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その4  2日目

 

仁科三湖

(にしなさんこ):長野県大町市

4:20携帯電話の目覚ましで起床。途中3回ほど目が覚めたが、就寝時刻が早かったのと、車中泊するには快適な気温だったので十分な睡眠がとれた。

2日目最初の目的地は仁科三湖の1つの木崎湖。仁科三湖とは長野県北部にある3つの湖の総称で、北から順に青木湖・中網湖・木崎湖。木崎湖畔から日の出を見ようと思っていたのだが、空には一面雲、しかもかなり低いところまで下りている。日の出時刻の4:40を20分以上過ぎても、太陽は愚か僅かな日の光すら見えず。

木崎湖

ついでに中網湖と青木湖にも寄ってみよう、という事で北に少し進むと急に空模様が変わり青空が見えてきた。場所によって全然天気が違う。中網湖と青木湖は朝靄に包まれたのどかな風景。それにしてもよく似た風景をしている。

中網湖

青木湖

大出の吊橋

天気が快晴に向かう事を期待して次の目的地へ向かうが、青木湖を後にして北へ向けて進んでいるとまたまた天気が一変、車の運転に支障が出るくらいの濃霧に。それから暫く霧は続き、大出の吊橋がある長野県白馬村の大出公園に着く頃には霧は引いたものの、雲が低いところまで下りていて遠くの眺めは真っ白。天気が良ければ大出の吊橋の後ろに雄大な北アルプス山脈が広がっている景色を見る事ができたのに残念。まだ6:00過ぎで時間に余裕があるので、天気が良くなるのを待とうかとも思ったが、空模様を見る限り全く期待できないので諦め先へ進む。大出公園からさらに北へ進むと、雲が次第に減って行きいつの間にか快晴の下を走っていた。木崎湖から大した距離を進んでいないのに、天気は目まぐるしく変わっていく。

野尻湖方面へ抜ける「妙高小谷林道」を通って、新潟県の苗名滝に行きたいのだが、地図で見ると細くくねった山道で、カーナビだとかなり拡大表示しないと表示されないような道なので、本当に通り抜け出来るのか結構不安だった。なのでその林道の手前で地元の人に苗名滝まで行けるか聞いてみたところ、問題なく行けるとの事で一安心。少し疲れたので春待亭公園という場所で小休憩。そこからは川と橋と山の何気ない風景が見える。何気ないけど2日目最初に眺める快晴を背景にした風景だったので、とてもいい景色に見えた。何となく大出の吊橋の風景と雰囲気が似ているので、この景色が大出公園からの風景の変わりという事にした。

春待亭公園からの眺め

春待亭公園から少し進むと道路脇に咲くひまわりをちらほら見かける。考えてみればひまわりを間近で見た事がほとんど無いような気がしたので、車から降りてひまわりを眺める。何だかとても新鮮な気分。いつか「辺り一面に広がるひまわり畑」に行ってみたいなどと思った。

鎌池

(かまいけ):長野県小谷村

妙高小谷林道の入り口の側に鎌池というのがあるので、少し道を外れて立ち寄り。地図で見る限りは小さくてマイナースポットという感じ。春待亭公園から鎌池までの道のりの間に車をほとんど見かけず、駐車場には車が1台も停まっていないので期待は持てず。鎌池遊歩道案内図によると、鎌池の隣に鉈池という小さな池もあるので、気が向いたら行ってみようと遊歩道に入る。

鎌池の隣に鉈池

釜池へ続く遊歩道

木々に囲まれた遊歩道を少し歩くと鎌池に突き当たる。そこには水面に映りこんだ緑の景色。これは予想外のとても綺麗な池だ。日差しが強く池を囲む緑がとても鮮やかで景色が映えている。そして地図で見るよりも大きく感じる。思わぬ発見をしたみたいで得した気分。とても気に入ったので鎌池を一周しつつ鉈池にも行く事に。

遊歩道を歩いた突き当たりの鎌池の風景

鎌池

景色は綺麗でいいのだが…耳元を飛び交う虫の音がかなりうっとおしいっ!とにかく常に虫の音がまとわり付いてかなりイライラする。緑に囲まれ遊歩道も最低限の整備しかされていない、おまけにあまり人が立ち入らない(多分)、それだけ本当の自然に近い環境なので仕方がないか。

鎌池

鉈池

鎌池の遊歩道を反時計回りに半周ほど進んだところで鉈池へ。鉈池はとても小さくひっそりとした感じの池。鉈池も周囲の木々を綺麗に映している。そして相変わらず虫が多い。鎌池に戻りさらに半周して入り口に戻る。鎌池一周に約20分。期待していなかったが予想以上に綺麗で大きな池だった。ただ虫がうっとおしいのも予想外だった。

鎌池から妙高小谷林道に入り苗名滝へ向かう。林道は狭く普通車がやっとすれ違えるくらいの細道。山越えするのか道は上へ上へと続き、だいぶ見晴らしのいい所まで来てしまった。そして道はアスファルトから未舗装の土道に。すぐに舗装路に戻ると思ったのだがそうはならず、だんだん路面状態が悪くなっていく。本当にこの道は大丈夫なのかだんだん心配になってくる。しかし地元の人は通り抜けられると言ったのだから、それを信用して先へ先へと進む。

かなり高い所まで来てしまった

遂には未舗装路に…

途中に小さなトンネルがありそれを通り抜け、その先はさらに路面が悪化。砂利道やゴツゴツとした岩場のような道が続き、レンタカーのフィットでは路面の高低差に注意しながら走らないと、バンパーの下や底を擦ってしまいそうなくらいの悪路。車高の高い四輪駆動車でないとキツイ。こんな道を「一般道」に含めてはいけないっ!と思った。そんな道なのですれ違う車は1台も無い。

こういうトンネル何か出そうで好き

未踏の奥地のような風景

先に進むにつれ路面の悪化はどんどん進み、まるで足場の悪いトレッキングコースのようなゴツゴツした岩場の道を、タイヤを乗せる部分を見極めながら慎重に進んでいく。が、「ゴツンッ!」と大きな鈍い音と衝撃が。遂にやってしまった…地面の岩と車の底がぶつかったようだ。すぐに車から降りて状況確認。前後バンパーとサイドステップにキズは無く、底を覗いて見る限り凹みや液体類の漏れも無い。とりあえず見える範囲での外傷は無く一安心。辺りの眺めは熱帯雨林のジャングルのような景色が広がっている。そしてまだまだ続く妙高小谷林道に飽き飽きしながらも、路面に注意しながら先へ進む。途中同じフィットとすれ違い、この先の道はフィットでも大丈夫なんだなと少し安心。しかしすれ違ったフィットのドライバーはこの先の路面状況を知っているのだろうか…

ヒコサの滝

(ひこさのたき):新潟県妙高高原町

妙高小谷林道の終端まであと少しという所まで進み、未だ未舗装ながらもだいぶ路面が落ち着いてきた。地図を見ると「ヒコサの滝」という変わった名前の滝があるので寄ってみることに。滝へ続く遊歩道の入り口にある看板を見ると、車道から滝までそんなになさそう。遊歩道は緑に囲まれたほぼ平坦な道で、これなら楽だと気楽に歩く。が、

途中から上り道になりだんだん傾斜がキツく足場も悪くなって行き、いつの間にか山登りになっていた。てっきり平坦な道を進んで滝壺まで行けるのかと思っていたのに…所々気をつけないと足を滑らせて転落してしまいそうな場所もありちょっと危険。それでも暫く山道を歩き続けるも一向に滝に辿り着く気配は無く、暑くて汗ダクでかなり疲れてしまった。引き返そうかとも何回か考えたが、ここまで来て引き返すのも悔しいのでひたすら前へ進む。

ヒコサの滝

最初は平坦な道が…

だんだん険しい山道に

山の上まで登ったと思われ道は再び平坦に。さらに少し歩いてヒコサの滝展望台に到着。そこからは谷間を挟んだ向かいの山の岩肌を流れるヒコサの滝が見える。それなりに大きそうな滝で流れの勢いもあるのだが、滝まで距離が結構あってイマイチ迫力を感じない。う〜ん、苦労して辿り着いた割には何だかなぁ…

ヒコサの滝展望台から滝の側まで続いていると思われる道があるのだが、どう見ても展望台から滝までは結構な距離がある。とてもそんな余力も気力も時間も無いので引き返す。何だか体力ばかり消耗して煮え切らない気分。酷く疲れたので川辺で一休み。

ヒコサの滝から先を進み妙高小谷林道を抜けると、やっとアスファルトの舗装路に。この時ほど舗装路のありがたさを感じた事は無い。苗名滝へ向けて軽快に山道を下っていく。その途中に食堂を発見、11:00で昼食には少し早いが空腹だったので食事をとる事に。そして食事を済ませ車に戻ると…

のどかな風景

遠くに野尻湖が見える

左前輪のタイヤがパンクしてるじゃないかぁ!!いったい何処で…って思い当たるのはやはり妙高小谷林道の悪路。とりあえずレンタカー営業所に連絡。すると専属のサービス業者に問い合わせるとの事で折り返しの電話を待つことに。車は食堂の駐車場なので店主に事情を説明。すると店内で待つよう勧められ、冷たいお茶まで出してくれた。外はかなり暑いので親切な店主に感謝。それから何回か電話でやりとりして、最初の電話から1時間ほど経った頃に業者が到着。結構時間をロスしてしまった。この後の予定は苗名滝に立ち寄って帰るだけなのが不幸中の幸い。パンクの穴はタイヤ内側の側面にあった。普通はそんな所に空かない。やはり妙高小谷林道のゴツゴツした岩場の道を走っていて、鋭利な岩の角がぶつかってしまったのだろう。

なんじゃこりやぁぁぁっ!!

後ろにスペアタイヤを着けて前にリアタイヤを付け替えて…

処置としてはスペアタイヤに交換して、近場でパンク修理を実費でするというもの。パンクは保険対象外らしい。レンタカーはFF車なので、スペアタイヤは後に着けたほうがいいという事で、パンクしたフロントタイヤを外してそこにリアタイヤを付け替え、リアにスペアタイヤを装着。レンタカー営業所までそんなに距離がなければスぺアタイヤのまま帰着しても構わないのだが、スペアタイヤはあくまでも応急用の為、長距離走行や高速走行は避けなければならなく、レンタカーの保障制度等の問題もある為、帰路の途中でのタイヤ修理が必要になってしまった。しかも穴の開いた場所がタイヤ側面だと、タイヤの構造上修理できない(塞いでも負荷が掛かって剥がれてしまうらしい)ので、おそらくタイヤごと交換することになるだろうとの事。頭の中で旅行の総費用が大幅に増えた…

お世話になった山中食堂

パンク発見からスペアタイヤ交換完了まで約2時間かかり13:00過ぎに。これから食堂のすぐ近くにある苗名滝に寄って帰るだけなので旅行自体に影響は無いが、途中でタイヤ修理をしなければならない事もあり、帰宅時間は当初の予定より3時間前後遅くなりそう。パンクせず順調に旅が進んでいれば、18:00頃に家に着いて写真の整理をして、のんびり映画でも見ながら一杯やろうと思っていたのに…スペアタイヤを履いた状態で苗名滝へ向かう。

それにしても、これまで5万km以上車を運転しているがパンクは初めて。

苗名滝

(なえなだき):新潟県妙高市

細い林道を通って駐車場に車を停め、滝へ続く遊歩道を歩く。滝とその手前にある吊橋が見えてくる辺りに一茶の俳句が刻まれた岩が。うむ、俳句の意味は良く分からないが小林一茶も苗名滝を見て感銘したのだな、と。吊橋を渡って滝の側へ。

計画では12:00頃に苗名滝に着く予定だったのが、パンクの影響で13:30過ぎに。苗名滝は長野県と新潟県の県境を流れる関川にある滝。日本の滝百選に選ばれている名瀑で、落差55mを轟音を出して豪快に流れる様を見られるらしいのだが、訪れた時は水量が少なくおとなしい雰囲気だった。時期的な問題だろうか。雪解けの時期ならよかったのかも知れない。豪快な苗名滝を見る事が出来なかったのは少し残念。苗名滝周辺は雲が低いところまで降りていて、遠くの景色が少し霞んで見える。

吊橋の上から眺める苗名滝

滝壺まで行けるのか少し気になったが、人も多いし面倒なので確認もせず、吊橋を戻り今度は別の、誰も入っていかない足場の悪い遊歩道を進む。すると道はだんだん上り道になり、滝と滝壺を見下ろせる所まで来る。滝壺の周りには人の姿がないので、滝壺まで行く事はできないのだろうか。道はさらに上へ上へと続いているが、何処へ続いているのか分からないし疲れたきたので引き返す。

マイナーな遊歩道から見下ろす苗名滝と滝壺

苗名滝の駐車場まで続く林道は狭く、対向車とすれ違うには一方の車が端までいっぱいに寄って、止まって待たなければすれ違えない所が多いのだが、観光客が多いだけに対向車も多くすれ違いが面倒。帰りは前を走っていた車が道幅の狭い所で対向車と対面してしまい、なかなかすれ違えず車が何台もつまってしまった。車幅の広い車は注意が必要。

苗名滝の見物が終わり後は帰るだけ。昨今のガソリン高騰に加え、パンク修理代で旅費がかさむため、出来れば帰りは高速道路の料金を浮かしたいところ。しかし新潟県の苗名滝から東京の自宅までは250km以上の道のりがあるので一般道ではつらく、仕方なく帰りも高速道路を利用することに。ついでに帰り道沿いにある野尻湖に一瞬だけ寄る。う〜ん、観光地化された普通の湖。それから高速に入る前に給油とパンク修理を済ませるため、ガソリンスタンドに入る。スタンドの店員にパンクしたタイヤを見せた所、やはり側面の修理は無理との事。しかも立ち寄ったガソリンスタンドには同じサイズのタイヤが無いため、カーショップ等に行く必要が出来てしまった。そこでスタンドの店員に、出来るだけ近くて、出来るだけ帰路から外れないで、出来るだけ安くタイヤを買える店は無いか訪ねる。すると店員3人が少し話し合ってから1つのホームセンターを紹介してくれた。安い・近い・品揃え豊富らしいのでそのホームセンターへ向かう。

野尻湖

少し道に迷いつつも16:00頃にホームセンターに辿り着きタイヤの交換。レンタカー営業所に問い合わせたところ、タイヤの種類は問わないとの事なので、一番安いものをチョイス!タイヤ\4,950プラス工賃\1,575で合計\6,525。まぁ想定していたよりは安く済んだかな。作業は15分ほどで済み、速やかにホームセンター最寄の上信越自動車道の信州信濃ICから高速に入る。

暫く高速道路を走り続けていると、景色に何かの違和感を感じている事に気づく。それは雲間から薄っすらと見え、しかしそう遠くない所にある富士山。今頃上信越自動車道で群馬県から関越自動車道に入り埼玉県を走っているハズなのに、富士山が見えるのはおかしい。確認のため最寄のサービスエリアに車を停めて地図を眺める。…なるほど、信州信濃ICから上信越自動車道を進んで直ぐにあるジャンクションで、間違って長野自動車道に入ってしまい、それから次のジャンクションで中央自動車道に入っていたのか。このまま中央自動車道で東京まで進んで帰るとなると、関越自動車道を利用した時よりも高速料金が高くなる上、高速を降りてから自宅までの距離も遠くなり、さらに自宅までの一般道は渋滞で悪名高い「環八」を走ることになる。一瞬途方に暮れたが、ふと最近関越自動車道と中央自動車道を結ぶ圏央道が開通したのを思い出す。そして幸いまだ圏央道の手前。という事で圏央道を通って関越自動車道に入り軌道修正。時間とガソリンを無駄に消費してしまったが、何とか高速料金は最初から関越道を走っていた時と同じ料金で済んだ。帰宅したのは20:30。パンクと高速の遠回りで当初の予定より約2時間半も遅くなってしまった。まぁ、無事帰宅できたから良しとしよう。しかし2日目はいろいろと無駄に疲れた1日だった…