トップページ

その3  2日目早朝〜朝

 

就寝中に何度か目を覚ますもいずれも直ぐ眠りに就き、5:30にスマホの目覚ましで起床。あまり熟睡していない気分だが、これまでの車中泊も熟睡した方が少ないので特に問題無い。早朝の阿蘇は涼しさを感じられる気温だが、湿気っぽい空気が肌に絡みつく。起床時間は日の出を狙ってのもの。日の出を眺めるのにいい場所を調べてまで見たいとは今回の旅では思わず、運良く車中泊する道の駅から見られればいいなぁ、という程度だった。そして日の出時刻を少し過ぎた頃に、阿蘇山東側外輪山の後ろから運良く朝日が顔を出す。

山陰から顔を出す朝日

朝日を浴びた道の駅 あそ望の郷くぎの

阿蘇からの朝日

おそらくこの辺りは何処から日の出を眺めても、阿蘇山東側外輪山の山陰から出る太陽になるだろうという事で、日の出スポットを調べなかった事への言い訳にする。旅行計画時に日の出スポットを調べる時もあるが、何故今回はその気にならなかったのだろうと改めて考えてみたら、日の出を眺める時の多くは車中泊地の周辺に海や湖などの水辺がある時だと気付いた。「早起きはSUN文の得」で掲載している日の出写真を見てみても、ほぼ全てが水辺から撮ったものになっている。水面があると光の柱が伸びたり朝日色に染まったりするので、いっそう印象的な日の出風景が見られる。

所々で朝靄

道の駅にいる牛さんもマスク

<< SCROLL    道の駅 あそ望の郷くぎのから6:00前の空模様 パノラマ写真180°    SCROLL >>

空は東側以外曇っていて、阿蘇五岳や外輪山に分厚い雲が引っ掛かっているような感じ。速い速度で西から東へと流れていく雲の様子がなかなか印象的で、曇り空ながらもいい眺め。これまでの経験上では、山に掛かる朝雲は日が高く昇る頃には大抵無くなり晴れているので、観光には支障が出ないだろうと楽観視。天気予報でも早朝まで曇りで8:00以降は晴れとなっている。という事で暫く道の駅で時間を潰して、雲が少し減ってきた7:00過ぎに道の駅を出発。

<< SCROLL    道の駅 あそ望の郷くぎのから7:00過ぎの空模様 パノラマ写真180°    SCROLL >>

阿蘇五岳が連なるエリアを南北に通る山岳道路の阿蘇パノラマラインへ向かいつつ、コンビニに立ち寄り食料を調達。阿蘇山観光中にのんびり食事をする気は無いし、空腹時にタイミング良く店があるとも限らない。男1人の車中泊旅、食事より観光優先に揺ぎは無い。7:30に阿蘇パノラマラインの南端から入り、北へ続くワインディングロードを走って阿蘇山の中心とも言える中岳へ向かう。道路は片側一車線で十分な道幅があり快走。

阿蘇パノラマラインを走る

阿蘇パノラマラインから眺める阿蘇外輪山

南の終点から入った阿蘇パノラマラインは、最初は樹林帯の中を通り外の景色はほとんど見えないが、樹林帯を抜け標高が上がっていくと開けた景色が見えるようになる。時々見える阿蘇外輪山や広い草原風景の眺めがとてもいい。阿蘇パノラマラインは道路も景色もいい山岳道路。

<< SCROLL    阿蘇パノラマラインの途中にある草原 パノラマ写真180°    SCROLL >>

行く手が雲に覆われ真っ白に

阿蘇パノラマラインを北へ進むにつれ、行く手の曇り具合はどんどん悪くなって行き、やがて北側の景色全部が雲に隠れて何も見えなくなってしまった。雲の流れが非常に速く、たまに雲の切れ間から青空や山がチラ見えする程度。対して南側は青空が広がり広大な風景を見せている。どうやら阿蘇山中心部の阿蘇五岳に集中的に雲が集まっている様子。今回こそは文句無しの天気と視界条件の下で阿蘇観光が出来そうだと期待していただけに、大きな不安がよぎる。

<< SCROLL    阿蘇パノラマラインから眺める南側の眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

途中で阿蘇五岳のひとつの鳥帽子岳(えぼしだけ)が見え始める。山の大半が雲に隠れて全容は見えないが、部分的に見える山肌の様子が印象的。烏帽子岳を覆い隠す雲が恨めしい。阿蘇パノラマラインを南端から約12km走り、パノラマラインのほぼ中間まで進んだところでT字路に突き当たり、中岳がある方へ右折。そして中岳の玄関口である阿蘇山上広場に8:00到着。

雲間から見える鳥帽子岳の山肌

阿蘇山上広場

(あそさんじょうひろば:熊本県阿蘇市)

阿蘇山上広場から見る中岳

阿蘇五岳の中で現在も火山活動を続けている中岳は、活動中の火口を見物できる貴重な観光スポット。阿蘇山上広場には中岳火口まで登れる道路の入口とロープウェイの駅がある。広い敷地は駐車場になっていて、直ぐ目の前に標高1506mの中岳がある。有名な観光スポットの玄関口ながらも、自分が駐車場に着いた時は車とオートバイ合わせて5台もいなかった。まだ時間が早いにしても観光客が全然いないのは何故か。それは中岳火口の火山活動活発化による噴火警報が発令されていて、火口から半径1km以内が立ち入り禁止だから。

中岳火口半径1km以内が立ち入り禁止

火口手前まで続く道路も通行止め

阿蘇中岳の火山活動については事前に知っていて、レベル2の噴火警報発令中で中岳火口の観光が出来ない事も承知していた。中岳は初めて阿蘇山を訪れた2010年10月に一度観光している(大分の原尻の滝も同日に初観光している)ので、今回は観光できずとも構わなかった。個人的に中岳火口観光は一度で十分。それよりも旅行当日に噴火活動がさらに活発化し、噴火警報レベルが上がって阿蘇パノラマラインが通行止めにならないか心配だった。そうなったら阿蘇中心部の観光ができなくなってしまう。

2010年10月撮影の中岳火口

火口から半径1km以内が立入禁止なので、当然中岳火口までの道路は通行止め。ロープウェイも動いていなかった。ただ、ロープウェイは2016年の熊本地震やその半年後の中岳噴火で被災し、再建を目指すも火山活動が長引き長期間営業休止状態が続いた末、再建を諦め廃止になったとの事。火山活動現役中の火口を観光地にするのはなかなか大変な事だ。

烏帽子岳がよく見える場所へ移動

草千里ヶ浜へ続く阿蘇パノラマライン

阿蘇山上広場を挟んで中岳の反対には烏帽子岳があり、広場から続く草地の遊歩道に入り烏帽子岳がよく見える場所まで歩く。烏帽子岳の隣には平地に延びる阿蘇パノラマラインがあり、道路の直ぐ上まで雲が下りている様子が何だか印象的。そして標高1337mの烏帽子岳はほぼ全景が見えるまでになっていた。山の輪郭をぼかすように山上に雲が掛かっている様子が、自然の雄大さを感じさせる風景になっていて印象的。景色や日差しを隠してしまう雲は困るが、風景の良いアクセントになる雲はウェルカム。

<< SCROLL    阿蘇山上広場付近から眺める烏帽子岳 パノラマ写真180°    SCROLL >>

烏帽子岳の反対を振り向けば、中岳に掛かっていた雲もだいぶ引いて山頂部の輪郭が見えるようになり、山頂にある展望台まで見える。前述の通り中岳火口を見物できない事に悔いは無いが、名スポットが目の前にあるのに観光出来ないのは、やはり少し惜しい気分でもあるのが正直なところ。

雲が引きつつある中岳

中岳山頂の展望台

阿蘇山上広場まで戻り、今度はこの後向かう草千里ヶ浜まで続く遊歩道に入る。雄大かつのどかな自然の中、他の観光客の姿は無く自分1人だけ。すでに日差しは強いが涼しい風が出ていて気持ちいい。何とも清々しい気分。このまま草千里ヶ浜までのんびり歩いて行きたい気分になったが、車を取りに阿蘇山上広場へ引き返すのが面倒だし時間の消費も大きいので止めた。

草千里ヶ浜へ続く遊歩道の入口

清々しい気分だー

<< SCROLL    草千里ヶ浜へ続く遊歩道からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

阿蘇パノラマラインに入ってから心配だった曇天模様は、阿蘇山上広場を出る8:30過ぎには抜けるような青空が広がる快晴となり、雲は周囲の山の上に多少残る程度に。やはり自分の読み通り、早朝は曇天でも日が昇るにつれ晴れに転じた。多くの車中泊旅経験が山の天気を読める男にした、なんてね。

草千里ヶ浜

(くさせんりがはま:熊本県阿蘇市)

阿蘇山上広場から引き続き阿蘇パノラマラインを進み、阿蘇山の代表的な観光スポットの草千里ヶ浜へ。展望所がある丘のパーキングに車を停めるつもりでいたが満車だったので、仕方なく丘の下にある有料駐車場(普通車500円)へ。草千里ヶ浜の目の前にあるかなり広い駐車場で、レストランやら物産館やらが入ったレストハウスが三軒も並んでいて、さらに阿蘇火山博物館なる建物もある。自分はグルメにも土産物にも博物館にも関心が無いので、車を下りて直ぐに草千里ヶ浜へ。

<< SCROLL    駐車場前から眺める草千里ヶ浜 パノラマ写真180°    SCROLL >>

草千里ヶ浜は阿蘇五岳の烏帽子岳の前に広がる平地の草原。期待通り抜けるような青空が広がる天気になり、夏の日差しを浴びて青々とした緑の広がる草原風景が気持ちいい。草千里ヶ浜を訪れるのはこれが三度目。2010年10月の初訪時は冴えない曇り空と霞んだ視界のせいで、見栄えしない残念な眺めだった。2011年4月の再訪時は烏帽子岳と草千里ヶ浜が野焼きされた後のようで、緑が全く無く風景のコントラストが弱くて印象の薄い眺めだった。今回三度目の正直でやっと最高の風景を眺めることができた。

2010年10月に撮影

2011年4月に撮影

草千里ヶ浜の観光は高台から景色を眺める程度のつもりだったが、あまりに気持ちのいい草原風景なので軽く歩く事に。草千里ヶ浜の草原内に足を踏み入れるのは今回が初めて。草原の中を通る道に入るには引き馬乗り場を通過していく。草千里ヶ浜初訪時はここで乗馬体験をしようか迷った(以前から乗馬に興味があった)が、天気が良くないし手を怪我していた事もあり止めた。あれから10年経っても未だに乗馬未経験だが今回も止めておく。一周約5分の短いコースしかなく(それで1500円!)、馬は草原の上に敷かれたゴムマットの上をちょろっと歩くだけなので物足りない。引き馬だし草千里ヶ浜の乗馬体験は子供向けと思われ。

引き馬乗り場を通過

草原の道を歩く

草原に延びる道は草千里ヶ浜をぐるっと一周するハイキングコースになっているが、全部歩くのは面倒だし時間を食うので途中で足を止め、草千里ヶ浜のほぼ中央にある駒立山という小高い丘の上へ登る。今回の車中泊旅行は山登り無し、未舗装の道を歩くのも無し、長時間歩くのも無しの予定だったので、かなりラフな靴を履いてきてしまった。まぁ草地を少し歩くだけなら大丈夫だろうと、車の中に常駐させてあるアウトドアシューズには履き替えず。帰宅後に靴二足分手入れするのも面倒だし…これが一番の理由。

通勤用の夏靴で来ちゃった

<< SCROLL    駒立山から眺める草千里ヶ浜 パノラマ写真360°    SCROLL >>

駒立山の上からは草千里ヶ浜を360°見渡すことができ、阿蘇五岳のうち三つの山も見える。北側に標高1321mの杵島岳(きしまだけ)、東側に標高1506mの中岳、そして南側に標高1337mの烏帽子岳が目の前にある。中岳周辺は雲ひとつ無くなり、噴火活動による白い噴煙が上がっている様子がよく分かる。

杵島岳

中岳火口から上がる噴煙

烏帽子岳

池?水溜り?

暫く駒立山からの景色を堪能してから、今度は有料駐車場の隣にある丘(最初に車を停めようとした所)の展望所へ向かう。車で移動した方が楽だがまた満車の可能性があるので、有料駐車場から展望所まで続く遊歩道を歩く。草千里ヶ浜は大して歩いていないので体力的には余裕なはずだが、暑さのせいか上り道を歩くのがしんどい。

丘の上の展望所へ

比較的新しい展望デッキ

丘の上にある長い展望デッキは真新しい感じで、過去二度の草千里ヶ浜訪問時には確か無かった。展望デッキからは草千里ヶ浜の全景と周囲の景色を一望できる絶景。旅をスタートしてからここまでの間に見てきた風景で一番印象的な眺め、と思うくらいに素晴らしいパノラマ風景。日本にもこんなダイナミックな風景があるんだなぁ〜と感心してしまう。ここからの景色を見て今回阿蘇山を再々訪して本当に良かったと、好天と好視界に恵まれて本当に良かったと思った。

<< SCROLL    展望デッキから眺める草千里ヶ浜 パノラマ写真180°    SCROLL >>

展望デッキからは杵島岳やこの後向かう米塚、さらに北〜西にかけて連なる阿蘇外輪山まで見渡すことができる。本当にここは絶好の展望スポットだ。

杵島岳

米塚

阿蘇山北西側の外輪山

西側には前日に訪れた風力発電所の風車群や、更にその先に広がる街並みまで見える。これまでの車中泊旅行経験の中でも、ここまで視界が良好だった事はそう多くない。真夏という時期が好視界に関係しているのか分からないが、うだるような暑さにうんざりする事を覚悟で旅行決行したのは正解だった。

西側の眺め

前日に立ち寄った風車群

展望デッキから100mほど離れたところにパーキングがあり、ここが元からある展望スポットの草千里展望所。草千里ヶ浜の眺めは展望デッキの方とあまり変わらない。展望所の外れには石積みの何かが建っている。モニュメント的なものだろうか。以前は道路を挟んだ向かいにも展望所を兼ねたパーキングがあったが、工事中で更地になっていた。4年前の熊本地震で被害を受けたのだろうか。2016年4月に起きた熊本地震で阿蘇パノラマラインは大きな被害を受けたらしく、2018年4月に全面復旧している。

草千里展望所

草千里展望所にある石積み

草千里展望所や杵島岳から気軽に景色を楽しむのもいいが、草千里ヶ浜を周るハイキングコースや烏帽子岳や杵島岳の登山コースを歩くのも楽しそう。別の機会で今回と同じような絶好の観光日和にそれらのコースを歩いてみたいところだが、自宅から阿蘇までが遠い道のりなのでそう簡単にはいかない。阿蘇がもっと自宅から身近な場所にあればよかったのにと思う。

<< SCROLL    草千里展望所から眺める草千里ヶ浜 パノラマ写真180°    SCROLL >>

これ以上日差しの下にいるのは辛いと思ったところで時間を確認すると、草千里ヶ浜に着いてから1時間以上経っていた。旅行2日目も10:00前には猛暑の厳しい暑さに。前日の原尻の滝観光でも感じたが、炎天下での連続屋外滞在時間は1時間がいい所だと思った。草千里ヶ浜観光は十分満足したので有料駐車場に戻り、自販機で飲み物を買って日陰で少し休憩。十分な水分補給と適度な休憩を怠ると本当に熱中症になりそう…やはり真夏の旅行は楽じゃない。