トップページ

その3  2日目

 

深夜に目を覚ますと雨と風。天気予報が当たってしまった。就寝時はシャツ1枚だったが気温が下がり寒くなり、ジャケットを重ね着して再び眠るがまた目が覚めて今度はブランケットを羽織る。そして日の出を見るためにセットした4:30の目覚ましで起きると、外は本降りの雨。当然日の出が見られる天気ではないので再度眠りに着く。それから土砂降りの雨音に目が覚め、もはや計画通りの観光など不可能だと諦めふて寝。そして今度は9:00に目が覚めると、雨は本降りから小雨になっていた。もうこれ以上は眠れないというくらいよく寝たので、とりあえず先へ進むことに。

天気予報的中

神崎鼻

(こうざきはな:佐世保市小佐々町)

俵ヶ浦半島からながさきサンセットロードを進み、日本本土最西端である神崎鼻へ。運転中ずっと本降りの雨が降り続き、9:40に神崎鼻公園に到着してもやっぱり本降りの雨。駐車場から続く遊歩道の上り坂を傘を差して歩き、日本本土最西端の地のモニュメントがある場所へ向かう。辺り一面灰色がかった景色が広がり何とも冴えない眺め。それに風が出ていて傘を差していても膝まで濡れる。しかし何故か気分はいい。前日は快晴の下での観光を十分に満喫できたので、天候と景色の変化を楽しんでいるのかもしれない。

神崎鼻公園の遊歩道

この天気でも釣り人が

モニュメント手前に撮影スタンド

日本本土最西端の地のモニュメント

遊歩道の途中の横道に入ったところにある日本本土最西端の地のモニュメント。モニュメントの手前には、デジカメやスマホを固定してセルフ撮影できるスタンドが。これはとても便利だ。観光地等で稀にカメラスタンドを見かけることはあるが、このような便利なスタンドを観光地にもっと普及させればいいのにと思う。せっかくなので撮影スタンドを利用し、雨に濡れながらのセルフ撮影。モニュメントから下り階段が続き海岸の岩場まで下りられるが、この天気でそこまで立ち寄る気にはなれず。遊歩道へ戻り先へ進む。

モニュメントから海岸へ下りる道

遊歩道を上り切ったところに芝生の広がる広場があり、高台となっていて海を一望できる。しかしやはりただ灰色の風景が広がるだけ。そして雨足が強くなりいよいよ観光どころではなくなってきたので、足早に車へ戻る。ズボンがびしょ濡れになってしまった。とりあえず目的の日本本土最西端の地のモニュメントを見られたのでよしとしよう。

神崎鼻公園の広場

日本本土最西端の地からの眺め…

神崎鼻の次の観光地は長串山公園。ちょうど旅行期間中に「長串山つつじまつり」が開催中なので楽しみにしていた。山の上にある公園からは北九十九島を一望でき、入り組んだ海岸や島々が点在する青い海を背景に色鮮やかなつつじを楽しもうと思っていたのだが…公園駐車場に着くも土砂降りの雨で外に出られず。しかも駐車場から見る限りだいぶ花が落ちているよう。そんな中傘を差して観光へ向かう人の姿も。強い風も吹いているので外に出たらあっという間にずぶ濡れになる。しかしせっかくここまで来たのだから雨足が弱まるのを待って軽く観光しようと、暫く車内で待機。しかし30分以上待ってもほとんど雨風は弱まらず、結局観光断念。11:00過ぎに長串山公園を出る。やっぱり雨は困る、ちっとも楽しくないっ

土砂降りの長串山公園

 

予定では午後は平戸島の観光なので、サンセットロードをさらに進んで北へ向かう。その途中に道の駅があったので立ち寄り。生憎の天気にも関わらず駐車場はほぼ満車。せっかくのGWに雨に降られているのは自分だけではないと改めて認識させられ、妙な安心感。ロクに観光ができないので食事くらい贅沢にいこうと考えていたのだが、道の駅の販売所に弁当が売っていたので購入。結構空腹だったしこの後タイミングよく飲食店があるか分からないので。

道の駅 昆虫の里 たびら

道の駅で弁当食べる

 

12:30に道の駅を出てサンセットロードを北へ進み、平戸島に入る手前で瀬戸山天主堂に立ち寄り。幸い雨は傘が不要な程度の小雨に。歴史が古そうなレンガ造りの天主堂は風格と威厳が漂い、その隣には墓地。墓地に並ぶ墓石の多くは一般的な日本の墓石の上に十字架が乗っている和洋折衷なもの。厳粛な場という雰囲気が強く、前日に立ち寄った馬込教会や神ノ島教会とは随分雰囲気が異なる。そして教会の正面には、やはり青い帯をまとったマリア像。所在地にちなんで「瀬戸山天主堂」と呼ばれているが、正式名称は田平(たびら)天主堂。

瀬戸山天主堂後ろ

瀬戸山天主堂正面

瀬戸山天主堂の墓地

瀬戸山天主堂には少々感慨深いものがある。2010年10月に行った車中泊旅行の最中に平戸市の生月島で手の指を怪我してしまい、生月島の病院で応急処置をしてもらった後に立ち寄ったのが瀬戸山天主堂。どんよりとした曇り空の下、包帯を巻かれた不便な手で写真を撮って足早に観光を済ませた記憶があり、それが強く印象に残っている。今回の再訪が快晴だったならば印象も変わっただろうが、怪我をした時と同じような彩度の低い眺めに当時を思い起こさせ、瀬戸山天主堂はなお更に感慨深い場所となってしまった。

平戸島

(ひらどしま:平戸市)

13:00に平戸大橋を渡って平戸島に入る。橋のたもとにある平戸公園へ行くと、何やら催し物が行われていて駐車場は満車。海岸手前の広場にはテントが並び食べ物などが売られ、雨の中多くの人で賑わっている。物産展だろうか。軽く見て周ろうと思ったが、芝生の地面は土がむき出しになり雨水でぐちゃぐちゃなので止め。公園へ来た目的はそれではなく、平戸大橋を眺望できる展望台。傘を差して遊歩道を歩き、公園の北東端にある展望台へ。

平戸公園の海岸

平戸公園展望台

展望台から眺める平戸大橋

平戸公園展望台からは本土と平戸島を繋ぐ平戸大橋を眺望…なのだが、視界が悪く本土側が霞んでいる。晴れていればいい眺めのはずなのだが。風が強く吹いていて傘が煽られ飛ばされそうになり、写真を撮ろうとしても直ぐにレンズが濡れて撮影も一苦労。そんな事をしているうちにズボンはびしょ濡れ。神崎鼻ではたまには雨でもいいかなどと一瞬思ったが、やはり旅行するなら絶対に晴れの方がいい

 

計画では次に平戸城を観光し、それから映画「あたなへ」のロケ地の薄香という小さな町へ行き、そして生月大橋を渡って生月島の観光までする予定だったのだが、雨と視界不良でとても観光できる状態ではないのでこの日は諦め、それらは翌日観光する事に。更新された天気予報を確認すると、翌日は曇りのち晴れなので少しホッとする。で、とりあえず天気が影響しない場所へという事で、平戸城の隣にある平戸観光交流センターへ。

平戸観光交流センター

期待して展示コーナーへ行ってみるが…

展示物これだけ

平戸観光交流センターには映画「あたなへ」に関する展示物があるという事で立ち寄ったのだが、ロケ地の写真数点と高倉健の肖像画が2点が展示されているだけだった。映画に使われた小道具や衣装などいろいろなものが展示されている事を期待していたのでガッカリ。映画上映から約3年経っているので縮小されてしまったのか、それとも最初からこれだけだったのか、もう少しボリュームが欲しかった。ちなみに、高倉健はこの旅行の約半年前の2014年11月に死去していて、「あなたへ」は高倉健最後の主演作品になっている。

 

天気のせいで大幅に計画が狂ってしまい、することが無くなってしまった… しかし何もしないわけにもいかないので、平戸観光交流センターの駐車場に車を置いて散歩する事に。平戸城天守閣に入ろうかと思ったが、最上階まで上がっても景色を楽しめないのでやっぱりヤメ。とりあえず適当にぶらぶら歩く。石畳の道が濡れた落ち葉で滑りやすい。石畳の段の無い太鼓橋が危険なほどによく滑る。雨だとただ歩くのさえ不便だ。

平戸城天守閣

濡れた石畳は足元注意

外を歩き出したものの、雨の中をむやみに歩き回っても濡れるだけなのでどうしようかと考えつつ町中を歩いていたら、「寺院と教会の見える風景」の案内標識。平戸は過去に2度訪れているが、何故か平戸=寺院と教会の見える風景、という印象が強い。ちなみに寺院とは浄土真宗の光明寺で、教会は平戸ザビエル記念教会。ということで、教会の建つ高台へ続く石畳の道を歩き、途中で寺院と教会の見える風景を眺め(教会は頭しか見えないけど)、そのまま道を進んで教会へ。

近いから行ってみよう

相変わらず視界が悪い

この風景を眺めるのも3度目

風情ある石畳の階段道

3度目の平戸ザビエル記念教会訪問。雨でも観光できる場所が限られるからか観光客が多い。そしてここにも青い帯をつけたマリア像。キリスト教信者でもないのに旅行中に沢山のマリア像をまじまじと見物する人はそういないだろう。雨の中ゆっくり教会を見物して平戸観光交流センターへ戻り、車の中で仮眠。もう他にすることが無い… 

平戸ザビエル記念教会

教会内にザビエル像

外にマリア像

2時間近く居眠りして目を覚ますと16:00過ぎ。少し早いが入浴施設へ。前日と同じく温泉ホテルの利用だが、前日と違って露天風呂があり、しかも露天風呂の種類が多く長時間入浴を楽しめる温泉でかなり満足。

2時間ほどのんびり入浴して、そのあと休憩室で2時間ほど読書をして時間を潰し、読みかけの小説を読みきってしまったところでホテルを出る。夕食はコンビニ弁当で済ませ(ご当地グルメ的な食事をしようと考えていたが結局面倒くさくなってしまった…)、夜道を淡々と走り生月島へ。車中泊するため平戸島と生月島を繋ぐ生月大橋たもとにある道の駅へ行くと、車中泊と思われる車が6、7台停まっていた。今や旅行に車中泊というスタイルをとる人が珍しくなくなり、子供連れの家族がミニバンなどで車中泊するのを見かけるまでになったが、10年くらい前はまだそんなに一般的ではなかった気がする。不況の影響やアウトドアの流行などさまざまな事が関わっているのだろうが、いずれにせよ治安の良い日本だからこそ何処でも車中泊ができるのだと思う。そんな事を考えながら23:00就寝。