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かきしま海道サイクリング(2017年9月)

折りたたみ自転車でのサイクリングから始まり今日までに、瀬戸内海の風景を楽しめるサイクリングコースとして”海道”と名づけられたコースは4ヵ所走ってきた。サイクリングコースとしての走りやすさ・景色の良さ・コンビニや自販機などの補給スポットの数…等々を踏まえて個人的に順位をつけるなら、やはりダントツでしまなみ海道が一番。二番に補給スポットは少ないながらもコースと景色が良いとびしま海道。三番目は穴場的なゆめしま海道、そして四番目は他と比べたらいろいろ微妙なさざなみ海道、という感じになる。

しかしながら、実はもう1ヵ所広島県内に海道と名づけられたコースがあるにもかかわらず、あえてサイクリングを避けてきた場所がある。呉市の倉橋島北部と江田島市を走るかきしま海道というサイクリングコース。なぜ避けていたかと言えば、コース内には道路幅が狭く交通量の多い区間が多く、しまなみ海道やとびしま海道のように車に対してほぼストレスフリーなサイクリングを楽しめないから。しかしたまには走ったことの無いコースをサイクリングしてみたいと思い、多少のストレスを覚悟でかきしま海道サイクリングをすることに。

ピンクのラインが実際に走った道路

かきしま海道サイクリングの推奨ルートを簡単に説明。JR呉駅から音戸まで南下→音戸大橋を渡って倉橋島に入る→倉橋島北部東岸を南下→早瀬大橋を渡って江田島市に入る→江田島市西側を周って北端の切串港へ→フェリーに乗って広島港へ渡る…というもの(解り難い)。何故出発地と到着地を全然違う場所にしたのか、自走で呉駅まで戻るルート設定ができるのに何故そうしなかったのか、何だかよく分からないサイクリングコースになっている。走行距離は約70km。ちなみに江田島市のメインとなるY字型の島は、南の「東能美島」・北東の「江田島」・北西の「西能美島」に分けられているが、実際は陸続きの一つの島。

音戸大橋たもとからスタート

自宅からの行き帰りを考えると呉駅よりも音戸からのスタートの方が都合がいいので、音戸大橋たもとにあるパーキングに車を停め、8:40サイクリングスタート。まずは音戸大橋を渡ってループ橋を下りて倉橋島に入る。音戸大橋は1961年に架けられた古い橋で、倉橋島側にあるループ橋は日本初の三重螺旋高架橋。音戸大橋が架かる海峡を「音戸の瀬戸」と言い、以前に音戸の瀬戸周辺を観光している。詳しくは「瀬戸内ドライブ&サイクリング」のページの「音戸の瀬戸」に掲載。

音戸大橋を渡る

三重螺旋高架橋を下りる

ブルーラインが引かれている

道路幅が狭く路側帯も狭い

財布は落としません

音戸大橋から倉橋島を東岸沿いに南下していき、倉橋島と江田島市を繋ぐ早瀬大橋へ向かう。しまなみ海道やとびしま海道のサイクリングコースと比べて道路幅が狭い場所が非常に多く、常に車を意識してのサイクリングとなるので、あまり爽快感は無い。ちなみにこのサイクリング当日の天気予報は晴れとなっていたのだが、実際の空模様は明らかな曇り。道が悪いならせめて景色は楽しもうと思っていたのに… 以前に折りたたみ自転車で倉橋島北部のみをサイクリングしていて、音戸大橋〜早瀬大橋までの様子は「瀬戸内ドライブ&サイクリング」のページの「倉橋島サイクリング」に掲載しているのでここでは省略。

早瀬大橋

安全のため歩道を走行

江田島市に入っても路側帯の狭い道は続く

音戸大橋から13kmほど走って早瀬大橋に到着。早瀬大橋は路側帯の幅がほとんど無く車の交通量は多かったので、安全のために歩道を走行。橋にはブルーラインが引かれておらず、自転車は車道・歩道のどちらを通行すればいいか指示表示等はなかった。早瀬大橋を渡り江田島市の東能美島に入っても暫く路側帯の狭い道路が続き、引っ切り無しに自分の右側を通過していく自動車に神経を使う。やはりかきしま海道は道路幅が狭い点などで、快適にサイクリングができるコースとしては難を感じる。

東能美島の東岸側を北上し、西能美島の西岸沿いに出た所でやっと路側帯の幅がそれなりにある道路に出る。交通量は少なくなり左手には漁港の風景。さらに弱いながらも日差しが出て景色が明るくなる。よしここからサイクリング本番だ!と思ったのも束の間、また直ぐに日差しは雲に隠れて灰色掛かった風景に逆戻り。そしてコースは車がほとんど通らない石油ターミナル沿いの道路へ続き、小さなトンネルを通って工業団地が広がる海岸沿いの道路に出る。道路幅は狭くなるが、車は滅多に通らないので快走。

西能美島西岸に出たところ

石油ターミナルの横を通る

石油ターミナルの奥にある小さなトンネル

工業団地の前を通る

工業団地前の海岸風景が何だかもの寂しい雰囲気なのは天気のせいだろうか。工業団地前から眺める砂浜と島々の風景はなかなかいい感じなので、晴れていればいい眺めなのかもしれない。曇りで日が差さないほうが汗をかかずに済むのはいいが、やはり観光サイクリングするなら景色が映える快晴の方がいい。

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工業団地を抜けたら西能美島の西岸沿いをひたすら北上。道路は広いが交通量は非常に少なく快走。天気がよければ綺麗な海を眺めながらサイクリングを楽しめる区間なだけに、曇り空で青い空と海が見られないのが残念。天気予報を恨みたくなる。かきしま海道は自宅から近いのでいつでもサイクリングに行く事ができるが、音戸から東能美島までの路側帯の狭さと車の交通量の多さがストレスになるので、再度かきしま海道サイクリングをすることはないかもな、などと考えながらペダルを漕ぐ。

西能美島西岸沿いの道路

長い上り坂を走る

西能美島の西岸沿いをしばらく北上すると長い長い上り坂に差し掛かり、そのあとに下り坂が続き、東岸にまわり込んで今度は南下していき、そして江田島に入り西岸沿いを北上。淡々と走り続けて海上自衛隊の学校の前を通り、トンネルを通り…とにかく江田島の北にある切串港を目指す。

西能美島北部を進む

海自学校の水兵さんが歩いてる

こんなところも走って

こんなところも走って…

江田島北部まで進み、サイクリングスタートから3時間半が経った12:00過ぎになって晴れ間が広がり始める。空と海が青くなり風景は一変。江田島北部は交通量が少なく走りやすい区間であることも相まって最高に気持ちのいいサイクリングに。しかしながら推奨ルートのゴール地点である切串港に間もなく到着…

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切串港に12:40到着。音戸からマイペースで走ってちょうど4時間、走行距離は約68km。上り坂が少なく疲れもなく、海沿いを走れる区間もそれなりにあり、天気がよければいい景色を眺めながらサイクリングができるコースと言える。しかしやはり、路側帯が狭く交通量の多い区間が多数あり、そのような道路では安全性に不安を感じ自転車の運転に神経を使う。やはりしまなみ海道やとびしま海道と比べると、終始快適なサイクリングを楽しめるコースとは言えないというのが個人的感想。

切串港に到着

推奨ルートでは切串港からフェリーに乗って広島市本土へ渡るようになっているが、多くのサイクリストは切串港から江田島を東岸沿いに南下し、再び早瀬大橋と音戸大橋を渡って呉市へ戻るルートをとっていると思われ。音戸に車を停めている自分も当然そのルートで進んでいく。

道幅の狭いトンネル

またトンネル

またまたトンネル

切串港から江田島東岸寄りの道路へ入ると、長い上り坂が続いた先にトンネルが6つも続く。車の交通量は少ないがカーブが多く道幅の狭い場所もあり、安全のためライトを点灯し十分注意して走行。それから途中通り掛かった小用港で休憩。晴れてから気温が上昇し、暑くて喉が渇いて体力も消耗。それでも晴れのほうが景色がいいのでサイクリングは楽しい。

小用港で休憩

しびれ峠を越える

再び早瀬大橋を渡る

小用港からさらに東岸寄りを南下し、しびれるほど上り坂がきつくはなかったしびれ峠を越え、東能美島の市街地に入り往路で通った道路に戻る。再び路側帯が狭く交通量の多い道路を走り、早瀬大橋を渡る。往路では曇りで冴えなかった早瀬大橋からの眺めも、復路では快晴でいい眺めに。

<< SCROLL    早瀬大橋からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

早瀬大橋を渡って倉橋島北部に戻り、往路とは反対の西岸を北上。西岸沿いは交通量が非常に多く路側帯は非常に狭く、自転車の運転には神経を使い結構なストレス。まぁこのルートはかきしま海道の推奨ルートではないので文句は言えないが…

また狭い路側帯

倉橋島北部西岸を進む

そして音戸の瀬戸まで戻ってくる。1961年に架けられた音戸大橋のすぐ隣には、2013年に開通した新音戸大橋が架かっている。新音戸大橋を渡って車まで戻ることもできるが、ループ橋を走りたいので新音戸大橋の下を通過して音戸大橋へ向かう。

<< SCROLL    音戸大橋と第二音戸大橋の眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

第二音戸大橋が開通する以前の音戸大橋は慢性的な渋滞が起きていて、自転車で通行するには安全面に不安があったが、第二音戸大橋開通後は交通量が一気に減って自転車でも走りやすくなった。

音戸大橋のループ橋は2回転半

三重螺旋高架橋をまわって上る

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

音戸大橋たもとのパーキングに14:50帰着。所要時間約6時間のうち走行時間は約4時間40分。走行距離は約100kmと程よい距離で、上り坂の数や勾配の程度も自分にはちょうど良く、そのような点では走りやすいサイクリングコースだと思う。

倉橋島と東能美島は路側帯が狭い上に交通量が多く、安全に気持ちよく走れないとうのが大きなマイナスポイント。今回走ったルートで再度サイクリングしたいとは思わない。西能美島と江田島は快適な道路が比較的多かったが。正直なところ、どうしてこのルートをサイクリングコースにしたのかと疑問に思う。瀬戸内海の島々の多くがサイクリングコースになっているので、サイクリスト呼び込みのために少々強引にかきしま海道というコースを設定したように感じてしまう。サイクリングをするなら安全で快適に走れる道路がいい。かきしま海道を走ってみて、「世界で最も素晴らしい7大サイクリングコース」に選ばれサイクリストの聖地になっているしまなみ海道が、いかに理想的なサイクリングコースであるかを改めて実感した。

 

野呂山ヒルクライム(2017年10月)

自宅から30kmほどの場所にある野呂山。山頂までの道路は北西側と南側の2ルートあり、距離は9〜10km程度。ドライブで何度か山頂まで行ったことがあり、山道なので当然ながらずっと上り坂が続く。ただそれほど勾配はきつくなく、距離的にもロードバイクなら下から山頂まで上れるんじゃないかと思い立つ。貧脚なので上り坂は苦手で好んで走らないが、何となく挑戦してみたくなった。

 …ところで、坂道を”のぼる”の漢字は”上る”にするか”登る”にするか毎回迷う。個人的には普通の坂道は”上る”、山歩きなら”登る”、山道でも車などの乗り物なら”上る”…というイメージ。しかし自転車は乗り物でも人力なので、勾配がきつい坂や長い坂、山道などは”登る”のイメージの方が強い。ネットで調べるとふたつの明確な使い分けは無い?様子。何だか使い分けが面倒なので今回は全て”上る”にした。HP制作で文章を作成していると、日本語は難しいと毎回思わされる。文章を読むのも書くのも苦手な自分には尚更…

林道郷原野呂山線の入口

入口から上り坂が続く

2ルートある山道のうち、自宅から近い北西ルートの「林道郷原野呂山線」から上ることに。林道郷原野呂山線の入口周辺には駐車場が無いので、入口近くにある広い路肩に車を停めてサイクリングスタート。周辺に有料駐車場なども無いので仕方がない。

まだまだこれから

曇り空

スタートから早速上り坂が続く。この日の天気は曇り。普段のサイクリングだったらガッカリするところだが、今回はひたすら山道を上るだけでとにかく体力を消耗するので、日差しの無い曇り空の方が暑さによる体力消耗を抑えられて都合がいい。

上り坂を進む

上り坂をひたすら進む

南ルートよりも北西ルートの方が車の交通量がずっと少なく、南ルートはヘアピンカーブが多くかなりくねった道のりになっているのに対し、北西ルートはきついカーブが少ない。そのような点で北西ルートの方が安全にサイクリングができると言える、と思う。

もみじ橋

もみじ橋たもとからの眺め

ただし、南ルートの途中には眺望のよい展望台があるのに対し、北西ルートにはそのような展望スポットは無し。コースの途中に架かるもみじ橋から海を眺められる程度。いずれにせよどちらの道路もほとんどが木々で覆われ、外の景色はほぼ見えない。野呂山南ルートにある展望台の様子については、「瀬戸内ドライブ&サイクリング」のページの「野呂山」に掲載。

トンネルもある

ここで小休憩

サイクリング開始からちょうど5km走ったところで休憩。ひたすら上り坂を進むのはやはり疲れる。日差しが無くても汗をかいて喉が渇く。数分のあいだ脚を止めてしっかり水分補給をして再開。ひたすら続く坂道をマイペースで淡々と進んでいき、山頂の手前まで進んだところで初めての下り坂。ここが最高に気持ちいい。そして直ぐに道は上り坂に戻る。

ひたすら続く上り坂

初めての下り坂

特別苦労することもなく野呂山山頂の十文字ロータリーに到着。林道郷原野呂山線の入口から十文字ロータリーまでの走行距離は9km。それなりに疲れたが、上り切ってしまえばそれ程でもなかったように感じる。これなら休憩無しのノンストップでも上れそう。自転車で上り坂の練習をするにはいいコースだなと思う。まぁ自分はカジュアルサイクリストなので練習するつもりはないが… 十文字ロータリーからさらに道を進んで野呂山ビジターセンターへ。

ロータリーまで

の走行距離

野呂山の十文字ロータリー

野呂山ビジターセンター

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

林道郷原野呂山線の入口から野呂山ビジターセンターまでの走行距離は10.5kmとなった。走行時間は1時間ほど。最高速度の数値は唯一の下り坂を下りた時のもの。平均速度が10km/hに満たないのが貧脚の証(笑)。

野呂山ビジターセンターより奥へ続く細道を進み、かぶと岩展望台へ。曇り空で空も海も灰色掛かって遠くの景色は霞み眺めは良くない。まぁ仕方ない。ここへはドライブで何度か訪れていて、快晴時の風景を眺めているので良しとしよう。しかしやはりサイクリングのゴール地点で絶景を見られたら気分がいいと思うので、涼しい時期の快晴の日にもう一度ロードバイクで上るのもいいかな、などと思った。

かぶと岩展望台

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<< SCROLL    快晴時のかぶと岩展望台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

野呂山ビジターセンターで腹ごしらえ

ロータリーに戻って下山

かぶと岩展望台から野呂山ビジターセンターまで戻り、パンと缶コーヒーで軽く腹ごしらえをしてから下山。当然上りとは逆でひたすら下り坂が続き、ペダルを漕ぐことなく滑走。これが最高に気持ちいい、という訳でもない。惰性に任せて加速していけばあっという間に危険な速度に達してしまうので、ブレーキで速度を調節しながら走る必要がある。ブレーキをかけっぱなしではブレーキシュー(ゴムの部分)やホイールのリムに大きな負荷が掛かりそうなので、ブレーキのオンオフを繰り返しながらの速度調節。そして身体は前のめり気味に力が掛かるので微妙に疲れる。

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

そんな感じで一気に下山して、十文字ロータリーから林道郷原野呂山線入口までの約9kmの道のりに掛かった時間は20分。ずっと下り坂を走っていた割には随分と時間が掛かっている気がする。何故だろう。

とりあえず貧脚の自分でも割とあっさり野呂山を上ることができた。と言ってもひたすら上り坂を進むのはやっぱり疲れるし、楽しいものでもない。それに加え、あまりにも景色が単調で面白くないというのもマイナスポイント。琵琶湖一周でも感じた事だが、景色やコースが単調だと飽きてしまい気分的に疲れる。精神的な面から来る疲労感は体力的な疲労よりもしんどい。やはり景色を楽しみながらの観光サイクリングを好む自分には、坂道ばかりの山よりも瀬戸内風景が広がる海沿いコースの方が向いていると再認識した。