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その2  1日目朝〜昼

 

浦富海水浴場

(うらどめかいすいよくじょう:鳥取県岩美町)

城原展望所から山道を下って砂浜に出たところで、海に浮かぶ特徴的な岩が目に留まり車を停める。岩の上には小さな紅い鳥居が立っていて、その奥に松の木に隠れるように祠がある。なかなか興味をそそられる岩だ。あとからネットでこの岩について調べようとしたが、岩の名前すら見つけることができなかった。現地には案内板か何かがあったかも知れないので、訪問時に確認しておけばよかった。

浦富海水浴場から見える岩

岩の上には鳥居と祠

この辺りの砂浜は海水浴場になっていて浦富海岸の一部。せっかく立ち寄ったので周辺を散策してみる。まずは砂浜の脇の岩場の上にある荒砂神社へ。境内まで続く石段の両脇にずらりと石灯籠が並び、その途中には草が生い茂った門があり印象的。境内まで上がるとさらに未舗装の細道が続いていたが、危ないのか立ち入り禁止になっていた。境内は木々に囲まれていて外の景色はほとんど見えず。

気持ちのいい青空

荒砂神社

荒砂神社の石段を下りて砂浜に戻り、今度は砂浜脇から海岸の岩場へと続く遊歩道を進んでいく。足場がゴツゴツとした岩場の遊歩道を歩き、その先の階段を上って行くと見晴台が。見晴台からは鳥居と祠のある岩を見下ろす事ができるが、砂浜からの眺めとは全く違う形になっていて、祠は松の木に完全に隠れて鳥居だけが見える。

岩場の遊歩道

見晴台

見晴台から眺める岩

鳥居だけが見える

見晴台からさらに道は続いていて、行き先表示には荒砂神社と書かれてある。神社の境内から先が立ち入り禁止になっていた道と繋がっていると思われ。なので見晴台で引き返す。ふと岩が目に付いて立ち寄ってみた場所だが、なかなかいい場所だった。

浦富海水浴場から日本海寄りの国道を東に進む。鳥取砂丘からここまで車を運転してきて気づいた事がある。鳥取県は車の運転が比較的穏やかだなと。スピードは控えめで車間は広め、右左折時はちゃんと手前からウインカーを出して十分減速している。なので自分も運転が丁寧になり気分良くドライブができる。これならきっと交通事故も少ないのだろうと、交通事故発生件数・発生率を少し調べたところ、やはり鳥取県は最下位クラスだった。これまでに日本各地を車で運転してきたが、運転マナーも地域によってだいぶ差がある。現在自分が住んでいる広島県は、地元の東京と比べても明らかに運転マナーが悪く、イライラさせられることが多い。広島県は瀬戸内海に面していてドライブ・サイクリングスポットとなる島々が多数ありいい場所だが、運転マナーの悪さにはかなり不満を感じている(あとカープとお好み焼きに異常な執着があることとか…)。広島県民は鳥取県を見習って欲しい…

国道を進んで鳥取県から兵庫県に入る。次は田井浜海岸という場所に立ち寄る予定だったが、浦富海岸の探勝路散策と海水浴場で予定より時間を押しているため、田井浜海岸はパスして次の目的地の余部橋梁へ向かう。もう十分海岸は楽しんだ。今回は旅行計画書も道路地図も忘れてきてしまったが、計画内容はほぼ頭に入っていたのでここまでは問題なし。細かい情報はスマホで検索すれば出てくるので本当に助かる。自分が携帯電話をガラケーからスマホに替えたのは2016年末と随分遅かったが、今回のような状況になってスマホの必要性を実感。ただ、あくまでも事前に綿密な計画を立てて頭に入れておいたからこそ、スマホでそれらを引き出してスムーズな旅ができている訳で、一切計画を立てずにスマホで検索しながら旅行をするのでは効率が悪すぎて時間を無駄にするだけ。やはり旅行は事前の計画が大切。

余部橋梁

(あまるべきょうりょう:兵庫県香美町)

余部橋梁に11:00到着。ここは道の駅になっていて、多くの観光客で賑わい駐車場は満車。ここまで静かな海岸散策と快適なドライブを楽しんでいたので、いきなりの混雑具合に気後れしそうになる。三連休の中日であることをすっかり忘れていた。

道の駅あまるべ

旧余部橋梁の一部

ここには元々高さ41.5m、長さ309mもある鉄道の鉄橋が架けられていた場所で、過去に突風で列車が落下する大惨事が起きた事でも有名な場所。海沿いの集落からそびえる何本もの鉄骨橋脚が印象的な光景で、機会があれば一度訪れてみたと思っていた。しかし2010年に鉄橋は解体され、コンクリート製の橋に代わっていることを旅行計画時に知ってガッカリ。今思えば2001年におこなった日本一周旅行で立ち寄っておけばよかった。日本一周旅行記を確認してみると、この辺りは夜遅い時間に通過していると思われ鉄橋には気づかなかった。もったいない事をした…

一部残された橋脚

エレベーター付きの駅がある

現在運用されている橋の下には、鉄橋の橋脚が一部残されている。それと橋の上にはJRの駅があり、駅の隣にだけ鉄橋が残されている。しかし僅かに残された鉄橋の隣にくっつく様に現行の橋と駅のホームが並んでいるので、当時の雰囲気を感じ取ることは難しい。やはり鉄橋が解体される前に訪れたかった。

ホームの隣にある旧鉄橋

JR余部駅

見晴台から眺める風景

トンネル手前で元の線路位置に修正

駅のホームと反対側にある高台には、橋と周囲の景色を一望できる見晴台がある。現行の橋は、駅から向かいのトンネルまで直線だった旧鉄橋の隣に架けられたため、トンネル手前で線路の位置が修正されている。トンネル入口は古さを感じるレンガ造りで昔のままのよう。この橋を列車が通るところを撮影したいと思ったが、周囲の観光客の話によると暫く来ないらしいので道の駅へ戻る。道の駅の隣には鉄橋グッズが展示された小屋が建っているので中を覗いてみるも、鉄道マニアでも鉄橋マニアでもない自分には特に見るものは無かった。

鉄橋グッズがある小屋

小屋の中

時間は12:00を回るところで、空腹になってきたので道の駅にある食堂で昼食にしようと思ったのだが、食堂も売店も観光客で混雑していたため諦める。まぁ車中泊の一人旅なので食事など後回しでいい、空腹に耐えられる限りは…

余部埼灯台

(あまるべざきとうだい:兵庫県香美町)

道の駅あまるべにある周辺観光案内図を見て、道の駅から少し山道を上った所に灯台があることを知り何となく行ってみたくなる。これでさらに時間を押すことになるが、以降の観光地は主に海岸。浦富海岸で十分海岸風景は満喫したのであまり時間を気にせず旅を楽しむ事にした。道の駅あまるべを出て海岸沿いの曲がりくねった細道を上っていく。

灯台へ続く道

道の途中からの眺め

対向車とすれ違うには困難な場所が多い細道だが、マイナーな道のようで対向車は全然来ない。海沿いでも道路脇には木々が生い茂っていて、海を眺望できる場所は少ない。先の見通しが悪く、ハンドル操作が多くスピードも出せないこのような道は疲れるので正直あまり走りたくない。若い頃はこういう道が好きだったのに…

道の途中からの眺め

遠くの景色をズーム

のろのろと5kmほど山道をのぼってようやく灯台に到着。灯台の外観は期待したものよりも小ぶりで質素なものなっだ。まぁいいさ、それよりもこの高台からの眺めはと周囲を見回すが、灯台の周りは木が茂っていて海を眺められるのは狭い1ヵ所だけ。しかも風景というほどの眺めでもなかった。まぁ計画に無い行動をするとこういうこともある

余部埼灯台

海が見えるのはここだけ

岡見公園

(おかみこうえん:兵庫県香美町)

スマホで次の目的地の今子浦までのルートを確認していたところ、途中に岡見公園という景色の良さそうな場所があるので軽く立ち寄ることに。印象的な石灯籠が立つ高台からは周囲の景色を一望。いい眺めではあるが、ここまでに沢山の海岸風景を見てきたので特に印象的な眺めには感じず。ここは日本の夕陽百選に選ばれているらしい。

岡見公園の高台

高台からの眺め

公園の西隣には柱状節理という「船隠し」的な岩の割れ目があるのだが、海岸の断崖上にある公園からは割れ目が見えない。なので斜面を下って海岸まで下りようと試みたのだが、一応道のようになっている斜面の足場は非常に悪く危険を感じ、仕方なく途中で引き返す。その時下の岩場で釣りをしていた数人の子供達が斜面をサクサク登って来たのを見て、自分はもう若くないんだなと改めて痛感。

この先に海岸を見下ろす斜面がある

ここからだと割れ目の端しか見えない

公園の駐車場に停めた車に戻ると、車内のフロントガラス右下にバッタがいることに気づく。いつ侵入したのか…捕まえようとするも車内を跳ね回ってなかなか捕まえられず大苦戦。手で捕らえるのは難しい(勢いつけてバッタを潰す恐れがあり)と判断し、ドリンクホルダーにあったカップコーヒーのカップで何とか捕獲。車内に虫が侵入すると本当に厄介だ。害虫ではないだけよかった。以前車の運転中に窓から大きな蜂が侵入した時は危なかった。

バッタが車内に侵入!

今子浦

(いまごうら:兵庫県香美町)

寄り道した岡見公園から10分ほど車を走らせ今子浦に13:40到着。入り江になっている砂浜から特徴的な岩が見えたので、近くまで行ってみようと砂浜の奥へ進んでいくと、千畳敷と呼ばれる広い岩礁に出る。特徴的な岩は亀が甲羅から頭を出しているように見え、名前はきっと「亀島」だろうなどと思ったが全く違った。そもそもひとつの岩と見ていたのが間違いで、甲羅に見立てていた方が「黒島」、頭に見立てていた方が「かえる島」とう別々の島だということを、この旅行記HPを制作している時に知った。うん、確かにカエルに見える。しかしこの2つの岩を見た人の大半は「亀島」に見えているに違いない。

今子浦の砂浜

黒島の右手前にかえる島

但馬赤壁

黒島とかえる島の右手には、但馬赤壁(たじませきへき)という岩壁がある。岩壁の隣には、元々ひとつだった岩壁から分離したような岩がそびえている。岩の裂け目のようになったすき間が海面に映りこんで印象的。但馬赤壁という名前からして岩壁が夕陽で赤色に染まるのをイメージしたが、そうではなく中国の三国志に出てくる戦場から取った名前らしい。

展望台へ向かう

大引の鼻展望台

千畳敷の次は砂浜から続く遊歩道を歩いて大引の鼻展望台へ。展望台の東側には切り立った岩壁があり、洞門がいくつかあるようにも見える。西側には大小の岩が海に浮いている風景。岡見公園と同じくここも日本の夕陽百選に選ばれているらしい。ところで日本の夕陽百選は何を基準にしているのだろう。景色が良く綺麗な夕日を見られる場所はいくらでもある気がする。

大引の鼻展望台からの眺め

大引の鼻展望台から東側の眺め

大引の鼻展望台から西側の眺め

大引の鼻展望台は眺めも良く、とても落ち着く雰囲気の展望台で気に入った。舗装された遊歩道を砂浜から歩いて5分程度という気軽さもある。それでも自分が訪れた時に見かけた他の訪問客は2組だけ。ここまでは景色がよく観光客は少ない場所を中心に観光してきたので、のんびりとした気分で旅を楽しめている。ただ、余部橋梁からの空腹感が増す一方、ここまでの移動中に食事処もコンビにも目に付かず。一人旅では食事にあまり関心が無いとはいえ、空腹がきつくなると旅を十分に楽しめない。とりあえず自販機で買った炭酸ジュースで空腹をごまかす。