トップページ

その2  1日目昼〜夜

 

蝙蝠の滝

(こうもりのたき:大分県豊後大野市)

大分県豊後大野市の三つのナイアガラ観光の最後は、最もマイナーな蝙蝠の滝。原尻の滝から約3km車を走らせたところで道幅の狭い横道に入り、登り坂を進んで滝を眺められる展望所を目指す。そして道は途中から狭小道路に。前回の車中泊旅行ではうんざりするほど四国山間部の狭小道路を走って神経を擦り減らされたので、今回は極力面倒な狭小道路は走りたくなかったが、蝙蝠の滝展望所までの細道は1km程度なので特に気にしていなかった。しかし実際は四国の酷道・険道を遥かに上回るとんでもない道だった。

車ギリギリ1台分の幅しか無い農道(復路で撮影)

もはや車で通る道ではない(復路で撮影)

道は途中から普通車がギリギリ1台通れるだけの農道になり、微妙なアップダウンとカーブの連続でバックで引き返すのも困難に。これは軽自動車でも躊躇する激狭道路。車で入ってしまった事を後悔するも、引き返すわけにも行かず仕方なく車を進める。途中に離合スペースも無く、こんな農道で対向車が来たら一体どうすればいいのだろうかと、考えただけで戦慄が走る。途中で舗装路と未舗装路に分かれるY字路があり、展望所への道は未舗装路の方。危うく間違って舗装路の方へ進むところだった。こんな激狭農道で道を間違えたら絶望しかない。展望所へ続く未舗装路も激狭な上ボコボコの悪路で、徐行運転で慎重に進む。車の底を擦ったりバンパー下を引っ掛けて割るんじゃないかと心配するほどボコボコした悪路。もはや車で通る道ではない。

激狭悪路を徐行運転(復路で撮影)

蝙蝠の滝展望所

ネットの情報から蝙蝠の滝展望所までの道が狭い事は知っていたが、Googleマップストリートビューの表示が無い道路なので詳細までは分からなかった。しかしまさかこんな酷い道だとは想像もしなかった。幸いにも対向車が来る事も無く、車を傷つける事も無く蝙蝠の滝展望所にたどり着くことができた。始めからこんな道だと知っていたら何処かに車を停めて歩いていた。ちなみに、農道の写真はいずれも復路を走行中に撮ったもの。往路ではずっと戦慄状態だったので、写真を撮る余裕など無かった。

展望所はただの空き地のような場所で、蝙蝠の滝についての案内板がふたつ設置されている以外は何も無い。奥に細長い敷地でそこそこの広さがあるが、展望所で車を方向転換する必要がある事を考えると駐車できるのは4台程度かと。蝙蝠の滝は展望所から100mほど先に小さく見える。森林に囲まれた場所にあり、少し秘境っぽい雰囲気。少々遠景ながらも滝の眺めは十分に良いが、欲を言えばもっと近くから眺めたいところ。

展望所から眺める蝙蝠の滝

この辺りを逆さにして→

こういう事かな?

展望所にある説明文によれば、蝙蝠の滝は高さ10m、幅120mの馬蹄形の絶壁を流れる滝で、上空から見るとコウモリが羽を広げたように見えることからこの名前が付いたとされている、との事。確かに、展望所からの眺めを逆さにしてみると、滝上部の岩場が羽を広げたコウモリのようにも見える。高さは10mとの事だが、展望所からの眺めはもっと落差の大きな滝にも見える。周囲に滝の大きさを比較するものがなく、水量が多く力強く流れ落ちている様子が大きく思わせるのかもしれない。高さはともかく幅は原尻の滝と同じく120mもあり、蝙蝠の滝もなかなか印象的で見応えのある滝。ナイアガラと言うには大げさ…などと野暮な事はもう言わない。大分県豊後大野市の三つのナイアガラはどれもいい。

時間には十分余裕があるので暫くボーっと滝を眺めていてもいいのだが、再び激狭農道を走らないといけない事で頭がいっぱいで、イマイチ滝見物に集中できない。復路も対向車無しで無事通過できるだろうか、展望所でのんびりしている間に他の車が農道に入ってタイミング悪く鉢合わせするんじゃないかと。往路で農道に入る直前に展望所から引き返してきた車とすれ違っているので、また別の観光客が来る可能性は十分ある。いくらマイナースポットとは言え、豊後大野市三大ナイアガラのひとつだし。そんな事を考えて不安が募り、展望所には10分程度しか留まれなかった。

滝の流れが一番多い場所

執念の自撮りっ

後から知った事だが、激狭農道の途中にあるY字路を舗装路側へ進んで行けば、滝の上流側の川に出て滝上部の岩場まで行けるらしい。事前にもっとしっかり情報収集をしておけばよかった。ともあれ、蝙蝠の滝観光は農道の手前で駐車して、展望台へ行くのも川まで下りるのも徒歩での移動がベスト。

沈堕の滝・原尻の滝・蝙蝠の滝と、大分県豊後大野市三つのナイアガラ観光は無事完了。旅行計画では1日目の観光はここまでで、後は豊後大野市の隣にある竹田市の温泉に立ち寄りのんびり入浴する予定でいた。しかし蝙蝠の滝の観光を終えたのは14:00過ぎで、観光を終えるにも入浴するにも時間が早過ぎる。疲れないよう時間に十分余裕のある旅行計画を立てたら、逆に時間をもてあそぶ結果になった。まぁ時間が足りなくて困るよりはいい。で、どうしようか少し悩んだ結果、翌日観光する阿蘇山へ向かい、旅行計画では2日目の終盤に立ち寄る予定でいた展望スポット2箇所を観光する事にした。時間は有効に使いたい。阿蘇山までの運転中に何度か印象的な風景が目に入ってきたが、直ぐに景色は流れてしまい車を停めて写真を撮る余裕も無く。サイクリングであれば何処でも直ぐに脚を止めることができるのに…などと思った。車は急に停まれない。

パーキング 展望台

(ぱーきんぐ てんぼうだい:熊本県高森町)

大分県豊後大野市から1時間ほど車を走らせ、阿蘇五岳(阿蘇山の中心にある五つの山)の南東側にある展望スポットに到着。と言っても、国道の山道にある名前の無いパーキング。Googleマップには「パーキング 展望台」とだけ記されている。阿蘇山の有名な展望スポットは阿蘇五岳より北側に集中しているので、北側以外の展望スポットを探して見つけた中のひとつがこのパーキング。今回の旅で一番の目的地は旅行記のタイトル通り、熊本県天草市河浦町ア津にある教会の見える展望台だが、観光のメインとなるのは阿蘇山の展望スポット巡り。

名も無いパーキング

阿蘇山一帯が国立公園

パーキングからは阿蘇カルデラの中心部に広がる阿蘇五岳を一望。無名の展望スポットにしてはいい眺めだと思う。視界は十分で遠くの景色がよく見える。眺めのいい遠景を見るには、日差しのある明るい天気に加えて視界の良さも必須条件。旅行中黄砂の影響で視界不良だった事は何度かあるが、今回は太平洋に浮く西ノ島の噴煙による視界不良の心配があったので、満足のいく天気と視界の両方に恵まれて本当によかった。

<< SCROLL    パーキングからの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

続いて阿蘇五岳の西南西側にある俵山峠展望所へ向かいつつ、給油のためガソリンスタンドに立ち寄り。自宅から約500km車を走らせてガソリン残量が1/3近くにまで減っていたので満タン給油。しかし給油後に運転を再開してから、燃料計が満タンではなく約1/2の表示になっている事に気付く。フルサービスのスタンドでスタッフに「満タン」と告げたが、聞き間違えられたのだろうか。それとも給油ノズルの不具合か何かで満タンに入らなかったのだろうか。いずれにせよ支払ったガソリン代は満タンに値する金額だった。あれこれ考えても理由が分からず、スタンドへ戻ろうか迷いつつ運転していると、燃料計の目盛りがひとつ増えた気が。もしや車の燃料計に問題があるのではと疑い、そのまま目的地へ向けて車を走らせていると思った通り少しずつ目盛りが上昇。猛暑のせいで燃料計センサーが一時的に不具合を起こしたのかもしれない。

俵山峠展望所

(たわらやまとうげてんぼうじょ:熊本県南阿蘇村)

「南阿蘇やすらぎロード」と言う県道の峠道を登り、途中にある俵山峠展望所に到着。ここからは阿蘇五岳の全景に加え、阿蘇カルデラの側壁である外輪山まで見渡す事ができる絶景。五岳と外輪山の間の平地に田畑や町が広がる様子もよく分かる。ちなみに”阿蘇山”とは火山活動で出来たカルデラ全体を指し、阿蘇五岳や外輪山全てを含めた総称。阿蘇山という単体の山があると思っている人や、カルデラである事を知らない人も結構いると思う。

俵山峠展望所

阿蘇山を一望

時間は16:30を過ぎていても太陽はまだ高く、夏らしい青空が広がっている。個人的に夏場の旅行の最大の利点は、日照時間が長く日没が遅いので観光時間を長く取れる事。夜は食事と入浴と睡眠以外することが無くなる車中泊旅には、日出が早く日没が遅い時期の方が基本的には向いている。まぁ夕景や夜景の方が映える風景もあるので、日没が早いと損をすると一概には言えないが。

<< SCROLL    俵山峠展望所からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

翌日は阿蘇山中心部と北側の展望スポットの観光が控えていて、この青空と視界良好な天気が続いてくれれば最高の景色を見られるだろうと気分が上がる。阿蘇山観光は今回が3度目で、2010年10月と2011年4月に行なった車中泊旅行でそれぞれいくつかの観光地を訪れているが、曇りがちだったり強風が吹いていたり視界不良だったりと、いずれも満足のいく条件下で観光できなかったので、尚更翌日の阿蘇山観光への期待が膨らむ。

印象的な地形の阿蘇五岳

天皇陛下御展望の地だって

扇坂展望所

(おうざかてんぼうじょ:熊本県西原村)

俵山峠展望所の駐車場から見える風車に目が留まり、峠道をさらに先へと進むといくつもの風車が姿を現す。風車群を眺めるのにいい場所はないかと運転を続け、そして見つけたのが扇坂展望所。こういうちょっとした探索と発見も旅の楽しみ方のひとつ。展望所からは山に建ち並ぶ風車と周囲の景色を一望。観光スポットと言うほどの場所ではなく何気ない風景だが、青空を背景に日差しを浴びた自然の風景は絵になる。

<< SCROLL    扇坂展望所からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

風車群は「阿蘇にしはらウインドファーム」という風力発電所のもので、10基の風車があり九州最大級の風力発電施設との事。昔から風車のある風景に魅力を感じているが、自然の中にある大きな人工物に強い存在感を覚えるからだろうか。ダムや灯台のある風景が好きなのも同じような理由だと思う。

風車のある風景が好きです

青い空と白い雲の眺めも好きです

それにしても、17:30を回ってもまだ日差しが強い。この暑さの中あと2日間いろいろと観光するのは結構しんどいぞと、改めて少し心配になる。十分覚悟はしていたが、やはり猛暑の盆休み中に車中泊旅行をするのは楽ではない。ただ、抜けるような青空をバックに夏の日差しを浴びた緑は鮮やかで、他の季節ではなかなか見られないコントラストの高い風景になっている。これは暑さに耐えて観光するに値する…と思う。

扇坂展望所で1日目の観光は終了。あとは夕食と入浴を済ませて寝るだけ。旅行計画時に阿蘇山にある日帰り入浴施設を複数件チェックしてあり、その中で扇坂展望所から近い入浴施設へ向けて車を走らせつつ、手頃な飯屋を探す。この日の食事は起床時に菓子パン、昼頃に車内でコンビニおにぎりと、ロクに食事をしていなかったので、夕食くらいはちゃんとした食事をしたいと考えていた。しかし道を進めど飯屋は見当たらず、入浴施設への道のりから外れて店を探すのも面倒で、結局通りがかったコンビニで弁当を購入。店内にイートインコーナーが無いので駐車場に停めた車の中で食事。旅先での夕食としては全くもってつまらない。

またコンビニ弁当…

…とは言え、前回の車中泊旅行の夕食もコンビニ弁当だったし、よくよく考えてみればこれまでの車中泊旅行で夕食がコンビニ弁当なのはしょっちゅうの事。基本的に自分の車中泊旅行スタイルはとにかく観光メインで、食事に時間を掛けるのは勿体無いという考え方だが、できれば夕食くらいは飯屋で食事をしたいとも思う。特に40歳を過ぎた中年にもなって旅行先での夕食がコンビニ弁当というのは、さすがにわびしさを感じる。狭い車内で1人食事をするのは尚更… まぁそれでも、観光優先食事は後回しというスタイルは今後もきっと変わらない。

南阿蘇村温泉センターウィナス

コンビニ弁当で心は満たされずとも腹は満たしたので、目的の温泉施設へ。施設内の露天風呂がぬるめで自分にはちょうど良く、1時間半近くのんびりと入浴。1日の汗と疲れを流してスッキリ、やはり旅先で温泉に入るのは最高だ。食事は極限まで簡素化できても入浴に関してはぞんざいな扱いにできない。旅の疲れを癒すには入浴が必要不可欠。湯に浸かって色々と考え事をしているうちに、心の疲れも洗い流してくれる。正に風呂は命の洗濯。

入浴後は温泉施設の閉館時間21:00まで館内で休憩し、外に出ると涼しいと感じるまでに気温は下がっていた。夕食の弁当と一緒に翌朝食べる朝食用の菓子パンも買っていたが、万が一就寝前や就寝中に空腹になり食べたら足りなくなるので、食料の買い足しをしておこうと再びコンビニへ。がしかし、すでにコンビニは営業終了していて店内は真っ暗になっていた。個人経営の商店や小規模チェーン店なら分かるが、ファミリーマートが21:00過ぎると閉まっている事には驚く。利用者の多くは観光客で夜間の来客はほとんどないのかも知れない。

入浴施設から数km車を運転して、車中泊をする「道の駅 あそ望の郷くぎの」に21:20到着。かなり広い駐車場にポツポツと車が停まっていて、空いた駐車スペースでバーベキューのような事をしているグループや、ちょっと騒いでいるグループがちらほら。近年こういうマナーのない車中泊旅行者が目立ち、車中泊禁止の道の駅やパーキングが増えているらしい。自称マナーのある車中泊旅行者としては迷惑な話だ。静かな方へ車を停め、車内にエアマットと寝袋を敷いて就寝の準備完了。歯を磨いたり何やかんやで22:00を回り、外はだいぶ涼しくなり、車の外気温計は26℃となっていたので寝苦しさは無いと思ったが、実際に寝袋に入ると明らかに暑い。なので寝袋を隅にどけてエアマットの上に寝転んでみるが、それでも車内は蒸し暑かった。

エアマットの上に寝る

このままでは寝付けないのでエアコンを点けて車内温度を十分に下げて、そして消す。エアコンを点けっ放しで寝るのはガソリンがもったいない。しかしエアコンを消すと眠りに就く前に車内温度は元に戻ってしまう。ならばと外気が車内に入るようドア4枚の窓を15cmくらい開けた状態に。あまりたくさん開けると悪戯されそうで不安だ。しかし少し窓を開けたくらいでは車内の蒸し暑さは引かず、再度就寝を試みるもやっぱり眠れず。マイカーの側に停まっているセダンはずっとエンジンが掛かっていて、エアコンを点けっぱなしで車中泊している様子。仕方ないので自分もエアコンを点けて寝ようかと迷っていたら、窓から涼しい微風が入るようになり、やがて車内の蒸し暑さは引いてやっと眠れるように。23:00頃に就寝。