも見える(写真だとそうでもないか…)。こういう光景も海が綺麗だからこそ見られるもの。辰の島は本当に海が綺麗でいい場所だった。時間通り11:40に遊覧船は壱岐島の勝本港へ向けて出発。さらば辰の島。

船が浮いているように見えるよ

船着場に到着

さよなら辰の島

後から改めて辰の島マップを見たら、散策コースにある「鬼子の巌」という防空壕を見落としていた。どうやら観光中はマップをよく見ていなかったらしい。これは今後改めないといけない反省点だ。与えられた情報はしっかりチェックしておかないと損をする。鬼子の巌の写真をネットで検索したら、斜面に開けられた浅めの横穴で大したモノではなかった(失礼)のが救い。ついでにけんの池も調べたところ、岩場のくぼみに出来た潮だまりのようだった。