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その2  1日目朝〜昼

 

快晴ならば旅行1日目は雄山を登山して室堂平で宿泊、2日目に室堂平のトレッキング…というプランは無理のよう。雄山側には厚い雲が広がっていて、雄山頂上には薄っすら雲がかぶっている状態。登山には3時間程度かかるようで、今から登り始めたら登頂する頃には完全に雲の中に入ってしまいそうな感じ。なので雄山登山のプランは諦め、1日目は室堂平のトレッキングをしてからアルペンルートを下りて車中泊し、2日目は信州のいくつかの観光スポットを周るプランに決定。雄山に登れないのは少し残念だが、長野県に着いた時は絶望的な空模様だっただけに、室堂平の観光が出来るだけでもありがたい。

左の山が雄山

みくりが池(みくりがいけ)

室堂平のシンボル的な池で、室堂平で最も大きい火口湖。天気が良ければ水面に周りの景色が映り込み素晴らしい眺めなのだが、微妙な空模様のためか風が出ているためか、そのような眺めを見ることはできなかった。それでも室堂平のシンボルにふさわしいよい景色。池の周りや遊歩道にはちらほらと積雪が残っている。次第に日差しが強くなり、肌を刺すような暑さになってきたので日焼け止めを塗る。

室堂駅からみくりが池に来るまでの間、日本語よりも中国語や韓国語と思われる言葉の方が多く耳に入ってくる。アルペンルートはアジアなど国外からの観光客も多いようだ。アジアの中でも有数な観光地という事だろうか。

地獄谷(じごくだに)

みくりが池西端まで進むと印象的な景色が見えてきた。北アルプスの緑の山々の手前に灰色の地形。そしてそこまで続く急斜面の石段。灰色の部分は火山性ガスを噴出す地獄谷。今までに見たことの無い眺めに興味が沸く。みくりが池から地獄谷に向けて石段を下り始めると、遠足だろうか、黄色い帽子を被った児童達がたくさん石段を上ってくる。皆息切れして必死な様子。疲れて途中で石段に座り込んでいる児童もいる。自分は下りなので余裕でスタスタと下りていくが、しかしこれだけ一気に下るという事は、室堂平を一周する間に今度は急な上りに遭遇する事になるのだろうなと、石段を下りながら思った。

みくりが池から地獄谷まで長い石段が延びている

石段を下りていると次第に硫黄の匂いがしてくる。最初はよくある温泉地の硫黄臭と同じ感じだったが、だんだん塩気の強い匂いになっていき、地獄谷に入ると時折ツンと鼻に来る刺激臭がする。これは結構毒性の強いガスのようだ。

石段を下りた先にある地獄谷のT字路

案の定「有毒ガス危険」の注意書きがあちこちに。「歩道以外立ち入り禁止」とあるが、歩道でも強い刺激臭がするので、歩道の外は本当に危険そう。そんな危険な有毒ガスがあちこちで噴出している。正に地獄の谷。植物が一切生えていない灰色の荒野。写真で見るよりもその場に来て初めて凄い場所なんだなと実感。

危険

注意?

立入禁止!

かなり危険!!

みくりが池から石段を下りた先の遊歩道のT字路に、特に目を引く黄色い岩。ガスの成分が岩を変色させたのだろうか。特に大量のガスが発生している岩場では、ガスマスクを着用した人が何か作業をしている。マスク無しじゃ確実に死ぬんだろうな…T字路左側の遊歩道はあまり見所の多いコースではないようなので、右に続く道を進む。

多量のガスの中に人が

T字路を右折した眺め

緑の山々と灰色の地獄谷と白い残雪の風景。こういう景色は今まで見た事が無いので、何だか新鮮味があって楽しい。つい沢山写真を撮ってしまう。地獄谷周辺は十分に陽が射していて景色が明るい。そしてかなり暑い!

雄山のある南方面は相変わらずの雲

地獄谷を見下ろす

地獄谷を出ると遊歩道はみくりが池方向に進み、予想通り急な上り道が続く。これが結構しんどい。みくりが池と地獄谷の間にあった石段を、児童達が息を切らしながら上っていた苦労を実感。長く傾斜のキツイ階段を上り切った所からは地獄谷や立山連峰の雄大な景色を一望。室堂平の南側にある山々には相変わらず厚い雲が広がっていて、そのうち室堂平全体に流れてきそうな予感…

室堂平にはいくつかの宿泊施設があるのだが、室堂駅から離れた場所にある宿泊施設の物資はどうやって運んでいるのか、車は使えないからヘリで空輸?もしや人が背負って?などと考えていたら、宿泊施設から大きな荷物を背負って出てきた二人の若者。やはり物資の運搬手段は人だった。一人は積み重ねた荷物の上に重そうな金属製のタンクを4つ、一人は自分の身長より高く積み重ねた荷物を背負っている。これだけの大荷物を背負ってトレッキングコースを歩くのだから驚き。本当に凄いと思う。

りんどう池(りんどういけ)

水深1mの細長く小さな火口湖。りんどうの花の群落があるからりんどう池。写真を撮った位置からの眺めが特にいい。後ろに見える山や丘の上に建つ宿泊施設、真っ白な残雪がいいアクセントになって、とても印象的な風景。こんないい景色が見れるのも背景の青空のおかげ。雄山は曇りで登山ができなかったものの、室堂平に青空が出てくれて本当によかった。

血の池(ちのいけ)

酸化鉄によって赤みがかった小さな池。池と言ってもほとんど水溜りに近い。池の周りの地面も赤みがかっている。何だか奇妙な池。立山地獄の1つで血の池地獄とも言われる。ところで立山地獄って何?

何処を撮っても絵になる室堂平からの眺め

エンマ台展望台(えんまだいてんぼうだい)

地獄谷の全景を一望できる高台。エンマ台展望台から地獄谷を眺めてみて、改めてその風景の異質さを実感、凄い所だ。地獄谷は個人的に室堂平で一番印象的だった場所。エンマ台展望台からは、室堂平を囲む北アルプスの山々もグルッと見渡す事が出来る。

「立山」とは山単体の名前ではなく、大汝山(おおなんじやま)・雄山(おやま)・富士ノ折立(ふじのおりたて)の3つの峰の総称。で、「立山連峰」とは黒部川の西側に連なる山脈の総称らしい。なんだかややこしい…それに室堂平から見える立山以外の山々にもそれぞれ名前があるのだが、調べてみてもイマイチよく分からない。何処から何処までが1つの山なのかもよく分からない。なので細かい事は気にしないで、室堂平から見える山は「立山連峰」と言う事にした!

後の山が雄山のある立山

エンマ台展望台で写真の撮影を頼まれた一人旅の男性と少し雑談。その人は関西から2日前に室堂平に来たものの、1日目は悪天候で何も見えず、2日目は雨に降られるなどして、滞在3日目のこの日にようやく景色を楽しめる天気になったとの事。それを聞いて、全面快晴とまでいかなかったにせよ、初観光の1日目でこれだけの景色を見る事が出来た自分はツイてる方なのだと思い、雄山に登れなかった事は気にしない事にした!

剱岳?

地獄谷のT字路が見える

のんびり眺めていたくなる広くのどかな風景

みくりが池を最初に見た時とは反対側からの眺め

みどりが池(みどりがいけ)

みくりが池のすぐ側にある水深1.6mほどの火口湖。浅く透明度も高いので底がよく見える。みどりが池西端からは、正面にある立山が水面にうっすら映りこんでいていい眺め。池の南にあるみどりが池広場からの眺めもいい。

みどりが池西端からの眺め

みどりが池広場からの眺め