トップページ

持ち物

歩き遍路の持ち物・装備で最も重要だと言われているのが、靴とリュック。四国八十八箇所を全て歩きで巡拝した場合、歩行距離は約1,200〜1,400kmと言われている。数十日間かけてそれだけの距離を歩かなければならないので、自分の足に合う靴、長期間履き続けても疲れない靴を選ばなければならない。歩き遍路のコースは9割が舗装されたアスファルトで、残りの1割が山道等の未舗装路と言われている。なので靴底がゴツいトレッキングシューズではアスファルトの歩行時に足に負担がかかってしまう。かと言って底の柔らかい靴では逆に未舗装路がきついし、結願する前に靴底がダメになってしまう。実際に靴選びが悪かったために足を痛めてしまい、途中でリタイアしてしまう人も多いらしい。ではどのような靴がいいかというと、ウォーキングシューズとトレッキングシューズの間くらい、トレッキングシューズの一歩手前くらいのものがいいらしい。分類的にはトレッキングシューズだがウォーキングにも使えるもの、ウォーキングシューズでも造りがトレッキング寄りなもの、など。これはなかなか難しい。そんな事を考慮しつつ、自分は靴探しを始めた当初から目に留めていた靴があった。「アウトドアシューズ」というジャンルのもので、靴底はそれなりにしっかりしているがトレッキングほどゴツくなく、アスファルトでも歩きやすそうなものだった。ゴアテックスの完全防水が施されている点もポイントが大きい。歩き遍路は雨の日でも当然歩く事になる。靴の中に雨水が沁みこむと歩き辛くなり、足を痛めたり足がふやけてマメができ易くなる。なので防水性の高い靴を選ぶ事も重要になる。という事で、靴屋をいろいろ見てまわった結果、最初から目をつけていた「MERRELL カメレオン2ストーム ゴアテックス」という靴に決める。自分の靴のサイズは27.0センチだが、普段履いている少し薄手の靴下を履いた状態で28.0を店で試し履きしたところピッタリだった。厚手のアウトドアソックスを履く事を想定すると29.0のサイズが必要になる。しかし複数の靴屋をまわっても29.0は何処も売り切れになっていた。仕方なく、定価販売の大型スポーツ用品専門店へ行ってやっと29.0を見つける。

靴・インソール・ソックスをアウトドア専門店で購入

大型スポーツ用品専門店だけあって、靴の試し履きの時に一緒に履ける厚手のソックスのサンプルがあり、それと一緒に履いて改めて29.0がベストサイズだと確認。試し履きのためのちょっとしたコース(丸太の階段のようなもの)まであったので、そこを実際に歩いて履き心地も確認。デザインもなかなかいいし、この靴に目をつけて間違いはなかった。店員によると、この手の靴はやはり厚手のソックスを履く事を前提に、2センチほど大きなサイズを購入していくので、大きなサイズから売り切れるらしい。

インソールもいいものに変えたほうが足への負担が少なくなるので、店員に勧められたものを購入。少々値は張るが、そのインソールを入れて試し履きしたところ、数歩歩いただけで違いが分かる程に歩きやすかったので少し驚いた。クッション性で衝撃を和らげるタイプのものではなく、足をしっかり固定し靴の中で動かないようにするためのインソール。靴の中で足が動くと疲れやすく、マメも出来やすくなるらしい。素人だとクッション性の事しか考えない。靴選びは奥が深い… 結果的に、知識の豊富な店員がいる専門店で購入して正解だった。厚手のソックスも持っていなかったので同時に購入。

 

靴と並んで重要なリュックも結構悩んだ。まずはサイズの選択。リュックに入れる荷物一式を実際に用意して、どれくらいの大きさのリュックなら入るか考えた。それならば大き目のリュックを用意すれば「大は小を兼ねる」と思うかもしれないが、より大きなリュックはより重くなる。歩き遍路が持つ荷物は5kg以内が理想とされていて、少しでも荷物の重さを抑える事が重要。1日2日のアウトドアなら多少重くても我慢も出来るが、何十日も荷物を背負って歩き続ける遍路歩きはそうもいかない。実際荷物を持ちすぎて途中で辛くなり、不要なものを送り返したり捨てたりする人が多いらしい。ということで、自分には30リットル容量のリュックが最適と判断。

実はバイク用のリュック

背中の通気性を考慮したつくり

容量が決まったら実際にリュックを選ぶ。理想は、チャックやポケットなどの収納が多く2気室構造(リュックの中を仕切りで上下に分けられる)で荷物を分けやすい・専用のレインカバー付き・肩と背中のパッドが厚く疲れにくい・両サイドにメッシュのポケットがある(ペットボトル等を入れるため)・リフレクターが付いていて夜間も安心…等々。ネットや店頭でそれらを全て満たすリュックをいくつか見つけ、ネットでの評判も良くデザインも一番気に入ったものをネット通販で購入。重量は1160g、結構重い。。

 

靴とリュック以外にもうひとつ購入の必要があったアウトドア用品が寝袋。歩き遍路には終始宿に宿泊する人もいれば、テントや寝袋を持参して野宿をする人もいる。終始宿泊施設を利用するとなると宿泊費だけでかなりの出費となってしまう。お遍路のスタイルには自家用車・鉄道等の交通機関・バスツアーなど複数あるが、基本的に最も巡拝日数が長い歩きが最もお金がかかる。日数分の宿泊費や食費が必要になるから。中には一度も有料宿泊施設は利用せず、野宿のみで四国参りをする人もいる。そうなると装備が結構な重さとなる。テントに寝袋、寝袋の下に敷くマット等で荷物は15kg以上になってしまう。自分はそんな重い荷物を背負って四国参りをする体力は無いし、終始野宿で通すガッツも無い。大体野宿自体まだ一度も経験が無い。ということで、今回は節約と経験を兼ねて数回、出来れば5回以上野宿ができればいいかなと。数回の野宿なので寝心地は犠牲にして軽さを重視し、ネット通販で探した中で最も軽量な寝袋を購入。重量は約0.7kg。本来寝袋を使用する際は下にマットを敷くものだが、荷物を増やしたくないのでマットは用意せず。

寝袋とリュックのサイズ比較

非常に薄い寝袋

これまでにハイキングや富士登山などのアウトドア経験は多少あるが、リュックや靴などの装備はあり合わせの物か適当にネットで安く購入した物だったので、用途と機能性を追及してアウトドア用品選びをするのはこれが初めて。自分にとって理想のアウトドア用品を選ぶのは簡単ではないと実感。

 

アウトドア用品の次はお遍路用品の準備。お遍路用品は現地でも調達が可能だが、予め自宅で揃えておいた方が荷物の準備をしっかりできるし(リュックやカバンの何処に何を入れれば出し入れしやすいか)、ネット通販の方が安く購入できるので、ほとんどを出発前に購入。自宅から持っていくにはかさばる遍路笠と金剛杖のみ現地調達することにした。実際にネットから購入した遍路用品が右の写真。下に敷いているのは四国遍路用の白衣、左上から遍路地図、遍路解説本、納経帳。その右隣の帯状のものは輪袈裟。右上は納め札と経本、右真ん中の3つは線香ローソクケースと線香とローソク、一番下は山谷袋。ページ下の持ち物リストに各用品について簡単な説明あり。

一応基本的な遍路用品は大体揃えたが、四国遍路をするにあたって必ずこれらが必要というわけではない。白衣を着ない人もいるし、参拝で線香やローソクを立てずお経を読まない人もいる。別にそれでも誤った四国参りとはならず、寺の住職や他のお遍路から白い目で見られることも無い。四国遍路は目的、服装、お参りの仕方全てが自由。ただ今回は初めての四国参りなので、大まか基本に則ったやり方で始めることにした。購入した物意外にも、数珠や持鈴など他にも参拝用具はあるが、経費節約と荷物を増やさないために購入は控えた。それから遍路用の白いズボンは汚れが目立つので、ズボンは丈夫で汚れも目立たないジーパンを履く事にした。

 

ここで一般的な参拝手順を簡単に説明

1・山門 : 門前で合掌、一礼して境内へ入る

2・水屋 : 手と口を清める

3・鐘楼堂 : 鐘を突く(突いてはいけない寺もある)

4・本堂 : 線香を三本あげる→ローソクを1本あげる→納め札を納める→経を唱える

5・大師堂 : 本堂と同じく線香・ローソク・納め札・経を唱える

6・納経所 : 納経帳に御朱印と墨書きをしてもらい御本尊御影をもらう

7・山門 : 門前で合掌、一礼

四国八十八ヶ所納め札 白

四国八十八ヶ所経本

上の参拝手順もあくまで手本であって、必ずそうしなければいけないというわけではない。四国遍路を始める理由は人それぞれで、近年の歩き遍路は純粋な神事として四国参りをする人以外に、アウトドア感覚でする人や、自分探し的な旅としてする人も多い。中にはスタンプラリー感覚で納経所にだけ立ち寄る人もいる。四国遍路の事をよく知らない人はとても堅苦しいものと思うかもしれないが、実際はとても自由で自分に合ったやり方で巡拝できる。

巡拝徳用ローソクと線香セット

お遍路用線香ローソクケース

 

◎お接待と納め札の説明
お接待とは

お遍路さん対して地元の人が物を与える風習の事。飲み物や食べ物を与えてくれたり、現金を与えてくれたり。中には車に乗せてくれる人もいる。お接待を受けたらお礼に納め札を渡すのが礼儀。基本的にお遍路はお接待を断ってはいけないという決まりがある。ただ例外として、車の乗車の誘いを受けた場合は断ってもいい事になっている、らしい。これが断れないと全て歩いてまわろうとしている人は困ってしまう(笑)。

納め札とは

住所と名前、年齢を表に書き、裏に願いを書いて参拝時に本堂と大師堂に納めるもの。お接待を受けた時にお礼に渡すものでもあるで必須アイテムと言える。どんなスタイルの四国参りでも納め札は用意し、予め住所氏名等をある程度書き溜めしておく必要がある。納め札には数種類の色があり、初遍路〜4回目までが白、5回〜7回目までが青、8〜24回が赤、25〜49回が銀、50〜99回までが金、100回以上が綿製…と、遍路回数で決まっている。この納め札の色については賛否があるらしいが、いったいいつ誰がこんな事を決めたのだろうか。自分は初めての四国参りなので白。

 

リュックに入れる荷物全て

左の写真が購入した30リットルのリュックに入れる荷物の全て。写真のように綺麗に並べると大した量でもないように見えるが、これでリュックはほぼ満杯。下着の変えは2セット、防寒用の服も最小限に留めた。一番場所を取っているのはやはり寝袋。野宿は諦め寝袋を無くせば大分余裕ができるのだが、まぁ仕方ない。長期間なので爪切りやかみそりも必要になる。地図や参拝用具などの遍路用品は、一緒に購入した山谷袋に。

自宅には体重計などの重さを量るものが無いので、巡拝を始めて初めて宿泊した宿の体重計で荷物の重さを量ったところ、リュックが約7kg、山谷袋が約3kgで、合計約10kgもあった。理想の5kgの約倍。空のリュックだけも1kgを超えているのに、全ての荷物を5kg以内に抑えるのは無理な話だった。それでも10kg程度の重さなら結構サクサク歩ける、体の調子がいい時は。何日も歩き足の痛みやマメが出てきてから、荷物を最小限にする重要性に思い知らされる事になる…

この2つで約10kgになってしまった

 

◎持ち物リスト

購入価格

リュックサック

deuter トランスアルパイン30

肩と背中に厚手のパッド・2気室・ポケット多い・レインカバー付き・強度がある サイズ:H53×W34×D24cm 重量:1160g ¥12,000

MERRELL カメレオン2ストーム ゴアテックス

防水性に優れたゴアテックス、長時間歩いても疲れにくく、ウォーキング〜ハイキングに対応したアウトドアシューズ ¥13,650

インソール

Balance +60

足をしっかり固定しバランスを整え、疲れにくくするインソール 抗菌・防臭・防カビ仕様 ¥4,410

ソックス

オールパイルソックス×3足

厚手でクッション性のあるソックス 汗を吸い取り素早く放出 速乾性が高く洗濯も便利 ¥4095

寝袋

LOGOS スーパーコンパクトシュラフ・15

薄手で軽くてコンパクトに収納できる 幅80×長さ190cm 収納サイズ:直径13×長さ21cm 重量:0.7kg ¥5,399

 

   

遍路笠(現地購入)

日除けや雨具として最適な用具 笠は被ったままで参拝できる ¥1,575

手ぬぐい(現地購入)

遍路傘を被る時に頭が痛くならないように頭に巻く ¥300

金剛杖 般若心経入 カバー鈴付(現地購入)

杖には弘法大師が宿るといわれている、お大師様の化身 険しい山道や疲労時の推進力になる 手洗い等不浄の場に持ち込まない ¥2,730

四国八十八ヶ所白衣 着用 長袖 L

何よりもこれを着ていたほうがひと目でお遍路だと分かる ¥2,625

さんや(山谷)袋 撥水タイプ

参拝用具等を仕舞うのに便利 ¥2,100

お遍路用輪袈裟 紫

霊場礼拝の正装具 手洗い等不浄の場に立ち入る時は外す ¥1,470

四国八十八ヶ所納経帳 赤金襴表紙

参拝の一番最後に御朱印を押してもらうためのもの ¥2,100

四国八十八ヶ所納め札 白 200枚セット

参拝時に本堂と大師堂に納める お接待を受けた時に渡す ¥105
四国八十八ヶ所経本 経が書かれたもの ¥630
巡拝徳用ローソクと線香セット 参拝時に線香三本とローソク一本を挿す ¥840
線香100均 上のセットでは本数が足りなかったので購入 ¥105
お遍路用線香ローソクケース 線香とローソクの持ち運びに便利 ¥630
四国遍路ひとり歩き同行二人 地図編 歩き遍路の必須アイテム 遍路コースや宿泊施設など詳しく書かれている ¥2,500
四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編 遍路の解説書 荷物になるので事前に読んで持っていかない ¥1,000
使い捨てライター 線香とローソクに火を点け易いチャッカマンタイプ ¥105
方位磁石 あった方が便利だという書き込みを何度か見かけたので ¥105
カラビナ リュックから何かをぶら下げる時に ¥105
遍路笠に標準で付いている紐は使い勝手が悪いので付け替え ¥105
小銭入れ お賽銭用に ¥105
     
レインウェア 上下セパレートタイプ 富士登山用に買ったもの 防寒具にもなる  
薄手の上着 防寒用 捨ててもいいもの 寝間着代わり  
長袖シャツ×2 防寒用 捨ててもいいもの  
ジョギングパンツ ジーパンを洗濯して乾くまでの履物 寝間着代わり  
肌着Tシャツ×3 速乾性のあるもの ¥2,340
トランクス×3 速乾性のあるもの ¥2,361
     
デジカメ(メイン+予備の2台)    
メインデジカメ用バッテリー3本    
メインデジカメ用バッテリー充電器    
     
SDカード 約10G    
小型三脚    
LEDライト 夜間外灯の無い道を歩く時に使用 小さいが非常に明るい  
リチウム電池 LEDライトの予備電池  
マグライト LEDライトの予備  
単三電池×8本 予備デジカメ、マグライト、電池式携帯充電器にセット ¥210
携帯電話    
携帯電話充電器    
電池式携帯充電器 野宿等で携帯電話を充電できない時のために  
予備眼鏡    
iPod 何となく、一応…   
メモ帳 撥水ペーパー・レインガード ¥241
ボールペン 黒色2本  
     
使い慣れた歯ブラシ 野宿時や歯ブラシの無い宿泊施設で使用  
歯ブラシセット ケースと小さな歯磨き粉が欲しかった ¥105
ウェットティッシュ あると何かと便利 ¥105
爪切り 長期なので必須  
小型アウトドアナイフ 何かを切ったりする時のために  
手ぬぐい 入浴用  
ハンカチ 何かと必要  
タオル 何かと必要  
カミソリ+シェービング剤 携帯性の高いシェービング剤が欲しかったので、小型のシェービング剤がおまけに付いたカミソリを購入 ¥876
石鹸 石鹸の無い入浴施設もあるかもしれない  
耳栓 野宿の時に使用  
アイマスク 野宿の時に使用  
ポケットティッシュ×適当に ティッシュは必要  
ビニールネットケース×3 小物類の小分けに使用  ¥315
洗濯用ネット小×2 衣類の小分けに使用  ¥210
洗濯ばさみ×6 何かの役に立つかと思い   
軍手 必要になるかも知れない  
ビニール袋×4 ゴミや荷物の分別に   
     
風邪薬 万が一に備えて  
絆創膏 万が一に備えて  
安全ピン 足の裏にマメができた時の水抜きに使用  
包帯 万が一に備えて  
栄養ドリンク 肉体疲労時の栄養補給に  
カロリーメイト×2 万が一の空腹時のために  ¥296
ウィダーインゼリー エネルギーin 万が一の空腹時のために  ¥158
     
合計 四国参りの準備で購入した物の合計 ¥66,006