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2011年4月21日 7日目 (晴れ) 鹿児島県南さつま市⇒鹿児島県鹿児島市

走行距離:151.9km(合計:2351.1km)

給油:30.27L(合計:127.64L)

 

寒くて何度か目を覚まし、5:00頃トイレに行こうと外に出るとかなり寒い。九州は4月後半でも深夜はこんなに寒いものなのか?と思うほどの寒さ。そして前日に日本一の石段を登った影響で、予想通り足は筋肉痛。と言っても想定していたより症状は軽く、ふくらはぎが若干痛い程度で普通に歩く分には問題ない。トイレを済ませて車に戻る時、ふと目にした鹿児島県の観光案内図。立神岩という特徴的な岩の写真が載っていて、それは日の出の見物スポットらしい火之神公園にあり、これから向かう開聞岳の手前にある。すぐに出発すれば距離的に何とか日の出の時間に間に合いそうなので、急遽火之神公園へ向かう事に。

 

日の出時刻の5:50に火之神公園到着。東側の空は朝焼けになっていて太陽が顔を出す直前。出来れば立神岩の側から日の出を見たかったが、立神岩はまだ先にあり間に合いそうにないので、公園入口の駐車場に車を停めて目の前の海岸に出る。そして間もなく太陽が対岸の山から顔を出す。なかなか綺麗な日の出を見ることが出来た。まだ旅行7日目だが何度か朝日や夕日を見ているし、雨に降られて予定が狂わされてもいない事を考えれば、なかなか順調に旅が進んでいると思う。

遠くから眺める立神岩

日の出直前

山の後ろから顔を出す太陽

日の出を満喫したところで立神岩へ向かう。車で公園の奥へ進み、さらに丘の上へ続く遊歩道を歩いて、立神岩を見下ろせる展望台を目指す。しかし途中で遊歩道が塞がれ先へ進めなくなっていた。道を間違えたのかと思い、公園の案内板がある場所まで戻り確認してみると、展望台へ続く遊歩道に「危険地域(崖崩れ)立入禁止」と赤い判が捺されていた。何だよっ!

展望台へ続く遊歩道から

遊歩道が封鎖

立神岩まで行くのは断念せざるを得なくなってしまった。かなり残念。結局は立神岩の側から日の出を見ることは不可能だったので、公園に着いた時に無理して立神岩まで行こうとせず、側の海岸で日の出を見ておいて正解だった。

火之神公園平和祈念展望台

立神岩の展望台へ続く遊歩道の手前にある、火之神公園平和祈念展望台へ立ち寄り。火之神公園平和祈念展望台は、戦艦大和の沈没地点から一番近い火之神公園に、戦艦大和の沈没50周年にあたる平成7年4月に建立されたもの。展望台から南西約200kmの所に戦艦大和が沈没した場所がある。展望台には殉難鎮魂之碑や、世界の恒久平和を願うシンボルの女神像などがある。

殉難鎮魂之碑

展望台から眺める東シナ海

火之神公園のすぐ側にある「枕崎お魚センター」でご飯を食べる予定だったが、開店時間の11:00まで4時間も時間があるので、公園入口の駐車場に車を停めて暫く寝る。そして暑くて10:00過ぎに目が覚める。日が高く昇り気温が上昇。夜間との気温差が激しい。

映画のロケ地がある

お魚センターの開店までまだ時間があるので、日の出を眺めた海岸の直ぐ側にある、映画「男たちの大和/YAMATO」のロケ地へ。ロケ地と言ってもほんのワンシーンで使われただけのようで、ごく普通の海岸風景。映画は以前見たがロケ地の景色には全く記憶に無い。早々に車に戻りお魚センターへ。

ロケ地からの眺め

 

枕崎お魚センターは漁港の目の前にある海鮮市場。枕崎はカツオ漁が盛んで、お魚センター2階のレストラン「ぶえん」では、新鮮なかつお料理が食べられる…と、旅行ガイドブックに載っていたので、ここでご当地グルメをしようとチェックしておいた。

枕崎お魚センター

お魚センター1階

2階のレストランはまだ準備中だったので、1階の販売コーナーをうろうろ。鮮魚の直営店や物産販売店が並んでいる。建物の中心には、1階から2階まで縦に伸びる円筒型の水槽があり、いろんな魚が泳いでいる。11:00を過ぎレストランが開店したところで1番客で入店。メニューの写真を見て、ぶえんかつお刺身膳(\1360)を注文。島原で具雑煮を食べて以来4日ぶり、2度目のご当地グルメ。これまで20回ほど車中泊の旅をしてきたが、その中でもこれはかなり豪華な食事である。なりかつの車中泊旅は基本貧乏旅行なのである。

ぶえんかつお刺身膳

 

開聞岳

鹿児島県の薩摩半島最南部にある開聞岳に向けて車を走らせる。開聞岳は標高924mの火山で、形が富士山に似ている事から薩摩富士とも言われている。頂上まで3時間ほどで登山できるので、旅行計画では開聞岳登山も視野に入れていた。しかし前日に日本一の石段を登ったばかりで筋肉痛もあるし、このあとに鹿児島市からフェリーで屋久島へ渡り、有名な縄文杉を見るため片道5時間程度の登山をする予定がある。ここは体力を温存させておくべきだと判断し、開聞岳登山は見送る事にした。

 

長崎鼻から眺める開聞岳

竜宮神社

開聞岳を通り過ぎて薩摩半島最南端の長崎鼻へ。長崎鼻は浦島太郎伝説発祥の地で、浦島太郎が竜宮城へ旅立った岬と言い伝えられていて「竜宮鼻」とも言われている。駐車場からお土産売り場が並ぶ通りを歩いた先に竜宮神社がある。5年前に信州巡りの車中泊の旅をした時に、浦島太郎が竜宮城から持ち帰った玉手箱を開けた場所とされる、長野県の「寝覚の床」という場所に立ち寄った。つまり鹿児島の長崎鼻から竜宮城へ行って、帰りは長野県がある中部地方の海から出たという事なのだろうか。何だか昔話とつじつまが合わない気がする。

竜宮神社から灯台が建つ磯を眺める

竜宮神社から磯につくられた遊歩道が延びていて、先へ歩いて行くと薩摩長崎鼻灯台がある。空には薄っすら雲が掛かり、磯から眺める海の景色は霞んでしまってる。しかし気温は高く結構暑くて、半袖で丁度いいくらい。暑くて疲れたので、竜宮神社のベンチに腰かけ炭酸ジュースをがぶ飲み。それにしても、13:00をまわっているのに観光客の姿はほとんど無く、お土産売り場の並ぶ通りも閑散として少し寂しい雰囲気。混雑しているよりはいいけど。

薩摩長崎鼻灯台

灯台から眺める長崎鼻の磯

 

池田湖

池田湖と後ろに開聞岳

長崎鼻から少し北へ進んで、九州最大の湖の池田湖へ。湖畔の道路を走っていると、色鮮やかな花々が咲いた花畑があったので寄り道する。これは本当に綺麗だ。ビオラ、リビングストンデージー、ポピーの3種類の花が広範囲に植えられている。湖の後ろには開聞岳も見えてなかなかいい眺め。

特別花に興味があるわけでは無いが、これは本当に綺麗でいい景色なので、写真撮影を楽しみながら暫く花畑を見てまわる。

 

森重堅庭園

森重堅庭園

ゴッツイ罰則って何だろ…

池田湖から薩摩半島をさらに北上して、古い町並が残る知覧武家屋敷庭園へ。知覧武家屋敷庭園には、薩摩の小京都と言われた江戸時代の綺麗な町並が残っていて、「美しい日本の歴史的風土100選」にも選ばれている場所。入園料(大人\500)を払って庭園施設内へ。どうやらパンフレットに書かれた案内とは逆の順路で進む事になったが気にせず、まずは森重堅庭園に入る。古い民家の縁側に面して池付きの庭園がある。正直なところ、日本庭園に関して知識も関心も無いので、どの程度の価値がありどれくらい素晴らしい庭園なのか全く分からない。

知覧武家屋敷庭園の敷地内には、生垣と石垣に囲まれた細長い通りが約700m続いていて、その中に7箇所の庭園がある。折角なので全ての庭園をまわることに。ここも観光客の姿が少なく静かだなと思ったのも束の間、たまに海外のツアー客がゾロゾロとやってくる。結構有名な観光スポットらしい。施設内にある民家の多くは現在も実際に人が生活していて、玄関に「私有地につきご遠慮ください」と日本語・英語・中国語・韓国語で書かれた注意書きが立てられている。いろんな国から観光客が訪れているようだ。

武家屋敷庭園の通り

旧高城家住宅

中には敷地内に入って見物できる家もある。昔ながらのわらぶき屋根の家で、部屋の中の家財道具も年期が入っている。家の中へは上がれないので玄関や縁側から覗く。旧高城家住宅という家屋では、男玄関・女玄関と2つの玄関がある事に気付いた。江戸時代の武士の家では、玄関をまたぐのも男女別々だっということだろうか。

男玄関

女玄関

旧高城家住宅居間

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佐多直忠庭園

佐多民子庭園

最初に見物した森重堅庭園に続いて、佐多直忠庭園・佐多民子庭園・佐多美舟庭園と、順に庭園をまわる。日本庭園の知識が全く無い自分には、どの庭園も大差ないように見える。とりあえず手入れには手間がかかるんだろうな。

佐多民子庭園

佐多美舟庭園

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石垣に囲まれた通りを歩く

知覧型二つ家

石垣に囲まれた通りには食事処や喫茶店などもある。その中で目を惹いたのが左の写真の立看板。評判のいいらしい茶菓子セットを出しているので食べてみようかなと。枕崎お魚センターで食事をしてから時間が経ち、小腹が減ってきたので丁度いい。立看板の敷地内に入ると、知覧型二つ家という二つ屋根の家がある。先に立ち寄った旧高城家住宅と同じような形。昔は住居と台所が別々の建物で離れていたが、それでは生活に不便なので次第に近づけるようになり、合体して二つ屋根になった家を「二つ家」と言うらしい。二つ家の中でも知覧型二つ家は、二つの屋根の間に小棟を設けた造りの貴重なものとの事。

あくまきと知覧茶

知覧型二つ家縁側で一服

茶菓子が売られているのは知覧型二つ家の敷地内にある小さな売店。茶菓子は「あくまきと知覧茶 \200」と「げたんはと知覧茶 \150」の2種類。観光地なのに随分良心的な金額設定だ。「あくまき」も「げたんは」も分からないので、店員に甘さ控え目な方を聞いて「あくまきと知覧茶」を注文。あくまきはやわらかい餅のようなものにきな粉がかかったものだった。南九州の和菓子らしい。確かに甘さは控え目でなかなかおいしい。知覧茶も南九州の名産品だし、これも一応ご当地グルメをしたことになる?

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平山亮一庭園

平山克己庭園

二つ家から平山亮一庭園・平山克己庭園・西郷恵一郎庭園とまわり、知覧武家屋敷庭園にある7つの庭園全てを見終える。さすがに日本庭園ばかり見ていて飽きてしまった。そもそも日本庭園に全く関心が無いのに、どうしてここを観光しようと決めたのか自分でも分からない。まぁそんな事もたまにはある。

西郷恵一郎庭園

西郷恵一郎庭園の縁側に置かれた鎧

 

次は知覧武家屋敷庭園の近くにある知覧一番山農園へ。旅行ガイドブックに印象的な農園風景の写真が載っていて、それが見たくて行ったのだが、それらしい景色が見当たらない。広大な知覧茶農園とバックに開聞岳が見える風景。場所を間違えたのかと思い、地図やカーナビで知覧一番山農園の場所を確認するがやはり間違い無い。そこで通り掛かった知覧茶の販売店に入り、店員にその景色について尋ねてみると、場所はよく分からないがこの辺りのものではないとの事。なにぃ〜っ!じゃぁ何処??

この景色が見たかったが…

それらしい景色は無い

町制施行70周年モニュメント

道路脇にもガイドブックと同じ写真の看板を目にし、「お茶と観光の町へようこそ 知覧茶」と書かれてある。ここで改めて写真を見ると、山間部ではなく海抜の低い平地ではないかと推測できる。自分がいる知覧一番山農園は山間部、やはり明らかに場所が違う。そして、地図上で知覧一番山農園を指す場所に「知覧茶発祥の地」の碑があることに気付く。なるほど、そういう事か。全く持って腑に落ちないが、空腹でこれ以上写真の場所を探す気力も無いので、碑の側にあるモニュメントの写真を撮って農園を後にする。

 

鹿児島市街へ向けて国道を北上して行くと、突如前方にロケットが現れる。何でこんなところに?宇宙開発関係の博物館でもあるのだろうかと気になったが、数日後には種子島の宇宙科学技術館へ行く予定で、種子島の方が圧倒的に規模が大きく見応えがあるに違いないので、ロケットの見える方へは行かず市街へ向かう。旅行後にロケットのある場所は何だったのか調べてみたら、よくある自然公園だった。

 

鹿児島市街に入り、ガイドブックでチェックしておいた鹿児島ラーメンの店へ。店は一方通行の細道にあり、少々探すのに苦労するも何とか到着。入口が何となくラーメン通の玄人向けっぽい雰囲気。通ではないので恐る恐る扉を開けて店内に入ると、中は昭和の香りがする雰囲気。やっぱり玄人向けっぽい。

ラーメン専門 海乃屋

メニューは4品のみ

お茶はヤカンごと

メニューは至ってシンプル。大盛りラーメン・ラーメン・ギョウザ・めし。ますます玄人向けっぽい…いや、普通に素朴なラーメン屋なだけかもしれない。ともあれ、ラーメンとめしを注文。先にお通しの株の漬物とお茶が出される。お茶は小さなヤカンごと出されるので飲み放題。それから暫くしてめし(普通の茶碗に入ったご飯)とラーメンが出される。見た目はシンプルだが美味しい。「ラーメン専門」と名乗るだけの事はある。これも一応ご当地グルメに入れよう。「鹿児島」ラーメンだし。旅行7日目の食事は、ぶえんかつお刺身膳・あくまきと知覧茶・鹿児島ラーメンと、1日で3回もご当地グルメをした事になる。おそらく車中泊の旅では初めての事。

ラーメン

 

ラーメンを食べた後は入浴施設へ向かう。しかしまたもや場所が分かり辛く、交番で道を教えてもらって何とか到着。19:00〜21:00までのんびり入浴&休憩。鹿児島市街には道の駅が無く、市街地で車中泊に適した場所(綺麗なトイレがある駐車場で無料がいい…)を探すのは難しそうなので、ネットカフェに泊まろうと思いつく。一週間ぶりにパソコンでインターネットをしたいし。入浴施設のカウンターで最寄のネットカフェを教えてもらい、今度は迷わず到着。\1650の深夜パックにして、部屋は寝転がれる畳部屋を選択。適当にネットをして24:00就寝。

 

本日の食事

朝食 コンビニ パン
昼食 お魚センター ぶえんかつお刺身膳
夕食 ラーメン屋 ラーメン・ライス

ご当地グルメ?の多い1日だった。