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その6  3日目昼〜

国賀めぐり定期観光船

メド岩のある西ノ島北東部から再び西へと車を走らせ、国賀海岸を巡る観光船に乗るため浦郷港の西ノ島町観光交流センターへ。窓口で13:10発の観光船のチケット(2500円)を購入して、13:00ちょうどに桟橋へ移動して観光船に乗船。この時初めて船尾にオープンデッキの座席がある事を知るも、既に乗船客で埋まっていた。屋根と窓に囲まれた船内よりオープンデッキの方が眺めが良さそうなので、正直失敗したと思いつつ船内に入り、唯一窓際の座席が空いていた前から三列目の左端に着席。この手の観光船に乗る時は一番乗りで乗船するべし、という教訓を得た。

西ノ島町観光交流センター

観光船に乗船

前から三列目の左端に着席

定刻通りに観光船は出航し、西ノ島を東西に分けている美田湾に南から入り北上。途中でヨットハーバーに寄港して乗客を数人乗せる。ヨットハーバーに係留されている複数のヨットには、デッキで楽しそうに飲み食いしているグループの姿が。ちょっとリッチなバカンスを楽しんでいるという感じで正直羨ましい… 観光船は美田湾をさらに北上し、1年前の西ノ島観光で見物した船引運河を通過して外海に出る。そして国賀海岸へ。

西ノ島大橋の下を通過して美田湾に入る

ヨットハーバーに寄港

船引運河を通過して美田湾を出る

そして国賀海岸へ

座席確保に遅れを取ったものの何とか窓際席に座れたが、観光船は国賀海岸を左にして進んでいくので、偶然にも左側の窓際席に座れたのはラッキーだった。窓は引き戸で開けられるようになっていて、前後の窓際席の人の迷惑にならない程度に開け、そこからカメラのレンズを出して外を撮影。これなら窓の映り込みが入る事無く写真を撮れるし、視界が広く開放感のある風景を楽しめる。右側の席に座っていたら離れた反対側の窓から見る事になるので、窓枠の中に映る景色しか見られないし写真撮影もできない。観光船に乗る時は航行時に見物する対象が多い側の席に座るべし、という教訓も得た。

豆腐岩

特徴的な断崖風景

これが亀島と思っていたけど…

こっちが亀島だった

海から眺める国賀海岸の海崖風景は想像していたよりも遥かにスケールが大きく、今までに見たことの無い壮大な眺めだった。天上界や摩天崖の上からの眺めとは全く印象が異なり、地上から見られる風景よりもずっとインパクトがある。これが国内最大級の海崖風景だと思い知らされる迫力。実は、国賀めぐり定期観光船は時間があればついでに乗っておこう、程度に考えていたが、定期観光船こそ絶対に外してはいけない国賀海岸観光であると知らされた。西ノ島を訪れて国賀めぐり定期観光船に乗らないのは大損と言っても過言ではない。

これが国内最大級の海崖風景

鬼ヶ城

鬼ヶ城

観光船の船員は船長1人だけで、船を操縦しながら国賀海岸のガイドもしてくれる。国賀海岸にある奇岩や断崖などにはそれぞれ名前が付けられていて、それらが見られる場所で船は減速または停止してくれる。右側席の乗客への配慮として、たまに船を180°方向転換して海岸風景をよく見られるようにはしてくれるが、それ以外はずっと海岸は反対側にあるのでやはり不便。国賀海岸の定期観光船は左側の席に座るべし。

地層がくっきり

左のが金棒岩?

観光船から眺める国賀海岸はとにかく素晴らしいが、この壮大な風景こそ写真では全く伝わらない。正に日本離れしたスケールの大きさ。こんなにダイナミックな風景はあまり見た事が無い。定期観光船は8:30発(夏休み期間のみ)・13:10発・15:10発と3便あり、時間や季節の違いによって風景の印象も変わりそう。ともあれ、この日が快晴で視界も良好で本当によかった。

写真では全く伝わらない壮大な風景

摩天崖

通天橋が見えてきた

ちなみに、今回利用した定期観光船は{浦郷港⇒船引運河⇒国賀海岸}を往復する「Aコース」というもので、摩天崖や通天橋、天上界などの特に有名なスポットがあるエリアのみを周るコース。もうひとつ、{別府港⇒東国賀海岸⇒国賀海岸⇒船引運河⇒浦郷港}の順で周る「Bコース」というのもあるが、出発地と到着地の港が違う事や、10:20発の1日一便しか無い事からAコースにした。

通天橋の隣には洞穴が複数

観光船が入れる洞窟「乙姫御殿」

乙姫御殿に突入!

観光船は洞窟の中にも入る。大きくはない観光船一艘がギリギリ通れる幅しかないので、横の窓からではほとんど内壁しか見えない。洞窟内の様子は船尾のオープンデッキからが一番よく見られると思われ。

船内からでは洞窟内があまり見えない

洞窟を出る

通天橋に接近

通天橋の下には入らなかった

通天橋にも接近。海側からだと穴の先に緑が生えた陸地が見えることもあり、陸からの眺めとはまた印象が変わる。そして間近から見上げる穴のアーチは大きい。てっきり穴の中を通過するのかと思いきや、それはなかった。

天上界の岩々

観音岩

象鼻岩撮影失敗…

何処を見てもインパクトのある断崖

切り立った断崖の形や壁面の模様、周囲に点在する奇岩や巨岩など、印象的な風景が次々と流れていくので目が休まる事がない。国賀海岸の本当の魅力は、陸上からよりも海上からの眺めに有り。

古代壁画のようにも見える地層

国賀の屏風ヶ崖

大神の立岩と国賀の屏風ヶ崖

摩天崖や展望所から遠くに見えた大神の立岩の側にある洞窟にも進入。内部はやはり狭く、船体側面の窓越しからでは洞窟内の様子があまり分からない。船内席で洞窟内を一番よく観察できるのは、正面の窓から景色を見られる先頭席になる。但し、正面窓は開かないので窓の外から写真撮影はできない。国賀めぐり定期観光船の座席選びは難しい。とりあえず、国賀海岸を周遊する観光船は全席屋根無しの方がいいと思う。

明暗の岩屋に突入!

狭くてやっぱりよく分からない

正面窓からの眺め

側面窓から手を伸ばして撮ってこんな感じ

2つ目の洞窟を出た所で国賀めぐり完了。浦郷港を出港してからここまで約1時間。船はUターンして往路で進んできた航路を引き返す。進行方向が逆になるので、今度は自分が座っている左側席が国賀海岸の反対に。復路はほとんど停まらずに航行。

不老ヶ崖

国賀の赤壁

海岸が反対だとこうなる

ずっと外の景色に夢中になっていたからか、ただ座っていただけにも関わらずそれなりの疲労感と眠気が。隣の席に座っている人は完全に寝落ちしていた。

金色に見える岩

再び船引運河を通って浦郷港へ

14:40浦郷港に帰着。2500円の国賀めぐりはお値段以上の観光だった。これで2度目の隠岐の島観光は終了。この時点で西ノ島へはいつかまた訪れたいと考えていた。隠岐の島四島の中でも西ノ島の国賀海岸は圧倒的に魅力のある場所で、何度でも訪れたいと思える場所となった。

帰りのフェリーに乗るため浦郷港から車を運転して別府港へ。100km以上の長距離サイクリングでもした後のような疲労感があり、10分程度の車の運転でもしんどい。よほど観光船からの眺めに興奮していたらしい。別府港に着いたら乗船手続きを済ませ、車両待機場所に停めた車の中でひと休み。暑いので車の窓を開けっ広げていたら、マイカーの隣で待機しているバイク乗り3人の会話が耳に入る。どうやら皆一人旅のようで、途中から会話の内容は放牧牛の糞に。どうやらバイク乗りも牛糞には苦労させられたらしく、糞を踏まずには進めない道は引き返していたらしい。バイクで糞を踏んだら自分に撥ねる可能性があるので車より大変だ。ちなみにこの時点でもマイカーのタイヤとホイールハウスの中は糞だらけ状態。匂いは…まぁさほど気になる程ではない。

別府港にフェリー到着

出航

ありがとう隠岐の島 ありがとう西ノ島

やがて到着したフェリーに乗船し、定刻通り15:45出航。先に島後から周って来たフェリーで二等客室は隙間無く埋まっていたため、仕方なく船外デッキに出る。しかし疲労感が激しく船上から景色を眺めたり写真を撮ったりする気力もあまり無く、フェリーが別府港を離れたところでデッキのベンチに腰掛けたら直ぐに寝落ち。旅行3日目は最高の快晴だったため、気分も上がりっぱなしでカロリー消費が激しかったのかもしれない。

フェリー旋回時の波がきれいだった

さようなら隠岐の島 またいつか西ノ島

フェリーは七類港に18:00に到着し、自宅からの往路で通った道をそのまま復路として走る…はずが、何処かで道を間違えて混雑する繁華街に迷い込み、そして長々と住宅地を走り、思った以上に軌道修正に手間取り時間と労力とガソリンを無駄に消費。それでも21:40に無事帰宅。

翌日も仕事が休みだったので、汚れた車を洗車するために近所の洗車場へ。一週間後にディーラー車検の予約を取っていて、車検項目に洗車も含まれていたが、さすがに糞まみれの車を他人に洗車させるのは気が引ける。とりあえずマイカーを洗車機にかけてみたものの、予想通りタイヤ回りの汚れはあまり落ちず、結局ブラシを使って手作業で洗車。ホイールハウスの中まで綺麗にするのが大変だった…糞は草の塊のように風化していて、ほとんど匂いを発しなくなっていたのがせめてもの救い。西ノ島へはまた行きたいと思うが、牛糞が散乱した道路をマイカーで走るのはモウ勘便、もといもう勘弁。