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2011年4月26日 12日目 (晴れ) 鹿児島県南種子町⇒鹿児島県西之表市

走行距離:178.0km(合計:3007.3km)

給油:00.00L(合計:140.45L)

 

ケータイの目覚ましで5:00起床。外は生暖かく湿った風が出ている。車中泊には最適な気温でぐっすり眠ることが出来た。駐車場の片隅に黒猫がいてニャーニャー鳴いている。昨夜の鳴き声はこの黒猫だったのか。日の出を眺めるため、駐車場から続く遊歩道を歩いて見晴らしのいい場所へ。

門倉岬から眺める朝日

残念ながら朝日は水平線からではなく、薄っすら掛かる雲の後ろから姿を現す。これまでに何度も日の出見物をしているが、水平線から顔を出す太陽を見られた事はあまりない。晴れていても太陽が出る方だけ雲掛かっている事が多い。何故…?

門倉岬の観光を始めるにはまだ暗いので、外が十分に明るくなるまで車内でもう一眠りする事に。駐車場に戻ると黒猫がまだニャーニャー鳴いていた。

 

8:00に起きて窓から外を見回すとまだ黒猫がいて、自分が車から降りた途端にニャーニャー鳴き出す。空腹を訴えているのだろうかと、朝食に買っておいたパンを手に持って猫の元へ行こうとすると、猫の方からこちらへ一直線に走ってきた。まだ袋からパンを出していないのに、食べ物を持っていると分かるらしい。パンをひとちぎり地面に落とすともの凄い勢いで平らげた。そうとう空腹だったようだ。もうひとちぎり、さらにもうひとちぎりと、勢い収まることなく食べてしまう。これでは自分の分がなくなってしまうので、パンが半分になったところで切り上げ。もう十分でしょ?

岬の入口にある像

出征者紀念碑や慰霊之碑

鉄砲伝来紀功碑

門倉岬の遊歩道入口にある鳥居の横には鉄砲を構えた像。そういえば鉄砲伝来は種子島からだった。遊歩道を歩いて行くと出征者紀念碑や慰霊之碑、ポルトガル海軍の記念碑や鉄砲伝来紀功碑など、記念碑が多数建てられている。

遊歩道にあるガジュマルの木

これは枝なのか根っ子なのか

遊歩道にはガジュマルの木もある。何とも印象的な形をした木だ。屋久島で見たガジュマルの木と言えば、中間ガジュマルくらいだろうか。縄文杉登山の道のりにもあったかも知れないが、全く意識していなかった。屋久島でガジュマルが沢山ある公園を見学する予定があったが、時間の関係で飛ばしてしまった。今考えれば屋久島でもっとガジュマルの木を見物しておけばよかったと思う。

遊歩道から海岸線の眺め

種子島最南端の地の碑

遊歩道を抜けて開けた所に出ると神社があり、地面には黄色い花が沢山咲いていて長閑な雰囲気。岬の中央には南蛮船を模した展望台があり、周囲の海を一望出来る。1543年に台風の直撃を受けた南蛮船が、門倉岬の海岸に漂着したもので鉄砲伝来の地となっている。サクサクっと岬の観光を済ませて、種子島観光最大のハイライトである種子島宇宙センターへ向かう。

御崎神社

黄色い花が沢山

鉄砲伝来の地

南蛮船を模した展望台

バーン!

 

種子島宇宙センターに着いたら、まずは宇宙開発に関するものが多数展示されている宇宙科学技術館へ。正面入口の前にはロケットの実物大模型がそびえ立っている。種子島から打ち上げられた初の人工衛星打ち上げロケット。これだけでも何だかワクワクしてくる。車や航空機などの乗り物や機械が展示された博物館が好きなので、宇宙科学技術館の見学はかなり楽しみにしていた。宇宙開発に直接興味が無くとも、ロケットや人工衛星の実物大を見られる事など滅多にないので非常に興味深い。

宇宙科学技術館

宇宙科学技術館はまだ開館前だったので、側にあるH-Uロケットの実物大模型を見物。衛星打ち上げのための全長50mあるロケットで、種子島から7機も打ち上げられたらしい。一度でいいからロケットが打ち上げられるところを見てみたいものだ。

タネガシマスペースセンター!

JAXA!

H-Uロケット実物大模型

持ち上げてみた

H-Uロケットの写真を撮っていたら、すぐ前の通りを大なトラックが横切って行った。もしやロケットを載せるトラック?トラックが走ってきた先には竹崎展望台という建物。見学できる場所なので後で立ち寄る事に。

大きなトラック通過

竹崎展望台

 

人工衛星

宇宙科学技術館の開館時間になったところで早速入館。入館料が掛かると思いきや無料だった!宇宙開発は国民の税金で運営されているから当たり前か。館内には人工衛星やロケットの実物エンジン、国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」の実物大模型など大きな展示物から、宇宙開発におけるさまざまな分野についての展示物などがあり、とても見応えのある見学施設。平日の開館直後ということで客の姿は数人しかおらず、ゆっくり伸び伸びと見学することが出来た。

実物エンジン

赤道上にある人工衛星

「きぼう」実物大模型

「きぼう」内部

 

宇宙科学技術館の向かいにある「カーモリの峰展望台」と書かれた案内板に目が留まり、見晴らしに期待して丘の上へ続く階段を上る。階段は木々に覆われて狭く、定期的な手入れ管理がされていないようで少々歩きにくい。そんな階段道を上っていくと途中で景色が開けて、宇宙科学技術館やその先の海岸風景まで見渡せる眺望に。これはなかなかいい眺めだ。しかし展望台はまだ先。展望台からの眺めにも期待してさらに階段を上る。

展望台へ続く階段の途中から

そしてカーモリの峰展望台に到着。西側は門倉岬まで続く美しい海岸風景を一望。これは期待した以上に素晴らしい眺めだ。目の前に特徴的な大岩があり、トンネルのように貫通した大穴や洞窟らしき穴が開いていて興味を惹かれる。遠くの景色が霞んでいるのは少し惜しいが、晴天に恵まれ海も空も青くとても綺麗な眺め。特徴的な大岩へは海岸沿いの道路から砂浜を歩いて行けそうなので、種子島宇宙センターの観光を終えた後に行く事に。

カーモリの峰展望台から西側の風景

カーモリの峰展望台から南東の風景

竹崎展望台だけ見えた

カーモリの峰展望台の周りには木々が生い茂っていて、景色を全く見られない方角や遠くは見えても手前は見えない場所があるのが惜しい。東側にある宇宙科学技術館も木々に隠れて全く見えない。ちゃんと手入れして360°見渡せるようにすれば最高の展望台だと思うが。本当に惜しい展望スポットだ。

素晴らしい眺め

北東に見える種子島灯台

それにしても、快晴なのはいいがもの凄く暑い。まだ4月だというのに真夏のような陽気。汗が出て水分補給が欠かせない。やはり南の島は東京とは気候が違う。

 

カーモリの峰展望台を下りて、宇宙科学技術館の先にある竹崎展望台へ。建物内に入ることは出来ず、屋上にある展望台にだけ上がれるようになっている。最初は単に周囲の景色を眺めるための展望台かと思ったが、そうではなかった。展望台は北側に見えるロケット発射場に向かって階段状になっていて、沢山の人がロケット発射場を見られるような造りになっている。なるほど、ここからロケットの打ち上げを眺めるのか。うーむ、やはり一度ロケットの打ち上げを生で見たいものだ。きっと感動するに違いない。

竹崎展望台

展望台

展望台から発射場を眺める

 

車に乗り宇宙センター内の道路をを北へ進む。カーモリの峰展望台から見えた種子島灯台に立ち寄ろうとするも、灯台まで続く道は一般車立入禁止だったので諦める。道路をさらに北へ進んでロケットの丘展望所へ。少々離れているがロケット発射場の施設を見渡すことが出来る。

宇宙センター内の道路から見る灯台

ロケットの丘展望所からの眺め

結構離れてる…

下の写真左の白い建物が大型ロケット組立棟、右隣の骨組み状のものが中型ロケット発射場、さらに右にある2本のアンテナのようなものが伸びているのが大型ロケット移動発射台、そしていちばん右の4本鉄塔が建っている場所が大型ロケット発射場。ここからの景色を見て、ここが宇宙開発とロケットの打ち上げが行われている場所なのだと改めて実感。日本にもこういう場所がある事を誇りに思う。少々景色が霞んではいるが、快晴のおかげでなかなかいい眺めだ。

ロケットの丘展望所からの眺め

大型ロケット組立棟

中型ロケット発射場

大型ロケット移動発射台

 

ロケットの丘展望所からさらに北へ進んで、宇宙センターの施設が密集するエリアへ。中型ロケット発射場へは車で目の前まで行くことが出来る。長い間使われず放置されているのか、発射台には錆びが目立ちボロっちぃ。発射台の手前には何かの残骸が大量に放置されている。中型ロケット発射場は役割を終えて放棄されているようにも見える。大きさで存在感のある大型ロケット組立棟へも向かうが、途中でゲートが閉まっていて近くまで行くことは出来なかった。

中型ロケット発射場

大型ロケット組立棟へは近づけず

来た道を戻り再び宇宙科学技術館のある南へ向かう。途中道路脇から見えた小型ロケット発射場へまだ行ってなかったので、折角だから見物できるものは全て見ておこうという事で、宇宙科学技術館まで戻りその先にある小型ロケット発射場へ。発射台はクレーンのような形をしていて、全長約13mと小ぶり。小型ロケット用とは言え、こんな小規模な発射台で宇宙へロケットを打ち上げることが出来るとは驚き。

遠くから見る小型ロケット発射場

小型ロケット発射台

 

ゲストハウス

ゲストハウスの食堂

13:00近くになりお腹が空いたので、宇宙科学技術館のすぐ側にあるゲストハウスで昼食。天玉うどん\400を注文。ゲストハウスと言ってもよくある社員食堂で、宇宙センターの職員も食事をしていた。一般人は自分1人だけ。朝から宇宙センター内をあちこち見てまわったが、観光客の姿は数える程しか見かけなかった。

天玉うどん

 

種子島宇宙センターの観光を切り上げ、カーモリの峰展望台から見えた大岩のある海岸へ寄り道。道路脇に車を停めて砂浜を歩くが、海側から強い風が断続的に吹いて砂が舞うので、その度に立ち止まり後ろを向いて顔を隠す。そして何とか大岩の穴がよく見える場所まで行くも、風に吹かれる砂が辛くて直ぐに引き返す。綺麗な海岸なだけにゆっくり出来ず無念。そして体中砂まみれになってしまった…

 

前日から2日間晴天に恵まれていい景色を沢山見ることができ、種子島宇宙センターの観光も満喫できたので、種子島観光はもう十分満足できた。しかし日が沈むまでだいぶ時間があるので、何処かを観光しようと地図を眺める。前日は種子島を海沿いにぐるっと一周したので、今度は内陸部を縦断しようと思いつき、前日夜に食事をした上中まで移動し、そこから北上開始。まずは前日に時間があれば立ち寄る予定だった男淵女淵の滝へ(海沿いから微妙に内陸部にあるので前日は行かなかった)。かなり小ぶりな滝が流れているが、どれが男淵でどれが女淵なのかは分からず。

男淵女淵の滝

相変わらず日差しは強く、ふと気付けば両腕が日焼けで真っ赤。鏡を見ると顔も赤い。日焼け対策をしておけばよかった。4月でこの暑さでは、真夏はいったいどれだけ暑くなるんだろう。

 

鉄砲館

男淵女淵の滝からさらに北上し、翌日に乗船するフェリーが寄港する西之表に到着。で、気が向いたら見学するつもりだった鉄砲館に入館。入館料は大人\420。正式名称は「種子島開発総合センター」で、種子島の歴史や文化を紹介した展示物等が多数ある資料館。中でも見所は銃の展示。戦国時代に伝わったポルトガル銃や日本初の種子島銃、他にも国内外の旧式銃など約100丁も展示されている。銃好きな自分にはかなり見応えのある展示物だったので、入館して大正解だった。銃の写真を沢山撮るも、後から館内撮影禁止の表示に気付く…なのでHPへの写真掲載は自粛。

 

種子島にケンタッキーが出張に来るらしい

この看板に脇見しそうだ

夕食を食べようと西之表で飲食店を探すが、なかなか手頃な店が無い。それと食後に入浴をしたいので、同時に入浴施設も探すがやっぱり見当たらない。通りがかったガソリンスタンドで近くに入浴施設は無いか尋ねたところ、南種子の方まで行かないと無いだろうとの事。そういえば予め調べておいた3箇所の日帰り温泉のうち2箇所は南種子町で、残りの1箇所も南種子直前の中種子町にある。どうやら種子島には南側にしか日帰り入浴施設は無いらしい。宇宙センターのある南種子に観光客が集中するからだろうか。いずれにせよ、暑くて沢山汗をかいて入浴せずにはいられないので、また南種子に戻らなくてはいけなくなってしまった。面倒くさい… 食事はスーパーマーケット内の食堂で済ます。

1日1回はちゃんとした食事をしたい

 

日没の時間が近づいていたので、海沿いから夕日を眺めようと西海岸沿いの道路を走って南種子へ向かう。前日に観光した雄龍・雌龍が夕日を眺めるのにいい場所ではないかと思い、雄龍・雌龍の岩で車を停めて日没間際まで待つ。そして18:20過ぎから外に出て日没見物。またもや太陽は水平線ではなく雲の後ろに姿を消したが、なかなか綺麗な夕日を眺める事が出来たので良しとしよう。

 

のんびり入浴したいので、22:00まで営業している前日と同じ温泉へ。入浴するために西之表から南へ38kmも戻るハメになってしまった。まさか島内の入浴施設がこんなにも少ないとは思わなかった。時間とガソリンを消費してわざわざ南種子の温泉まで戻ってきたので、入浴と入浴後の休憩にたっぷり時間を費やして元を取る。温泉を出たのは21:30過ぎ。

 

翌日の予定は、西之表港14:00出航のフェリーに乗船して鹿児島市に戻るだけ。翌日の天気予報は曇りのち雨となっていて降水確率も高いので、午前中に景色を楽しむような観光をするのは難しい。仮に少しの間でも晴れ間が出るのなら、もう一度天女ヶ倉からの景色を見たいと思った。なので車中泊は天女ヶ倉の駐車場ですることに。南種子から西之表市にある天女ヶ倉へ向けてまた北上。今度は東海岸側の道路をひたすら走る。種子島観光2日目は島の北と南を行ったり来たりの1日だった。

22:30頃から雨がパラつき始める。どうやら翌日の天気予報は当たりそう。それから、気づかぬ間に車の燃料計の針が最後のひとメモリを指していて、ガツ欠を警告するランプが点滅していた。そして天女ヶ倉に着く頃には警告ランプが早い点滅に変わる。翌日は天女ヶ倉から西之表港へ移動するだけなので何とか持つだろうと思いつつも、早い点滅が妙なプレッシャーを与える。しかし種子島ではガソリンがリッター\177もするので、島内では給油したくない。ここは警告ランプのプレッシャーに負けず鹿児島市に着くまで給油を待つ。

天女ヶ倉駐車場に23:00過ぎ到着。外灯は無く完全な闇。幸い駐車場前のトイレは開放されていて、入口にあるスイッチを入れれば照明が点く。屋久島で夜間に解放されている公衆トイレは極限られたが、種子島には結構あるのかも知れない。前日と同じ完全なる暗闇の中で就寝。

 

本日の食事

朝食 コンビニ パン
昼食 宇宙センター 天玉うどん
夕食 定食屋 お刺身定食

結局種子島ではご当地グルメができなかった。