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その5  3日目朝〜昼

 

矢島・経島(やじま・きょうじま)

矢島・経島の名前の由来は、矢島は矢に使う竹を産出していたことから。経島は、日蓮の弟子の日朗が赦免を伝えにこの地にやって来て、読経をして一夜を明かした所。…へぇ、としか言えない自分。印象的な朱色の太鼓橋は矢島と経島の掛け橋だと思っていたが違った。矢島と経島の2つの島があるのではなく、2つの島が繋がったように見える1つの島。何て紛らわしい。駐車場から岩場の遊歩道を進み、太鼓橋を渡った所が矢島・経島。

太鼓橋を渡ると矢島・経島

朱色の太鼓橋

矢島・経島がある入り江は海水が透き通っていて、水中にあるコケや海草がはっきりと見る。さらに入り江の海岸沿いにある岩山の緑が水面に映りこみ、水中の緑と水面に映った緑が混じりあいとても美しい眺め。この素晴らしい景色が見られるのも快晴に恵まれたお陰。

海面に映り込む木々の緑

たらい舟の乗船体験

太鼓橋から眺める入り江の風景に見惚れていたら、美人2人を乗せたたらい舟がやってきた。矢島・経島の入り江ではたらい舟の乗船体験が出来る。千と千尋の神隠しを見たときに、こんな変なこぎ方でまともに前へ進むのだろうか、そもそもこんなたらいの舟が実際にあるのだろうか?などと思ったが、実際にあった。しかもちゃんと進んでいる。かなりゆっくりだけど。

矢島・経島にあるわらぶき屋根の家

矢島・経島の奥にある橋から眺める入り江

底に何か見えるのだろうか

太鼓橋を渡り矢島・経島に入ると、目の前に年期の入ったわらぶき屋根の家がある。どうも廃墟らしい。この家で日朗が読経をして一夜を明かしたのだろうか。正直なところその辺については全く興味が無く、やはり入り江の美しい風景に目が行く。観光地名は「矢島・経島」であるが、ここの見所は矢島・経島ではなく、綺麗な入り江と朱色の太鼓橋のある風景だと思う。

太鼓橋から眺める入り江の風景

琴浦龍宮殿(ことうらりゅうぐうでん)

琴浦龍宮殿は海底火山による大型天然洞窟が点在する場所。Webで検索してもあまり情報が出てこないのでマイナースポットのようだが、天然洞窟というフレーズに惹かれて行ってみる事に。しかし…

琴浦龍宮殿入口

通路のど真ん中でキャンプ中…

炭鉱みたいな出口

矢島・経島から琴浦龍宮殿へ向けて車を走らせるが、道路上に龍宮殿の案内板が見当たらず、カーナビと持参してきた地図を頼りに途中で道を曲がると田んぼの細道に入ってしまう。田んぼで農作業していた人に龍宮殿への道を尋ねると、龍宮殿までの道順を教えてくれて、その通りに進むと漁港に到着。しかしそこにも琴浦龍宮殿の案内板は無く、少しうろうろしていると漁港の片隅に洞窟らしきものを発見。念のため洞窟の手前にあるダイビングショップの人に尋ねると、やはりそこが琴浦龍宮殿の入口だった。ここまで場所が分かりづらい観光地もそう多くはない。これはかなりのマイナースポットだな…と少し不安になる。入口の洞窟に入ると舗装された通路になっているのだが、そのど真ん中をテントが占拠。おいおい。

龍宮殿入口の洞窟を抜けると、岩山に囲まれた海岸の岩場に出る。青空と鮮やかなエメレルドグリーンの浅瀬。人影も無く静かで気持ちがいい。岩山に囲まれた地形も相まって、映画などのシーンに出てくる「自分だけの秘密の場所」的な雰囲気がある。

これが琴浦龍宮殿?

地蔵さん

祭壇?

そして海岸には目立つ2つの穴。鼻の穴のような形をした2つの穴は中で繋がっている。2つの穴の間にはお地蔵さんがあり、穴の中に入ると祭壇のようなものがある。どうやらここが琴浦龍宮殿らしい。相変わらず案内板等は全く無いのでよく分からないけど。洞窟の中はひんやりと涼しく、上から水滴がポタポタと落ちてくる。奥へ進むと暗くて足元が見えずらい。地面を舗装したり照明を設置したりと、よくある観光地の洞窟とは違い、全く人の手が入っていない天然洞窟。

外から見える2つの穴は中で繋がっている

人の手が入っていない天然洞窟

自分以外誰も居ない洞窟内はシーンと静まり返っている。三脚を立ててじっと洞窟内の写真を撮っていると、静けさと暗闇、体に落ちる雫とひんやりとした空気に少し怖さのようなものを感じる。しかしとても澄んだ場所で落ち着くような気分でもある。暗闇は不安と安堵の両方をもたらすものなのだなぁと、柄にも無い事を思った。

琴浦龍宮殿近くの集落

琴浦龍宮殿から車を出してすぐに、印象的な住宅風景が目に留まる。山あいの狭い斜面に、黒い瓦屋根の木造家屋が密集して建ち並ぶ風景。昔懐かしい日本の住宅風景、と言った感じ。それからさらに先へ進むと、また印象的な住宅密集地が。こちらも瓦屋根の木造家屋が、ひしめくように隙間無く建ち並んでいる。佐渡観光1日目からこのような印象的な集落の風景をよく目にする。これらの古い家屋は、風景保存のために意図的に維持されているものなのだろうか。そうでないとこれだけ沢山の旧家屋が今まで残っているとは思えないし。

昔にタイムスリップしたかのような光景

この景色はいつまで残されるのだろうか

深浦集落

小木海岸

さらにさらに先へ進んで行くと、真っ白な大きな橋に入る。長者ヶ橋という佐渡島で最大級の橋。と、橋からいい雰囲気の集落が見えたので車を橋の路肩に停める。入り江と山の間にある小さな集落で、深浦集落という、江戸時代からある古い集落らしい。集落の反対側からは海を一望。これが最高にいい眺め。海水の透明度が非常に高く水中がよく見える。矢島・経島の入り江や琴浦龍宮殿の海岸も綺麗だった。佐渡島の海は本当に綺麗。佐渡観光2日目も1日目と同じような曇りだったら、この綺麗な景色を見ることはなかっただろう。

長者ヶ橋

すごく綺麗

沢崎鼻(さわさきばな)

佐渡島最南端の岬。沢崎灯台が建っている。ここもいい眺め。海沿いの風景は快晴ならば、空も海も青々としていて何処でもいい景色に見えてしまう。とりあえず沢崎灯台の下まで行ってみる。特に何があるという訳ではなが、沢崎鼻の海岸風景を見渡すことが出来る。少し離れた場所に神子岩という巨岩ある。巨岩・奇岩が多い佐渡島。

沢崎灯台

沢崎鼻から眺める神子岩

沢崎鼻から見えた神子岩へ行こうと車を走らせると、何故か海沿いではなく山道に入ってしまう。道を間違えたらしいのでUターンできる場所を探して山道を上って行くと、沢崎鼻を一望できる場所に出る。また道を間違えて思わぬ発見。

沢崎鼻を一望

神子岩

神子岩の近くにある岩

海沿いの道路に戻って先へ進む。神子岩から先は観光客の姿も車の通りもほとんどなく、静かでのんびりした雰囲気の中、のどかな海岸風景を眺めながら車を走らせる。それにしてもGWだというのに思っていたよりもずっと観光客が少ない。佐渡の代表的な観光地は人でいっぱいになり駐車場の空き待ちの列ができたり、車のすれ違いが困難な細い道路では渋滞になったりすると思っていたのだが、そんな事は全くなかった。

なんとなく寄ってみた神社

ピンクの花が日差しを浴びて鮮やか

鮮やかなピンク色の花が咲く神社、海が見える棚田、黄色い花畑など、車を走らせているといろんな風景が目に留まる。どの風景ものどかで癒される眺め。佐渡の見所は人が集まる観光スポットだけではない。

ふれあいハウス潮津の里から眺める真野湾

人面岩を見下ろす

日が昇る前から車を走らせあちこち見てまわっていたので、ジワジワと睡魔がやってきた。眠くなったら無理せず休憩、ということで入った「ふれあいハウス潮津の里」。海を見渡せる高台にあり眺めがいい。そして海岸を見下ろすと、あれ、人面岩がある。偶然にも前日に夕日を眺めた真野湾の海岸の上に来ていた。これで佐渡島を一周した事になる。