トップページ

その6  3日目朝〜昼前

 

一応日の出時間に合わせて5:40起床。夜中の2:00頃に目が覚めた時にエアコンを消して、以降は暑さによる寝苦しさも無く起床までぐっすり眠れたが、早朝からジメジメとした湿気で寝覚めはスッキリしない。真夏の車中泊旅行は猛暑と高湿度との闘いだ。しかし天気と視界が良ければ夏ならではの青々とした緑の風景を満喫することができる。暑さによる疲労や不便、盆休み中の人の多さを覚悟で出掛けるか、それとも面倒は避けて真夏の外出は控えるか、難しいところだ。

一応見られた日の出風景

道の駅の前にある海岸沿いの道路に出ると、少し離れた木々の陰から朝日が顔を出し始めた。朝日に照らされて輪郭がくっきり浮かび上がっていく遠くの山々が印象的。日の出見物にいい場所を探しておけばよかったと少し後悔。まぁいいさ、今回の車中泊旅行では大分県豊後大野市の三滝や阿蘇五岳の絶景を思う存分見られたのだから。

朝日を暫く眺める

日焼け対策を怠った結果がこれ

道の駅のトイレの鏡に映った自分を見て、額と首周りがだいぶ日焼けしている事に気付かされる。特に首周りが酷い…元々肌が色白で日焼けしやすい体質なのかもしれないが、とにかく真夏に外出する時はしっかり日焼け対策をしないといけないと反省。そしてどうやら旅行3日目も快晴。旅行期間中ずっと快晴というのは本来喜ぶべき事だが、また1日猛暑に耐えて観光しなければならないと考えると憂鬱になる。しかし旅行3日目の最終目的地こそ今回の旅の真の目的地。という事で、気を持ち直して道の駅を出発。熊本県天草市の彼の地、崎津の”教会の見える展望公園”を目指す。道の駅不知火から崎津までは約100kmの道のりで、はるばる広島から熊本県西部まで走って来たという事もあり、いくつかの観光スポットに立ち寄りながら崎津へ向かう。

海のピラミッド

(うみのぴらみっど:熊本県宇城市)

道の駅不知火から宇土半島の先端まで進み、三角東港(みすみひがしこう)にあるフェリーターミナルに立ち寄り。通称「海のピラミッド」と呼ばれる円錐形のターミナルで、頂上部が展望台になっている。旅行計画時にこれを見つけた時はあまり関心が向かず観光するつもりも無かったが、車を運転していたら三角港の案内標識が目に留まり、ふと気が向いた。三角港だから三角の形にした安易な発想の建物だろうと粗雑な印象を持っていたが、実物は思った以上に立派な建物だった。

三角港フェリーターミナル

巻貝がモチーフ?

内階段から下を見下ろす

海のピラミッドは屋内外両方に螺旋の通路がある独特な造り。外観は巻貝にも見える。フェリーターミナルと言うことで、中は待合所で売店などがあるのかと思ったが、一切何も無く寂しい印象。新型コロナウイルス感染拡大により、フェリー利用者や観光客が減少してそれが影響しているのかもしれない。

上まで登る

海のピラミッドからの眺め

海のピラミッドからの眺め

海のピラミッド頂上からは360度のパノラマ風景を眺望。特別印象的な風景が広がっている訳ではないが、影の伸びた朝の風景を眺めるのもいいものだと思った。ただ、まもなく7:00という時間で既に厳しい日差しがジリジリと照りつけ、日焼けした首周りに染みる。今日も暑さの厳しい1日が始まると、再度憂鬱になる。しかしそれでも先へ進まなければならない。

海のピラミッドの影

天門橋展望所

(てんもんきょうてんぼうじょ:熊本県上天草市)

宇土半島の先端から橋を渡って上天草市の大矢野島に入り、道路沿いにある天門橋展望所についでに立ち寄り。展望所から見て右側の橋が渡ってきた天門橋「1号橋」で、左側の橋が新しく造られたバイパス道路の「新1号橋」との事。展望所からの眺めは、2つの橋が奥から手前に向かって「ハ」の字型に大きく広がっているように見えるが、地図で確認するとそれほど広がっていなかった。

天門橋展望所からの眺め

橋のある風景が好きな自分としてはなかなかいい眺めだと思うが、海が周囲の木々に隠れてあまり見えないところは減点。瀬戸内海で橋のある風景を沢山見ているので評価基準は厳しい。熊本県の上天草市と天草市を中心に大小複数の島々が点在し、その天草諸島のうちのいくつかの島が5つの橋で繋がれていて、天草五橋と呼ばれている。天門橋1号と新1号は天草橋のひとつ目。

冷却パックを購入

橋を眺めるためにちょっと車から出ただけでも、日焼けした首に日差しが当って痛い。これでは先が思いやられる。日焼けに効く薬でも買いたいところだが、時間はまだ7:30でドラッグストアなどは開いていないだろうし、そのような店が開く時間にはそのような店が無さそうな場所まで進んでいる。ならばせめて首周りを冷やせるものは無いかとコンビニに寄って見つけたのが、握るだけで冷える冷却パック。こんな便利なものが存在しているとは知らなかった。冷却効果の持続時間が記載されていないのが気になるも、138円とお手頃価格なので試しに購入。

千巌山展望台

(せんがんざんてんぼうだい:熊本県上天草市)

大矢野島を北から南へ縦断し、3つの小さな島を4つの橋を渡って越え、東西で上天草市と天草市に分かれる上島(かみしま)に入る。そして上島の北東部にある千巌山へ。少々道幅の狭い山道を車で上って行き、山頂より少し下の駐車場に車を停める。駐車場にある案内図によれば、駐車場から展望台までは320mの道のり。駐車場から展望台までも舗装された道路が整備されているが、その区間を車で通れるのは身障者のみ。

駐車場から歩きで展望台へ

草木に埋もれた遊具

ここでコンビニで買ったヒヤロンを使用。パックを一度強く握っただけで結構な冷たさになった。首の後ろとシャツの襟の間に挟んでうまく固定。これ最高に気持ちいい!千巌山に着いてから太陽は雲に隠れて直射日光を浴びずに済むのも助かる。駐車場から歩いて行く途中で、山の斜面に草木に埋もれた長い滑り台を発見。以前は家族連れなど多くの地元民や観光客が訪れたが、現在は寂れてマイナースポットになってしまった…と勝手に想像。車で山道に入る時から何となくマイナースポット感があった。

千巌山展望台

ヒヤロン長持ちしなかったよ

駐車場から歩いて10分もせずに千巌山展望台に到着。コンクリート造りの展望台は古さを感じ、流行が過ぎて人が訪れなくなったマイナースポット感が漂う。いや、たまたま自分が訪れた時は誰も人がいなかっただけで、本当はそれなりに観光客が訪れる場所なのかもしれない。何かとネガティブな方向へ物事を考えてしまう性格なので仕方ない。そしてヒヤロンは展望台に着くと冷却効果をほぼ失っていた。冷却持続時間は10分弱と言ったところか。値段が値段なので仕方ないが、せめて30分くらい持続して欲しかった。

<< SCROLL    千巌山展望台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

千巌山展望台からは北側の風景を一望。天草諸島の多島風景を眺望でき、天草五湖のいくつかも見える。なかなかいい展望スポットだと思う。ただ、多島風景や島と島が橋で繋がれた風景は身近な瀬戸内海にいくらでもあり、普段のサイクリングで目にしているので新鮮味は無い。瀬戸内海の多島風景は日本一だと思う。

天草五橋のひとつ

天門橋1号と新1号がきれいに重なって見える

千巌山を下りたら上島北岸沿いの道路を東から西へと進む。車窓に広がる綺麗な海岸線風景は見ていて和むが、正直なところ景色を眺めるのに少し飽きてしまった。それに加え車外に出て日差しを浴びたくないという事もあり、車を停めて写真を撮ることも無く淡々と運転を続ける。真夏の炎天下での旅行は楽ではないと、再三身を持って痛感。上島の西端まで進んだところでまた橋を渡って、熊本県の西端にあり熊本県で一番大きな島の下島(しもしま)に入る。そして下島の海岸線沿いを延びる国道を反時計回りに進み、最終目的地の崎津へ向かう。

亀島

(かめしま:熊本県天草市)

下島北端の東側にある亀島は、干潮時に砂浜を歩いて渡れる小さな離島。周囲約1.5kmの無人島で、キャンプ場があったりするらしい。亀島の前を通った時に干潮だったら島まで歩いてみようと考えていたが、タイミング良く干潮で砂浜の道ができていた。

<< SCROLL    若宮海岸から眺める亀島 パノラマ写真180°    SCROLL >>

とりあえず、亀島が目の前にある若宮海岸まで下りる。空も海もこれでもかと言うほどに青く明るく、砂浜周辺の海水は透明度が高く本当に気持ちのいい海岸風景。海水浴をしたりビーチでのんびり過ごすのにいい場所だ。ただ、とてつもなく暑い。時間は9:00を回っているが、あまりに暑いからか人の姿は海水浴をしている親子1組だけ。旅行3日目で猛暑にうんざりしている自分には、容赦なく降り注ぐ日差しに攻撃されている気分。そして海岸から亀島までは結構離れているように見え(実際は400m離れているらしい)、この炎天下の中砂浜を歩いて無人島を散策する気にもなれず。という事で、干潮なのに勿体無いが亀島へ渡るのはヤメ。いい風景を見られただけでも良しとする。

おっぱい岩

(おっぱいいわ:熊本県苓北町)

案内板の上におっぱい岩のレプリカ

下島北岸の「おっぱい岩」がある海岸にも立ち寄り。名前の通りおっぱいの形をした岩がある。そんな岩を見逃すわけにはいかないと、ここでは暑いのを我慢してしっかり観光。おっぱい岩は干潮時でないと見られないが、ここでも運良く干潮。今回の旅は天候と視界に加えて潮位まで自分に味方しているようだ。あまりに強すぎる日差しにはイジメられっ放しだが…

案内板から見渡す海岸

傾斜した地層が特徴的

漁港内にある駐車場の隅におっぱい岩の案内板があり、おっぱい岩は大小2つあると知る。これは是非とも両方見ておきたい。案内板からはおっぱい岩のある海岸を一望。海岸に広がる傾斜した地層は1億年の歴史を記録していると言われているらしい。案内板から海岸へ下りた所に「おっぱい岩」と掲げられた朱色の鳥居がある。おっぱい岩アピール半端ない。

おっぱい岩!

案内板の側の鳥居から少し歩いた先に2つ目の鳥居があり、その直ぐ先におっぱい岩(大)が鎮座していた。おっぱい岩(大)は思っていた以上に大きく、そして思っていた以上におっぱいの形をしたいた。雲仙の噴火で飛んできたという伝承があるとか、どのようにして作られたのか解明されていないとか、推測では細菌が作り出したとか、いろいろ案内板に書かれてあるが、とにかくおっぱい岩(大)は文句無しのおっぱい岩だった。

2つ目の鳥居の先におっぱい岩(大)

思った以上にデカかった

後ろから見るとただの岩

この岩に触ると乳の出が良くなるとか、乳房が大きくなるとかいう御利益の噂もあるようだが、そんな御利益に無関係の男でも触りたくなる。それがおっぱい岩!

<< SCROLL    おっぱい岩のある海岸からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

おっぱい岩(大)は鳥居の側にあるし大きいので直ぐに見つけられたが、おっぱい岩(小)は小さいし目印になるものが無いので探した。案内板に2つのおっぱい岩の位置を記した海岸のパノラマ写真が載っていたので、用意周到に写真を撮っておいたが、それを見ながら探しても直ぐには見つけられず、炎天下の中ゴツゴツした岩場を歩き回る羽目に。外にいる時間が予想以上に長引き暑さに参る。タオルを首に巻いてくれば良かった。

おっぱい岩(小)は見つけ難かった

後ろから見ると変な形の岩

そして何とか見つけたおっぱい岩(小)は正直イマイチだった。一応おっぱいの形に見えないことも無いが、おっぱい岩(大)と比べると随分残念だ。まぁそれでも大小2つのおっぱい岩を見ることができたので、汗だくになって海岸を歩き回った甲斐はあった。うん満足。ともあれ、風景を眺めるのに飽きていたところだったので、いいリフレッシュにもなって楽しめた。

おっぱい岩(小)はサイズも形も微妙だった

おっぱい岩(大)が真のおっぱい岩!

おっぱい岩から引き続き海岸線に沿って続く国道を進む。あと少しで真の目的地である崎津に到着すると思うと、気分が高揚して少し元気が湧いてくる。なので何度か車を停めて海岸線からの風景を撮ってみたり。相変わらず絵に描いたような鮮やかな空と海が広がっている。これが真夏の空と海なのか、これが真夏の色彩なのかと、感慨にふけるような気分になる。

<< SCROLL    下島西岸からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

そして終着点に着いてしまう事へのためらいも湧き始める。今回は特に密度の高い車中泊旅行な気がするし、暑さに参って疲労も蓄積されているので、昼までには崎津の観光を終えて早く帰宅し、冷房を効かせた自宅でくつろぎたいと思っていた。しかし旅の終着点が目前まで迫ると、本当に昼から家路に就いていいのか、せっかくの快晴だし翌日も仕事は休みなので、夕方まで天草観光をしようかなどと、妙に名残惜しい気持ちになる。

現自宅がある東広島からだと、熊本県西部の天草地方は普段の車中泊旅行で行くには遠い。なのでここを訪れるのは今回が最後になるかもしれないとも思い、そう考えると余計に離れがたくなる。まぁそれでも、行こうと思えば行ける距離でもあるので、やはり予定通り昼で観光は切り上げて帰路へ向かう事にした。何せ自宅まで500km超の道のりを運転しないといけないので、早めに帰路に就かないと帰宅が遅くなってしまう。

妙見浦

(みょうけんうら:熊本県天草町)

下島西岸の中間辺りは妙見浦という景勝地で、特徴的な断崖や岩礁などが続く。気が向いたら妙見浦の観光スポットにも立ち寄っておこうと、旅行計画時に3箇所ほどピックアップしておいた。しかしここまでの旅路の疲れであまり気は向かなかった。ひとつは目的地まで長い狭小道路を通る必要があり、もうそんな道を運転したくはないのでヤメ。ひとつは2011年4月の車中泊旅行で訪れている教会で、特に印象に残っている訳ではないのでヤメ。そして残るひとつが、ゾウさんの形をした岩を見られる展望スポット。せめて1箇所くらいは妙見浦観光しておこうと、一番関心が向いて道のり的にも楽なゾウさん岩だけ見物する事に。

駐車場からぞうさん岩の見学地まで歩く

ゾウさん岩の展望スポットからの眺め

海崖の上を通る国道から横道に入り、海岸まで続く下り坂の途中にある駐車場に車を停める。駐車場に展望台でもあるのかと思ったらそうではなく、駐車場から80m歩いた歩道上が展望スポットになっていた。しかも歩道脇には木々が茂っていて、ゾウさん岩と周囲の景色をはっきりと見られる場所は限られる。さらにゾウさん岩までは500m以上離れていた。

妙見岩(左)とゾウさん岩

かなりゾウさんに見える!

何だか冴えない展望スポットだなと思ったが、そこから眺めるゾウさん岩は正にゾウさんそのものだった。思っていた以上にゾウさんの形をしていて気分が上がる。ゾウさん岩の正式名称は「穴の口岩」で、洞門や洞窟が開いている。それらの穴がゾウさんの鼻や足を形づくっている。頭からお尻にかけての輪郭もなかなかゾウさんらしい。よくも偶然こんな形になったなと思う。ともあれ、なかなか必見の展望スポットだった。

鼻と前足の間が妙見洞門

前足と後ろ足の間が妙見洞窟

ゾウさん岩の駐車場辺りから先は十三仏公園という景勝地になっているので、さらに下り坂を進んで公園の駐車場まで下りる。十三仏公園駐車場からは白鶴浜という砂浜海岸がある風景を眺望。ここまで来たら白鶴浜まで下りてみようかとも思ったが、今回の旅はもう十分過ぎるほどに綺麗な風景を見てきたし、海面や砂浜から照り返した日差しまで浴びたくないのでヤメ。最後の観光は展望台までの長い階段道を歩くので、体力と気力を残しておく必要があるし。という事で、国道へ引き返し崎津へ向かう。

十三仏公園駐車場から眺める白鶴浜