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2012年4月24日(火)  巡拝9日目  晴

参拝札所:無し

歩行距離:32.8km

合計距離:240.1km

出費額:¥6,770

合計額:¥54,235

 

朝食

6:10起床。足の裏のマメの痛みは少し引いていたが、足首は昨日と変わらず動かすと結構な痛み。もうどうしようもないと半ば諦めかけ。とにかく痛みに耐えるしかない。朝食の時におにぎりのお接待をいただく。食べ物を買える店が少ない地域でこういうお接待は本当に助かる。

おにぎりのお接待

 

7:45宿を出発。歩き始めは足の痛みを敏感に感じ特に辛い。巡拝5日目に100均で買った肩パットをかかとの間に挟んだり、足裏のマメに貼ったシップの位置を少しずらして調整したりしているうちに、少しずつ痛みに慣れてくる。と言っても結構痛い事には変わりないが… それでも昨日よりは確実に歩きやすくなっている。シップのおかげか、それとも体が慣れてきているのか、とりあえず少しでも症状が改善しているようで少し安心。

第二十四番札所へ向けて出発

古い町並みを歩く

第二十三番札所から二十四番札所までの遍路道の距離は約75km。昨日は一箇所も札所の参拝はしておらず、そしてこの日も二十四番札所まではたどり着けないと分かっていてひたすら歩くだけ。歩いているのだから確実に先へ進んではいるが、2日間一箇所も札所を参拝できなというのは精神的にしんどい。

町を抜けると田園風景

のどかな景色が広がる

宿を出て5kmほど歩いたところで海岸沿いを通る国道55線に出る。試練の道の始まり。真夏のような強い日差しが照りつけ、日陰の全くない道を延々と歩く。とにかく暑い。水分をしっかり取らないと熱射病になってしまうような暑さ。手持ちの飲み物があっという間に減っていく。しかし海岸沿いの道路はいくら歩いても、売店はおろか飲み物の自販機すら無い。本来人が歩くような道ではないようだ。手持ちの飲み物は無駄に飲めないしヌルくなって美味しくない。冷たい飲み物が欲しくて仕方がない。自販機を求めてひたすら歩く。陸側の道路脇で度々見かける山の湧水?がとても冷たくて美味しそうなので飲もうかと思ったが、水が体に合わずこんな所で腹痛にでもなったら本当にシャレにならないので止めておく。飲まない代わりに顔と腕に水をかけて少しでもクールダウン。

海岸沿いの国道を延々と歩く

この水は飲めるのだろうか

休憩したくても遍路小屋も日陰も無いので、疲れたら少し立ち止まってまたすぐ歩く。国道55号を2時間ほど歩いた所で「トイレと水があります…」と書かれた看板を発見。木々が茂った奥へ進んでいくと小さな手水舎のようなものがあり、ここに水があるのか!と思ったが水は出ていなかった。話が違うじゃないかっ!…何処かに水を供給する配管があり栓が閉じられているのだろうか。冷たい水が飲めると期待していたのでかなりガッカリ。余計に重い足取りになって国道を歩き続ける。暑い、本当に暑い…

トイレと水!

トイレはあるが

水は無かった…

暑さにうんざりしながらも淡々と歩いていると、見覚えのある休憩所にたどり着く。「ヨドノイソ休憩所」という変わった名前。2010年10月に車中泊旅行で四国一周をした際に、休憩のため立ち寄った場所だった。その時にお遍路さんと言葉を交わし、四国遍路に関心を持つきっかけとなった。ただ、その時はまだ歩きで四国参りをしようとは考えもしなかった。しかしあれからたった1年半後の今、自分が歩き遍路となってこの場所を再訪している。それが何だかとても不思議な気分。先の人生はどうなっているのか分からないものだ。

ヨドノイソ休憩所で一休み

おばさんにおにぎりをもらう

もらった弁当で腹ごしらえ

休憩所には単独で歩き遍路をしている中年の男性と女性の先客がいた。男性は全て野宿で四国参りをしていてかなり大きなリュック。自分の倍は荷物がありそうだ。女性は前日に自分が宿泊した宿のすぐ側に泊まっていたらしく、早起きして朝食を食べずに出てきていた。そして、宿で朝食替わりにおにぎりをもらったけど食べないからあげると渡されたので、ありがたく頂いてその場で食べる。喉の渇きだけでなく腹も減っていた。とりあえず屋根のある日陰で休憩することができ、お遍路さんと話を交わして、体力と気力が結構回復した。あとは冷えた飲み物…

 

しつこいようだが本当に暑い。まだ4月だというのに真夏のような暑さ。夏の沖縄を思い出させるような(沖縄へは1度旅行に行った事がある、真夏に)厳しい日差し。出来ればもっと屋根付きの休憩所を設置して欲しい。真夏にこんな所を歩いたら本当に熱射病になりそうだ。四国南部がこんなに暑いとは思わなかった。2日前は暴風警報が発令されるほどの荒天で、一日中雨に濡れて体を冷やし、今度は強烈な日差しに体力と水分を奪われ、本当に極端。雨に濡れるのも厄介だが、天気が良すぎて強い日差しに晒されるのもキツイ。

まだまだ続く猛暑の道

国道55号を歩き始めて約3時間経ったところで、やっと飲料の自販機を発見。ヨドノイソ休憩所を先に出発していた2人が自販機で飲み物を買っているところだった。大事に飲んでいた手持ちの飲み物は底をつく寸前、温かくなった残りのお茶を飲み干し、自販機で炭酸飲料を買って一気飲み。冷えた炭酸飲料の爽快な喉越しが最高で生き返った気分。普段は当たり前のように利用しているが、よく冷えた飲み物がいつでも買える自販機は本当に便利なものだと実感。炭酸飲料を飲み干してもう1本、途中途中で飲むペットボトルのお茶を購入。水分は欠かせない。自販機の側にある屋根付きのバス停で先の2人が休憩していたので自分もお邪魔して、暫く雑談しながら涼む。

暑さには参るが晴れて景色はいい

堤防の通路から眺める海

再び厳しい暑さの中をひたすら歩く。本当にうんざりする暑さ。こんなに暑い思いをするくらいなら雨に濡れる方がまだマシかもしれない。とにかく暑くて汗をかいて体力が奪われる。気がつけば白衣の袖から出ている両腕は日焼けで真っ赤。こんなにも厳しい日差しに晒されるとは想定していなかったので日焼け止めなど持参していない。だからと言って長袖のシャツなど着る気になれない。もう好きなだけ日焼けすればいいさと開き直る。

夫婦岩

もしかしたら、納経所が閉まる17:00前に第二十四番札所に着けるかもしれない、という淡い期待も持っていたが、昼過ぎの時点で到底無理だと判断。物凄く汗をかいて入浴は絶対にしたかったので、二十四番札所の少し手前にある宿を予約。そして14:00頃にまた見覚えのある風景が目に入ってくる。ヨドノイソ休憩所と同じく、車中泊で四国一周した時に立ち寄った場所。車と違い、歩きだと近づくにつれ変化していく風景をじっくり見られるのがいい。夫婦岩は車中泊の時に観光したので今回は素通り。

夫婦岩の横を通り過ぎた所で、宿泊した宿でもらったおにぎりを食べる。ヨドノイソ休憩所でもおにぎりをもらったので、この日は貰い物だけで日中の食事は間に合った。出費も抑えられて得した気分。もっとも、国道55号を歩いている間に食事が出来る場所も買える場所も無かったが(多分)… 途中軽く休憩した時に翌日の宿も予約。

反対側からの眺め

 

夫婦岩からさらに10kmほど歩いて17:00に宿に到着。高齢のおかみさんが出迎えてくれた。暑さと足の痛みでヘロヘロのフラフラ。それでも約33km歩いた自分にお疲れ様。右足裏のマメは回復が始まり痛みも引いてきたが、今度は左足裏にマメができていた。まだそんなに大きくないので、しっかり水抜きをしてこれ以上酷くならないようにしないといけない。右足首のすね部分は相変わらずかなり痛い。

ロッジ室戸岬

宿泊する部屋

大量の汗をかいて体中がベトベトして気持ち悪いので直ぐに入浴。洗濯物があればやってくれると言うので、お言葉に甘えて脱衣所のカゴに洗濯物を入れて浴室へ。日焼けした腕が少々ヒリヒリする。首周りも赤く日焼けしていたが、顔は遍路傘のおかげで免れた。ともあれ、汗をかいた後の風呂は最高に気持ちがいい、極楽極楽。食事に寝具での睡眠、そして入浴。普段の生活では当たり前のように行なっている事がとても幸せな事なのだと、この四国参りで何度も実感させられる。

夕食

18:30から夕食。客は自分一人だった。おかずの種類が多く豪華な食事に大満足。一日中歩いて本当に疲れた時の食事は尚更おいしい。極楽極楽。うまい飯を腹いっぱい食える事に只只感謝食後は自室に戻り、足にシップを貼ってマメの水抜き。それから水で濡らしたタオルで日焼けした腕を冷やす。真っ赤になった腕は結構熱をもっている。翌日は長袖を着ないと痛くて外を歩けないのではないかと心配になる。足のマメと足首の痛み、おまけに日焼けまで想定外のアクシデントだらけ。

金剛杖の長さを測ったら新品の状態から57mm減っていた。現時点での歩行距離は240km。結願まで1200kmとしてこのままのペースで減り続けると考えると、最終的に30cm近く短くなってしまう。まぁギリギリ何とかなるだろう。遍路地図を見て翌日の計画を立てていたら、翌日宿泊する宿が37km先である事に気づく。宿を予約する時に計算した時よりも10kmほど長い…足の状態を回復させるためにも翌日は30km以下にしようと思ったのだが、どうやら計算ミスしたようだ。まぁ仕方ない、実際に歩いてみてどうしても無理そうだったらその時また考えればいい。テレビを少し見て22:00就寝。

色白な肌が日焼けで真っ赤…