トップページ

その1  1日目早朝〜朝

 

まず、青島観光をするにあたり注意しなければいけないことがある。青島は離島で、愛媛県大洲市の長浜港から定期船に乗って行くのだが、定期船は1日2往復しかしていない。1便は長浜港8:00発の青島港8:35着で、青島港に10分停泊して8:45発の長浜港9:20着。2便は長浜港14:30発の青島港15:05着で、青島港に70分停泊して16:15発の長浜港16:50着。

 

便

長浜港発

青島港着

青島停泊時間

青島港発

長浜港着

1便

8:00

8:35

10分

8:45

9:20

2便

14:30

15:05

70分

16:15

16:50

注:2018年3月現在の時刻表

1便は青島港に10分しか停泊しないので、1便で青島に行った人は2便で帰る事になる。つまり8時間近く青島に滞在する事になる訳だが、島内に売店や自販機は無いので飲食物の持ち込みは必須。そして猫じゃらしなどの猫と遊ぶための道具も必須。島内にはこれと言った観光スポットは無く、長い滞在時間の大半を猫と過ごす事になるので、猫の遊び道具が無いと退屈してしまう。

そして特に重要なのが定期船の定員について。定期船は小さな船で定員は34名と少ない。事前の乗船予約はできないので、当日長浜港に並んだ先着順となる。なので乗船客の多い日に長浜港に遅く到着すると、定員オーバーで乗船できなくなってしまう。わざわざ愛媛県まで出掛けたのに青島行きの船に乗れなかった…なんて事にならないためにも、乗船客が多そうな連休などは避ける、早めに長浜港に到着するようにする…など、出掛ける日時をよく考える必要がある。

定員についてさらに注意点がある。先に説明した通り1便の長浜港8:00発に乗船した人は、2便の青島港16:15発に乗船して帰る事になる。で、2便の長浜港14:30発に乗船した人も2便の青島港16:15発に乗船して帰る事になる。なので、2便の長浜港14:30発に乗船できる人数は、定期船の定員34名から1便の長浜港8:00発に乗船した人数を引いた数だけと言う事になる。なので1便の乗船客が34名だった場合、2便の長浜港発には1人も乗船できない。

…ということで、確実に1便の長浜港8:00発に乗船するため、遅くても6:30には長浜港に到着したほうがいいと判断。そのために深夜2:00に起床し、2:30に自宅を出発。前日の就寝時間が23:00過ぎだったので3時間弱しか睡眠をとれなかった。家を出て直ぐに最寄のコンビニに寄り、朝食・昼食用の食べ物と飲み物を購入。青島には売店も自販機も無い事を絶対に忘れてはいけない。島内滞在の約8時間飲まず食わずは辛い。

東広島の西条ICから山陽自動車道を進み、尾道からしまなみ海道を渡って愛媛県に入り、松山自動車道で大洲ICまで進む。少ない睡眠時間ながらも運転中に眠くなる事は無かったが、集中力が低下してきたなと感じた事が2度程あり、その時は最寄のSA・PAに入って休憩。無理は良くない。

長浜港

(ながはまこう:愛媛県大洲市)

長浜港に着いたのは6:00ちょうど。定期船の乗船場へ行ってみるも、まだ乗船待ちの人の姿は無し。乗船場から200mほど離れた所にある定期船利用者用の駐車場へ行っても、車は1台も停まっていなかった。どうやら到着が早過ぎたようだ。

定期船利用者用の無料駐車場がある

一番乗りで到着

青島は本来観光地ではなく訪れる人は少なかったのだが、猫だらけの島であることがネットで拡散し、訪問客が一気に増えたらしい。週末や連休はかなり早い時間から乗船場に並んでいる事もある、という記事も見ているので、6時台の到着でも少し心配だったが、まずは一安心。

8:00出航の一便の乗船は7:20からなので、それまであと1時間強。外の気温は3℃と低く、風も出ていて結構寒い。厚手の上着を着ても30分でも外で待っているのは辛い。なのでとりあえず車の中で待機。15分ほど経った頃に1台の車が駐車場に入ってきて、ドライバーが乗船場へと歩いて行った。

3℃で1時間以上待つのは辛い

それを見て乗船場の様子が心配になり自分も向かう。すると途中で先に乗船場へ向かった人が引き返してきたので話しかけてみたところ、まだ誰もいないとの事で一緒に駐車場へ引き返す。その人は大阪から前日の夜に出発して、休み休み車を運転して来たとの事。当日に乗船場まで行ってみないと青島へ行けるかはっきりしないというのは、特に遠方からの訪問者には気が気でない。

定期船乗船場

ここに並ぶ

それから車が1台、暫くしてまた1台と、駐車場に車が増えていき、皆車内で待機。そして7:00を過ぎてからポツポツと車を降りて動き始めたので、自分も乗船場へ。結局乗船開始時間の7:20までに並んだ乗船客は10人程。全然余裕だった。乗船して船内で切符を購入する。運賃は往復購入で大人1360円。無事青島行きの切符を手にすることができて一安心。後は船内で出航を待つのみ。ここで朝食に買っておいた菓子パンを食べる。7:20以降もポツポツと乗船客がやってきて、最終的に乗船客は18人に。定員34名に対して全然余裕な結果となった。ちなみにそのうちの6人はクーラーボックス持参の釣り人。

定期船あおしま

往復切符を購入

定刻通り8:00に長浜港を出航。窓越しではない海を眺めていたかったので、船の後部デッキに出て遠ざかる愛媛県本土を眺める。長浜港到着時よりも気温は上がり、風通しのいいデッキには日が当たりそれほど寒くない。空は気持ちよく晴れ渡り、快晴の中のクルーズを楽しむ。本土の風景がすっかり遠く霞んだところで、デッキサイドから顔を出して進行方向を眺めると青島が近づいていた。

後部デッキから海を眺める

青島が近づいてきた

青島

(あおしま:愛媛県大洲市)

青島港桟橋

定刻通り8:35に青島到着。桟橋に降りると早速数匹の猫がお出迎え。そして青島に上陸すると桟橋前の建物の周りが猫だらけで、いきなりテンションマックス。皆カメラを取り出し写真撮影開始。夢中になって写真を撮りまくる。もちろん自分も写真を撮まくる。青島は本当に猫だらけの島だった。

いきなりたくさんの猫に遭遇

猫だらけ

ほとんどの猫は人間に慣れていて、近づいても全く警戒されず。至近距離でカメラを向けても全く気にしない。逃げられる心配も無く猫の写真を撮り放題とは素晴らしい。ここでローアングル撮影のための可変液晶モニター装備のデジカメが大活躍。カメラを低く構えて猫目線撮影も簡単。そんな撮影に夢中になっていたら、地面に置いて構えたカメラの上を猫がまたいで横切った。人間を気にしないのにも程がある。あまりにも人間を気にしないので、誤って蹴ったり踏んづけてしまわないよう気をつけないといけない。

せっかく猫の島まで来て写真撮影ばかりではつまらない。猫と遊ばないと。青島観光に必須な持参物に飲食物ともうひとつ、猫との遊び道具。という事で、100円ショップダイソーで購入した猫じゃらしをリュックから出す。猫じゃらしを使って猫と遊ぶのは人生でこれが初めて。猫じゃらしで猫をじゃらす……ヤバイ、楽し過ぎるっ!

初猫じゃらし!

ニャニャ、

ニャニャーッ!

暫く青島港桟橋前で猫の写真撮影と猫じゃらし遊びを楽しみ、気が済んだところで島内散策を開始。今回の青島観光は当然猫が一番の目的ではあるが、島内散策も楽しみにしていた。東西に細長く2km弱の大きさしかない小さな島に細道が張り巡らされ、民家が密集した集落があり、神社や灯台があり、学校の廃墟などもある。ちょっとした探検気分の散策が好きな人には魅力的な島。

まずは桟橋前にある定期船待合所へ。ここに観光客が利用できる唯一のトイレがある。島内観光で邪魔になる荷物はここに置いておくことができる。多分盗まれる事はないと思うけど、自己責任で。待合所の引き戸の開け閉めをする際に猫が侵入しないよう注意。定期船待合所の隣にある診療所は「本日休診」となっていた。

桟橋前にある診療所(左)と定期船待合所(右)

待合所隣に島内案内図

ネコッ!

定期船待合所の中

待合所に猫を入れない!

待合所から島の東へ続く道へ入る。民家の並ぶ細道にも猫があちこちにいる。家の外に出してある家財や洗濯物を荒らされたりはしないのだろうか。島民の半数は猫嫌いらしいが、何となく共存しているらしい。ところで、道路の両端に引かれている青いラインは何のためだろう。

島の東へ向かう

集落にも猫

道路に猫の足跡

廃品を利用した猫小屋

細道の途中には小さな神社、若宮神社がある。30段ほどの石段を上ったところにある社殿からは周囲を見渡すことができ、ちょっとした展望スポット。社殿の隣には「奉寄進」と刻まれた石柱と船のスクリューが。奉寄進」の意味が分からなかったので調べてみたところ、神社等に物品などを寄贈することの丁寧な表現らしい。青島は漁業の島。

若宮神社

神社のスクリュー

若宮神社からの眺め

若宮神社からの眺め

細道を抜けると漁業関係の道具類が散乱した場所に出る。金属製の四角い器の中でぐるぐる回る猫がいた。これは身体を擦りつけてきれいにしているのだろうか。自分は猫の習性には全く詳しくない。

いろんな道具が散乱している

この四角い器?はなんだろう

ごろごろ…

くるくる…

すりすり…

今思えば写真だけではなく動画も撮っておけばよかったなと思う。しかし面白い動画を撮るのは写真よりも難しそうだし、繰り返し動画撮影をしていたらカメラのバッテリーが直ぐに減ってしまいそうだし。それに動画は撮影上手なYouTuberが沢山投稿しているので自分には敵わない。やはり自分は今まで通り写真撮影メインで行こう…

ロープの上でくつろぐ猫

発砲スチロールの箱に入る猫

この辺りの猫に猫じゃらしを振ってもイマイチ反応が悪い。くつろいでいる感じの猫が多いので、ここは猫の休憩場所なのだろうか。左右の目の色が違う猫を見つけたので写真におさめようとするも、なかなか両目をしっかり開いてこちらを向いてくれなくて苦労した。

仕掛け網?の中で寝る猫

猫じゃらしの反応が悪い…

ずっと向き合ってる猫

左右の目の色が違う猫

さらに東へと進み、青島東端の弁天崎へ向かう。ここから先は民家は無く、猫の姿も無い。階段を上って、細い坂道を上って、ドコモ中継局のある丘を越えて行く。すっかり気温が上がり、ちょっとした上り道を歩いただけで汗が出てくる。早朝の気温に合わせて厚手の上着とヒートテックの上下インナーを着ているので暑い。

さらに先へ進む

階段を上る

ドコモ中継局を横切る

丘の上から見える弁天崎

丘を越えると広場のように開けた場所に出る。ここはキャンプスペースらしい。猫の姿も人の姿も無く。猫目当ての青島訪問客のほとんどはここまで来ないと思われ。広場の隅には「青島」と書かれた木製看板が立っている。そして看板の側には飛行機事故の慰霊碑が。「嗚呼殉難 雄飛の士 この滄海に眠る」と刻まれている。戦争慰霊碑と思っていたが、後から調べたら1984年にこの辺りで起きた海上自衛隊の航空事故を慰霊するものだった。PS-1という飛行艇が海に墜落して12名殉職したらしい。

弁天崎手前のキャンプスペース

青島の看板

殉職者慰霊碑

PS-1という飛行艇が墜落した

一文字読めない

キャンプスペースの先にある木々の茂った場所が、青島東端に位置する弁天崎。弁天崎の中には恵比寿神社がある。神社の鳥居の直ぐ手前に石碑があり「嗚呼博愛?仁」と刻まれているが、?は「死」・「宛」に似てるようで違う。何と刻字されているのか気になるが分からない。鳥居をくぐって弁天崎の中へ入っていくと神社の小さな祠が。全くひと気のない場所ながら、祠は綺麗に管理されている。

弁天崎に建つ鳥居

鳥居から続く道

恵比寿神社の祠

ふと気配を感じ祠の後ろの茂みを覗くと、一匹の猫がじっとこちらを見ていた。猫が多い集落から離れたこんな場所に何故一匹だけいるのだろう。なんか寂しい。猫じゃらしを振ってみるが微動だにせず、警戒されているのか茂みから出てこない。人間が嫌いだからこんな所にいるのだろうか。

警戒する猫

弁天崎から一旦定期船待合所まで戻る。行きは猫に夢中で気づかなかったが、島内に建っている家の多くは廃屋だという事に気づく。島内には数十件の家屋が建っているが、2018年3月現在の島民はたったの13人。それでも最盛期の1942年には889人もこの小さな島で生活していたというのだから驚く。昔は商店や飲食店などがあったのかもしれないが、現在は一切無し。宿泊施設や自動販売機も無い。さらに言うと自動車・自転車も1台も無い。

弁天崎から定期船待合所へ引き返す

廃屋が目立つ青島

猫にマーキングされる…

定期船待合所に入り上着を脱ぎ、トイレで上下のインナーも脱ぐ。上着は待合所のベンチに置かせてもらう。暑さから開放されてスッキリ。待合所を出た所でリュックを地面に下ろしたところ、1匹の猫がリュックに寄って来て「ブルブルッ」と身体を震わせて行った。今の「ブルブルッ」は何だと思いながらふとリュックを見てみると…やられたっ!「ブルブルッ」はマーキングだった。匂いを嗅いでみると…臭い。あぁこの匂いはマーキングの匂いだったのかと初めて知った。幸いウェットティッシュをリュックに入れてあったので、取り出そうとしゃがむとその横を別の猫が寄って来て「ブルブルッ」…まさかのマーキング2連発。今度はジーンズのお尻にマーキングされた。人間に慣れ過ぎた猫って危ないよ! マーキングをウェットティッシュで念入りに拭き取って匂いを嗅いでみると…まだ少し臭かった。