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その2  1日目昼〜夜

 

旧甚の丸邸

(きゅうそのまるてい)

情緒ある町並み

何だかいい感じの町角風景

龍王崎灯台鉄砲場を出て今度こそ旧甚の丸邸を探す。古い木造家屋が建つ住宅地の中を適当に歩いて、旧甚の丸邸の案内板を見つけそちらへ進んでいくと、何ともいい感じの情緒ある通りに出る。しかし相変わらず人影が無い。本当にこの町で人が生活しているのか疑いたくなるほど。通りを進むと「踊り子の里 旧甚之丸邸」と書かれた看板が掲げられた土蔵のような建物がり、正面玄関のある横道に入る。不規則な形の石板で敷き詰められた地面に大きな丸石を積んでつくられた塀の細道。この細道も郷愁感漂ういい感じの通り。

踊り子の里 旧甚之丸邸

旧甚の丸邸正面入口へ向かう

旧甚の丸邸は明治時代に作られた石造りの建物で、当時地元の漁師が使っていたとか。富豪の家なので当時としてはかなり豪華な造りの建物だったらしい。建物内は無料で見学できる。1階は生活空間である畳の間がいくつかあり、2階は広い一間の屋根裏。見物客も管理人もいない無人状態だった。

旧甚の丸邸入口

旧甚の丸邸1階

波浮港

(はぶこう)

もう少し町を散策してみようと、旧甚の丸邸を出て適当に歩いてみると、木々に囲まれ木漏れ日の射すいい雰囲気の階段に出る。波浮港へ続く「踊り子坂」という階段。興味を引かれ階段を下りて行くと、景色が開け眼下には波浮港。ここも本当にいい雰囲気の場所だ。さらに階段を下りて行くと、港に沿って並ぶ小さな町が見えてくる。町まで下りて散策してみようかとも思ったが、車を停めた場所からだいぶ離れてしまい戻るのが面倒になるので、途中で引き返した。後から知ったことなのだが、港沿いの町には名所になっている旅館や、情緒ある旅館前の町並みがあったので、やはり立ち寄っておけばよかった。

踊り子坂

踊り子坂から波浮港を見下ろす

波浮港の小さな港町

車に戻り再び大島一周道路を時計回りに走り始めると、程なくして道路沿いにある見晴台が目に留まり車を停める。先ほど散策した町と波浮港を一望できる見晴台だった。龍王崎灯台も見える。今思えばもっと時間を掛けて旧甚の丸邸周辺や波浮港の町を観光しておけばよかったと思う。

波浮港を一望

龍王崎灯台と旧甚の丸邸

千波地層切断面

(せんばちそうせつだんめん)

一周約50kmある伊豆大島一周道路を岡田港から時計回りに走り始め、大島東側を南下し、大島南端の浮間港を過ぎて今度は大島西側の道路を北上。あちこち観光しながらゆっくり回っていたが、岡田港を出発してから約4時間で半周してしまった。やはり伊豆大島は小さい。波浮港から15分ほど車を走らせ次の観光スポットの千波地層切断面に到着。

伊豆大島一周道路の建設工事で山を切り崩した際に発見された地層。木目のようなうねり模様の地層が約600mほど続いている。地元では「バームクーヘン」とも呼ばれているらしい。確かに色も似ている。日本各地いろいろ旅行しているが、これだけ規模が大きく綺麗な地層断面は見たことが無いので、日本の地層断面としては結構珍しいものではないか。

薄っすらと利島、ほんのかすかに新島が見える

地層断面の反対側からは太平洋を一望。歩道に展望台があり、パノラマガイドによれば伊豆諸島の6つの島々が見えるらしい。この日はそれほど視界が良くないのか、大島から一番近く約21km先にある利島(写真右端の三角の影)と、約32km先にある新島(利島の少し左にかすかに…)が見えた。利島は龍王崎灯台鉄砲場からも薄っすらと見えた。

三原山頂口

(みはらさんちょうぐち)

千波地層切断面の観光を終えた時点で時間は16:00ちょうど。残り予定している主な観光は三原山登山くらい。しかし時間的に微妙なのでどうしようかと考えた時に、三原山の登山にかかる時間、火口一周にかかる時間を予め調べておくのを忘れていたことに気付く。こんな計画ミスは珍しい。持参してきた大島の地図では検討つかない。仕方ないのでとりあえず三原山へ向かう。

三原山頂口

富士山は見えない

大島一周道路から三原山へ続く山道に入り、三原山の登山道入口がある三原山頂口に16:30到着。日が傾き影が伸びた山頂口に人影はなく、案内所や土産屋も閉まっていた。登山ルートや所要時間が書かれた案内板も見当たらず。やはりこの時間から登るのは遅すぎるし、強風で途中で引き返すハメになる可能性もあるので登山は断念。元々登山は旅行2日目に予定していたので、翌日朝から登る事に。標高550mの三原山頂口からは伊豆半島を眺められる眺望。富士山も見えるらしいが、やはりこの日は視界がそれほど良くないのか富士山は見えなかった。

新火口展望台

(しんかこうてんぼうだい)

三原山頂口から北東に延びる三原山ドライブウェイを少し進んだところに、三原山を一望出来る「新火口展望台」がある。視界一面に広がる溶岩流の黒い平野の先に三原山が見える。この辺りも強い風が出ていて、手がかじかむほどに寒い。改めてこれから登山をするのは無謀だったと気付く。翌日は朝から快晴で風も治まり、快適な三原山登山が出来る事を願う。

山腹割れ目火口跡

(さんぷくわれめかこうあと)

お腹も空いてきたので食事をしてから温泉にのんびり浸かりたいところだが、それにはまだ少し時間が早いので、三原山ドライブウェイを新火口展望台から三原山頂口方面へ少し戻り、「山腹割れ目火口跡」がある横道に入る。荒れた道路を進んでいくと駐車場らしき広場があるので車を停める。そこからは遊歩道が続いているが、観光案内図等は無く何処に火口跡があるのか分からない。とりあえず遊歩道を進んでみるが、道はどんどん山を下っていく。前方の景色は大島北から西にかけての風景。伊豆半島も見える。日は大分低くなり日没が近づいている。これ以上進んでも何かある保障もないので引き返す。空腹で気力も無いし大島1日目の観光はこれで終わり。

これが割れ目だろうか

日没が近い

再び三原山ドライブウェイを北東に進み、食事と入浴ため三原山北側にある三原山温泉へ。しかしそこは温泉宿で、日帰り客向けのレストランの営業は既に終了していた。空腹の状態では入浴が楽しめないので、予め調べておいたもう1ヶ所の温泉へ向かう。山を下りて大島西側にある元町(多分大島で一番大きな町)に入り、御神火温泉へ。と、温泉の裏手が海岸になっていて、あと少しで日没になるところだったので、海岸手前の駐車場に車を停めてしばらく待つ。

外に出ると相変わらず風が出ていて寒い。日の沈む西側には伊豆半島の陸地が見える。日中は見えなかった富士山も夕焼けにシルエットを映している。富士山より左側には円錐状に整った形の山が見えるが、あれはきっと大室山だろう。毎年2月に山焼きが行われる小さな山で、これまでに3回ほど山焼き見物をしている。18:00ちょうどに日没となり温泉へ。

大室山と思われる影

富士山のシルエットが綺麗

伊豆半島に沈む夕日

御神火温泉へ

入浴の前にまず食事。かなり空腹だったのでたらふく食べたかったが、温泉によくある軽食コーナー的な食堂なのでたらふくなメニューは無かった。しかも微妙に値段が高い。\980の生姜焼き定職と\120の大島産うこっけいのゆで卵を注文。しかし値段の割りに量が少なく(卵も小さい…)足りないので\280のフライドポテトを追加。それで一応空腹は満たされたので温泉へ。ケチをつけるとキリが無いが入浴料も\1000と施設規模の割りには高く、コインロッカーは今時珍しい?お金が戻ってこないタイプだった。元を取るためにも閉店時間の21:00まで約2時間のんびり入浴。

伊豆大島には道の駅が無いので、車中泊は公園の駐車場等を利用するしかない。そういえば屋久島と種子島にも道の駅は無かった。小さい離島は交通量が少なく広い駐車場も必要ないし、運転量も少ないので道の駅の需要がないのかもしれない。ともあれ、翌日朝は岡田港近くの日の出浜から日の出を眺められないかと考えていていたので(名前からして見られそうだし)、岡田港の近くにある「ぶらっとハウス」という、大島の道の駅的なスポットらしい場所で車中泊することに。ぶらっとハウスに向かう途中何処かで翌朝食べるパンか何かを買いたかったのだが、すでに何処の店も閉まっていた。というか店自体がほとんど無いし、コンビにも無い。仕方ないので万が一に持参してきたカロリーメイトとウィダーインゼリーで我慢しよう。そしてぶらっとハウスに着いてみると外にトイレもなく、道の駅と言うほどの規模でもなかった。当然ながら売店は閉まっている。しかし他を探すのも面倒なのでぶらっとハウスの駐車場に車を止め、早めの21:40就寝。